インゲボルグ

1983年春 ブランド設立。フリルやレースがいっぱいの「ピンクハウス」が足し算のファッションなら、シンプルを身上とする「インゲボルグ」は引き算のファッション。デザイナーは、1994年春夏までは金子功さん。1994年秋以降は、春日美江さん。

「INGEBORG」ブランド名の由来は?
大橋歩さんの提案で、立川ユリさんの本名がブランド名に。ご本人のユリさんは「ドイツ人の名前って響きは重いし、怖い感じでしょ。あまり好きではなかった」そうだ。でも、「ピンクハウス」は名前も服もかわいい。だからかえって差別化がはかれていいんじゃないかとの意見もあって、スンナリ決まった。

金子さん「ここ2、3年(1983年当時)ずっと感じていたんです。自分でデザインして言うのも変だけど、大人っぽい服や女らしさを特に強調したデザインが、同じピンクハウスの服のなかにある。ローンとかデシンとか、そんな嫋(しな)やか素材を生かしたものや、小紋、幾何学模様、水玉プリント。そして色を使わない服。そういう、地味だけれど着てみると気分が華やいでくる洋服。そんな服だけで新しいブランドを作ろうと考えました」
それがINGEBORG スポーティーとは正反対に位置するおもいきりのドレス感覚。エレガンスな大人のための洋服です。色は白と黒だけ。絹や麻や薄手の木綿の、柔らかな素材。質感を生かしたシンプルなデザイン。これがINGEBORGのすべてです。

インゲボルグ表参道店
神宮前5−2−5
インゲボルグ原宿路面店
表参道の交差点近くにあった。
インゲボルグ銀座店
SONYの初代プロフィールの画面には、ショーの映像が!
当時、プランタン銀座4Fにあった。

参考資料・クロワッサン1983年3月10日号(No.128)、ELLE JAPON1986年11月5日号(No.72)、CLASSY1986年5月号

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