デニムジャケット

わんだふるはうす私物
6 KJ−17 価格不明
(カールヘルム1986年冬物)
ブルーデニムのカバーオールジャケット。グレー地に赤×青ボーダーのアクリル素材のブランケットが身頃だけでなく袖の裏まで付いていて防寒性が高いです。真冬はもちろん、春先や晩秋にも重宝してます(^‐^) 衿は茶のコーデュロイ。

デニムジャケットについては、1979年から1981年までananに連載された「金子功のいいものみつけた」の54回目(アンアン1980年12月1日号)「ブルージーンの上衣(ジャケット)で、金子さんが触れているので、それを紹介いたします。

絹っぽい服とデニムの組み合せが新鮮。デニムには、何に合わせても動かしがたい魅力がある。この装いには、白のスニーカーがいい。もちろん赤のハイヒールでもいいけれど。この服で行かれない場所なんてない。現代はそんな時代なのだ。

オーバーオール・ジャケット¥7800
(バックドロップ)
ブラウススーツ¥63000
コサージュ¥4500
(ピンクハウス1980年秋冬物)

ブルージーンのジャンパーが流行で、最近は”ジージャン”なんていう呼び方もある。こういう省略語はあまり好きになれないのだが(たとえば喫茶店で、”ホット”とか”レスカ”、服のメーカーでジャンパースカートを”ジャンスカ”などと、ひどい言葉を使っているものだ)、考えてみれば「Gパン」だってジーンズパンツから来た言葉なのだろう。
略称、通称、愛称が気に障らず耳馴れしてくるまでにはどのくらいの年月が必要なのか。服飾の流行語などはたいてい、馴れる以前にもののほうが消滅してしまうことが多い。
”ジージャン”はそう簡単に消え去る服ではないから、そのうちこの呼び名にも馴れてしまうだろうか。
ところで、同じブルージーンのジャケットなのだが、ジャンパー型ではないやつ。この呼び方はまだ定まっていない。オーバーオール・ジャケットと呼ぶ人もいるらしい。

数あるデニム製品と同じに、この上衣も手軽で機能的で着心地の良い便利な服だ。藍(インディゴ)のブルーが、着ているうちに褪せた、いい色になってくることや、布の肌触りも柔らかくなってくる、こういうデニムの魅力はいまさら語るまでもない。
つまり、この青い上衣がどんなにいいかなどと、説明は何もいらないのだ。付け加えるとすれば――これは冬向きに厚手の裏地が付いていること。毛布のような布や赤いキルティング地などの裏が付いたものが時々見つかるけれど、どれも暖かそうで楽しくなる。

写真のジャケットはボタンの穴かがりが赤い糸。ちょっとしたことなのだが、ひどく心楽しい赤なのだ。
それで、シルクの赤い服を合わせてみたくなったのかもしれない。今の感覚では、この服にはツイードのジャケットなどが洒落ている。
けれど、デニムの上衣をはおってみると、絹の赤が生き生きと感じられる。この服装で出かける場所もさまざまに思いつくのだ。散歩でもいいし、ちゃんとしたレストランもいい。どこにいても生き生き輝いて見えるだろうと、思われる。
ほんの10年くらい前(1970年頃)、Gパンでホテルやレストランに入ってはいけない、なんていう”規則”があった。ネクタイなしで断られたりした話もいろいろ。今(1980年当時)では逆に、ネクタイ族お断りというディスコがあるそうだ。
絹とデニムが合うかどうか。デニムでパーティーに行っていいか。そんなルールは時代と共にどんどん変わって行く。言葉の流行りと同じことだろう。
が、ブルージーンの魅力のように、時代がどう変わっても生き残って行くものもあるのだ。

わんだふるはうす私物
P0332 FJ06 価格不明
(カールヘルム1993年夏物)
ハンバーガー刺繍が付いた1枚仕立てのデニムジャケット。シングル2つボタン、ノーベント。カジュアルなジャケットなのに袖釦が本切羽という所に金子さんのこだわりが感じられます。金子さんがイメージするハンバーガーとは、昔のアンアン編集室近くにあった、六本木の老舗「ザ・ハンバーガーイン」(1950年創業)のような、ハンバーガー専門店の草分けとされる店のハンバーガーなのだと思います。

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