レストラン キャンティ

Restaurant Chianti

1983年の年末に発行されたアンアンに、「”食べること大好き!”というデザイナーたちの薦める店。」という特集が組まれ、「金子功(ピンクハウス) 飯倉キャンティ(イタリア料理) 金子さんは、ここのバジリコ、海の幸のオードブルがお気に入り。」と記載されています(1983年12月30日/1984年1月6日合併号)。イタリアンレストランがまだ珍しかった1960(昭和35)年、港区麻布台・飯倉片町交差点近く、旧郵政省飯倉分館(現在は外務省飯倉公館)向いにオープンしたレストラン「CHIANTI」をワンダフルハウスがご案内いたします。


2005年10月の六本木交差点。待ち合わせスポットとしてお馴染みのアマンド。六本木店は1963年にオープンしました。1階がカフェ、2階がレストランになっていて、ケーキは30種類ぐらいあり、地下鉄の始発が出る朝5時(土日は6時)まで営業しています。 六本木通りを右折して外苑東通りをロシア大使館方面に向かいます。
アマンドの隣りにあるシシリア。1954(昭和29)年開店の老舗イタリアンレストラン。 店内の壁は、落書きだらけで、歴史を感じさせます。 開店当時からメニューにあった長方形のピザが有名。
1983年にオープンした「ハードロックカフェ東京」。ロックを聴きながら、ボリュームたっぷりのアメリカ料理を楽しめるレストラン&バー。店内には有名ミュージシャンのコレクションが飾られ、音楽ファンでなくても訪れる価値あり。来日したミュージシャンが立寄る店としても知られています。 「ザ・ハンバーガー・イン」。1950(昭和25)年創業の老舗ハンバーガー・ショップ。
飯倉片町(いいくらかたまち)交差点。前方に東京タワー、左手に「ランボルギーニ六本木」。創刊当時(1970年)のアンアン編集部や栗崎昇さんの「西の木」は、六本木交差点から飯倉交差点の間に存在していました。金子さんも当時は、この近くに住んでいたのです。 交差点を過ぎてすぐ右側に、キャンティは昔と変わらず存在していました。
1階の「アルカフェ キャンティ」。ワンダフルハウスは、有名な1200円のモンブランをいただくことにしました(^Q^) 1階のカフェ。ここは、1960年代は「ブティック ベビードール」でした。当時既にグッチやエルメスを置いていたというのは驚きですが、顧客を最も魅了したのは、初代オーナー川添梶子デザインのオートクチュールでした。1960年代後半のグループサウンズ全盛時代、タイガース、スパイダース、テンプターズ、ワイルドワンズのメンバーの夜の溜まり場となり、音楽情報やステージ衣装の話などで盛り上がっていました。梶子夫人に衣装の相談をしているうちに、ここで各グループの衣装が生まれたのです。ファンはキャンティの前を通るだけで鳥肌がたったそうです。
自然光が入り、広々として落ち着ける室内。壁の絵は、初代オーナー川添浩史・梶子夫妻の審美眼を通過して選ばれたもの。設計は、基本的な部分は川添夫妻が行い、最終的には、ル・コルビュジエ最後の弟子であり、川添氏の友人でもあった建築家・村田豊が仕上げました。キャンティ飯倉本店は、料理だけでなく、建築や美術の観点から体験しても興味深いものがあります。
イタリアでカフェといえばエスプレッソ。ワンダフルハウスがキャンティで飲んだのは「Caffe Lungo(カフェ・ルンゴ)840円」という多めに抽出したエスプレッソ。本来のエスプレッソより薄くなりますが、量は多くなります。「ルンゴ」はイタリア語で「長い」の意味。英語でいうロングです。反対に少な目に抽出した濃いエスプレッソは、「Caffe Ristretto(カフェ・リストレット)」、または「カフェ・コルト」といいます。イタリア語で「リストレット」は「狭い」、「コルト」は「短い」の意味。20ccをリストレット(コルト)、30ccをカフェ、40ccをルンゴといいます。ワンダフルハウスは、角砂糖を2個入れました。イタリアでは砂糖なしのカフェは存在しません。「パデッラさんの気まぐれ料理」で、カフェの「イタリア風正しい飲み方」を学べます。
アチェロとモンブラン。アチェロはフランボワーズのムースで、フランボワーズ独特の香りと酸味を活かしたムースとゼリーが人気の一品です。モンブランを御覧ください。編み込んだように巻き付いたマロンペースト。ケーキ全体を包み込んだ、フリルのような美しいデコレーションは、まさに職人芸と言えます。 やばい…美味過ぎます!(^Q^) ワンダフルハウスは、モンブランをお土産に買って行くことにしました。
こちらが、キャンティのケーキ用の箱でございます。 モンブラン(1200円)とマロンクレープ(600円)。キャンティでは、例えば600円のケーキを店で食べると10%のサービス料が付いて660円に。テイクアウトの場合は5%の消費税が付いて630円となります。
頂上に立っているのは、和栗の渋皮煮。その下に生クリーム(加糖)。中身は複雑な断層になっています。表面は縄編みのニットの模様のように巻きついているマロンクリーム。内側の生クリーム(無糖)の中には、クラッシュされた和栗の渋皮煮が。その下にマロンムース。さらにその下に挟み込まれたチョコレートガナッシュは、フランスの「DEBAUVE&GALLAIS」(ドゥボーヴ・エ・ギャレ)のもので、高級感のあるカカオの香りが。土台はサクサク感のある焼きメレンゲ。栗は、柔らかく香り立つムースには国産を、味がストレートに伝わるクリームにはフランス産を使用。1つのケーキに約15粒使用しているそうです。1200円の価値はありますね〜(^‐^)
キャンティのケーキは松屋銀座店丸ビルでも買うことができます。しかも、それぞれの店舗で限定モンブランが販売されているのです。これは、キャンティ松屋銀座店限定モンブラン(500円)。白い焼きメレンゲと栗とチョコレートがマロンペーストの外側に貼り付いてるのが特徴。マロンペーストの内側に生クリーム、その下に薄いスポンジ、一番下は内側にチョコレートコーティングしてあるタルトとなっています。
こちらは、キャンティ丸ビル店限定モンブラン(600円)。フランス産栗を贅沢に使っているそうです。造りが特製モンブランに似ていて、廉価版といった感じの趣があります。違いは頂上の栗にチョコレートコーティングしてあること、マロンクリームの柄が縄編みニット柄でなくてスパゲティ柄であること、マロンムースとチョコレートガナッシュが省略してあることでした。

