阿部 寛 (1986年・22歳) |
三上 博史 (1987年・25歳) |
柴田 恭兵 (1987年・36歳) |
ダッフルコート¥69,000(カールヘルム1986年冬物) 中央大学在学中の1985年3月「集英社第3回ノンノボーイフレンド大賞」に優勝 して、雑誌「メンズノンノ」の専属モデルとなった。阿部寛さんのホームページでは、創刊号から23号までの表紙が見れる。 メンズノンノ1986年12月号(No.9)より |
ダッフルコート¥68,000、クルーネックセーター¥22,000、ボタンダウンシャツ¥15,000、スニーカー¥7,200(カールヘルム1987年秋物) 金子さんは三上博史さんをかなり気に入っていたようだ。「彼の面(おも)差しにはデザイナーの食欲を刺激し触発する陰翳がある。三上博史のような青年(わかもの)が僕にはいま面白い。」 ポパイ1987年9月16日号(No.254)「独りの海、青年の空間と時間。」より |
ダッフルコート¥62,000(カールヘルム1987年冬物) 胸にはカニの刺繍。野球のユニフォームの上に無造作に羽織ってるのがお洒落だ。これはスタイリストが撮影のために借りたものではなく、恭兵さんが買った私物である。当時の柴田恭兵というとメンズティノラスのイメージが強いが、ティノラスはドラマのタイアップで着ていただけで、ゴルフの時などプライベートではカールヘルムやボイズキットを着ていた。彼はVANを着ていたアイビー世代なので、当時のデザイナーズブランドでは最もアイビーに近かったカールヘルムを選んだのであろう。 メンズノンノ1988年2月号(No.21)「柴田恭兵・大研究」より |
「金子功のいいものみつけた」の25回目(アンアン1980年2月1日号)「ダッフルコートの記憶」には「そして買ったのがMen’s Wear店のダッフルコート。まだそんな名前も知らなかったが。ずっと後になって、あの頃俺が一番先にダッフルを着たんだ、という言葉を何人から聞いただろう。誰もが、我こそ、と信じている。たとえばポパイの編集長、たとえば金子功、たとえば……。」とある。この「……」の部分には、荒牧太郎さん(「PAPAS」「Mademoiselle NON NON」デザイナー)の名前も入る。金子さんと荒牧さんは文化服装学院とセツ・モードセミナーの同級生であり、学校でもプライベートでも常につるんでいた。2人のうち、どちらかが先にメンズウェアのダッフルを買い、残りの1人が影響を受けて、同じ物を買ったのだろう。アンアン1986年9月12日号(No.543)で荒牧さんはダッフルについて、こう語っている。
「厚手の生地で一枚仕立て。2サイズは大きめを選ぶこと。丈は臑(すね)の中間くらいを目安にして。とにかく、ダッフルは大きめで長め、これに尽きる。ほかは、普通であればいい。ボタンなんか別に水牛の角で作られてようが木製であろうが、あればいいんです」
こう小気味よく答えてくれたのは、荒牧太郎さん。仕事においてもプライベートでも、彼こそまさに”ダッフル一辺倒”を地でいく人である。
「コートは、ダッフルしか着ません。いま(1986年当時)、ベージュと紺の2つを持っています。そのひとつは、着始めてから、もう15年にもなる」
荒牧さんとダッフルとの出会いは、彼がまだ学生で、文化服装学院に通っていた頃のこと。
「まだあるのかな。銀座のメンズウェア」っていうショップでね、初めて買ったんです。キメの細かい厚みのある生地で、ズッシリ重くて、色はもちろんネイビー。袖を折って着てましたから、肩が落ちるほど大きめでした。でも、これが好きでカッコ良くてね……」
以来、このコートこそが、荒牧さんが作るダッフルのすべての基本になっていると言う。
NEW! |
「考えてみれば、コートにおいて、これほど完成されたものはないですよ。だから、デザインするにも、あまり手を加えたくないんです。まあ、ワッペンで味つけする程度。今年は、初めてフードの取り外しがきくものを出してみましたが……」
ダッフルの魅力は、何にでも合うこと、と荒牧さんは言う。ジーンズでもタキシードでも、そのままガバッと羽織れば、不思議に調和(マッチ)してしまう。ただ、着こなしにおいて、ひとつだけ気をつけなければならない点がある、と荒牧さん。
「靴とのバランスですね。コートにかなりのボリュームがありますからね、それに負けない、しっかりとしたいい靴を履くこと。ペタンコ靴なんかは論外!」
荒牧さんは「金子功のいいものみつけた」の55回目「毛皮」(アンアン1980年12月11日号)に友情出演。愛車ロータスセブンにユリさんを乗せて登場した。 | アンアンに掲載された鷲尾いさ子さんがモデルをつとめたマドモアゼルノンノンの広告からダッフルコートを着ているものを2つ紹介しよう。こちらは、1995年11月3日号(No.993)。ライトグレーのアンゴラのジャージの上下にグレー地のチェックのダッフルを着ている。荒牧さん御用達の西麻布の「ハンプトンホーム」で撮影された。この店はアメリカ東海岸の高級リゾート地、ロングアイランドのハンプトンという街にあるインテリアショップから家具を輸入しているが、鷲尾さんは、撮影の合間にソファーの生地を買った。 | 1996年11月1日号(No.1042)では黒のショート丈ダッフル(フードの内側にチェックの裏地、前立てにパイピング)とベージュのコーデュロイのパンツ、それに黒のアーガイルセーターが秋の気配によくなじんでいる。御覧の通りいい革靴をコーディネートしている。荒牧さん御用達の箱根の蕎麦屋「梢月庵」で撮影された。仙石原から湖尻に向かい大箱根カントリーの入口を過ぎて右側にある。 |
来週に続く |