日傘

by ユリさん

パラソルじゃなくて、日傘と呼びたいのです。

夏は暑い。日射しは強い。
昔からずっとそのはずなのに、不思議なことに最近、真夏でも帽子をかぶったり、日傘をさした人の姿を見かけることが少なくなりました。
ファッションの傾向なのでしょうか。それにしても暑いものは暑い。ましてやお膚も曲がり切っていくばくか……の身となってみれば、日除けは欠かせません。
私は、どちらかといえば帽子よりは日傘のほうが好き。よけいな荷物がひとつ増える、という非実用性にエレガンスを感じてしまうのです。
福山さんに(イラストレーターの福山小夜さん・モデルとして登場)持っていただいた日傘(近所のデパートで買ったユリさんの私物、色は白)は昨年、買ってひと夏中重宝したものです。まだまだ黄ばんでもいないし、今年も活躍しそう。
中国製の麻のブラウスはデパートの物産展で5,000円くらいだったもの。インゲボルグのスカートも含めて全身、白でまとめた福山さんが、街角にたたずむと、まるでそこだけ、時間(とき)の流れがとまったようで。
どうぞ、お願いです。こんな傘は、パラソルと呼ばずに、日傘と呼んであげてくださいね。

クロワッサン1985年7月25日(185)号 おしゃれ大好きNo.55より 

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