こちらはモンブランではありませんが、栗を使ったロールケーキ「ネスラード」(550円)。キャンティのケーキの中で、ワンダフルハウスが最も好きなケーキです(^Q^) 栗の甘露煮を裏漉し、オレンジマーマレード、シナモン、コアントローを混ぜ合わせ、ダイス状に細かく刻んで、ココア入りのスポンジで巻いて、チョコレートでコーティングしてあります。ズッシリ重くて、濃厚で食べ応えがある、風味、ボリューム共に満点のロールケーキ。1960年の開店以来作られているお菓子の1つなので、昔っぽいレトロ感が漂い、食べていると、なぜか和菓子っぽい感じもします。 生クリームと刻んだ栗がたっぷりのマロンクレープ。虜になる美味しさです(^Q^)

こちらは、カフェの奥にある個室。
ゆったりと落ち着けて、ビジネスにもプライベートにも最適な空間です。
ワンダフルハウスが個室で食べていたケーキ。ケーキは、1つのお皿にサンプルを10数個乗せて持って来てくれます。左から、上部がキャラメリゼされた小さいシュークリームが5個乗っているシュークリーム(600円)。中身は全てカスタードクリームでした。中央上部は、ハロウィンの時期に登場したかぼちゃのプリン(600円)。カボチャの甘味がとろけていました。底にはカラメルソースが。右は定番の「カマンベール」(700円)。
続く
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