トリュフは極めて不思議な魅力を持ち、最も香り高く、確かな徳を備えている。まさに料理の「Diamant noir ディアマン・ノワール」(黒いダイヤモンド)である。シェフの口の中でトリュフは贅沢な感触、豪華さそのものを意味する。料理にとってトリュフは、裁縫にとっての刺繍に等しい。(レイモン・オリヴェ) |
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トリュフはぺリゴール料理の香り高き魂である。トリュフがフォアグラに対するは、真珠が宝石箱に対するがごとし。(キュルノンスキー) |
冷たく表面が粒々にして、根も無しに生えてくる驚くべき黒トリュフは、神秘的に成長するので大地にとって無縁なもののように見える。(コレット) |
私がこれを書いている現在(1825年)、トリュフの栄光は頂点に達しているといえよう。アントレがそれ自体どんなに美味しいものであったとしても、トリュフの味つけがなければ格好がつかない。“プロヴァンス風トリュフ”の話を聞くだけで生唾が出るのを感じない人がいるだろうか。(ブリア・サヴァラン) |
(紀元前の)人々は学者たちにトリュフの正体を尋ねた。2000年の議論を経た後でも、学者たちは最初の日と同じように答える。「何もわからない…」。トリュフそのものに尋ねたらこう答えた。「私を食べ、そして神を崇めよ」。トリュフの歴史を書くことは、世界文明史を書くことを意味する。(アレクサンドル・デュマ) |
トリュフが調味料に、美食家を恍惚境に導くための輪光のような働きをします……トリュフはキノコのモーツァルトです。(ロッシーニ) |
「今週は、“牛フィレ肉のロッシーニ風”をロッシーニのオリジナルでお願いします!(^O^)/」 | |
Festival de la truffe noire du Perigord ぺリゴール産黒トリュフ・フェスティヴァル +サービス料10% |
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Salade d'hiver a la truffe noire フレッシュトリュフのサラダ 6300円 |
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Ueufs brouilles a la truffe goujonnettes トリュフのスクランブルエッグ 6300円 |
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Croustade de truffe “Imperiale” トリュフとフォアグラのパイ包み焼き 18900円 |
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La soupe aux truffes noire en croute feuiletee トリュフのスープ パイ包み焼き 8400円 |
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Dorne de turbot fourree de truffes noire ,et sa mousse sauce a la creme fleurette et sauce perigord 天然ヒラメのトリュフ風味 2色のソース 8400円 |
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Tournedos “Rossini”et sa garniture 八甲田牛フィレ肉のロッシーニ風 トリュフ・フォアグラと共に 15750円 |
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Dessert a la truffe トリュフのスペシャル・デザート 2940円 |
「ぺリゴール産フレッシュ黒トリュフ…相変わらず神秘的でエッチな匂いです! 〜(~Q~)」 | |
フランス南西部の内陸の地方ぺリゴールはラスコーの洞窟をはじめとする旧石器時代の遺跡が数多く残る中、緑豊かな丘と、のどかな村が続く美しい地方です。中世の面影が残るこの地方の中心地ペリグーは、美食の街という名にふさわしく、市場が立つと様々な食材が並び、大変活気に溢れます。ぺリゴールで誰もが思い浮かべるのが「トリュフ」。“黒いダイヤモンド”との別名を持つキノコの歴史は古く、古代ローマ時代にまで遡ります。フランス古典料理が確立された18世紀には「トリュフ」は珍しく貴重なものとされ現在に至ります。 |
「トリュフは古代ローマ時代に発見され、18世紀からフランスで食べられるようになりました。そして、“トリュフ好きはエッチ好き”と、媚薬であると信じられていたのです(^-^)」 |
「確かに中まで真っ黒で、コロンと丸くて、薬のように不思議なものではあります(゚-゚)\」 |
「おおっ!?米です!(゚O゚)\ ジョエルさん、どうしてトリュフに米が付いてるのですか?」「トリュフハ オコメト イッショニ シマッテ アリマス。キョウハ トリュフノ リゾット タベサセテ アゲマス(^_-)-☆」「トリュフのリゾット!?しかもフレンチで!?(゚O゚)\」 | |
フレッシュのトリュフは香りを逃がさないように米や生卵と一緒に密閉容器に入れて保存しているそうです。密閉する時に生卵と一緒に入れると、卵の殻の気孔からトリュフの匂いが移ります。その卵を使ってスクランブル・エッグにすると、素晴らしいトリュフ風味のスクランブル・エッグが作れます。 |
「ワンダフルハウス様、アミューズの“Milles feuilles au fondant de foie gras et aux fruits secs フォンダン・フォアグラのミルフィユ ドライフルーツ添え”でございます」「フォンダン・フォアグラ?(゚O゚)\」 | |
1813年2月6日、ヴェネツィアの大劇場フェニーチェ座でロッシーニの堂々たるセリアが初演されました。ロッシーニの出世作「タンクレーディ」です。これによってロッシーニの名声が一気に全イタリア、さらには広くヨーロッパ各地に知れ渡ることになります。 | |
ロッシーニは伝統的イタリアオペラ様式の完成者と目され、オペラ・セリア(真摯な歌劇)、オペラ・ブッファ(喜歌劇)、オペラ・セミセリア(中間的な性質の歌劇)、ファルサ(単幕の軽喜劇)の表現可能性の極限を示しました。 |
「フォンダンとは、フォンダン・ショコラでお馴染みの通り、“とろりととろける”という意味です」 | |
「タンクレーディ」の個々の音楽を見ていくと、なんといってもタンクレーディ登場のアリア「Tu che accendi questo core」(というよりもモデラートの部分「Di tanti Palpiti(こんなに胸騒ぎが)」の方が通りが良いでしょう)が最も魅力的です。不安と期待を胸に密かに祖国に戻って来たタンクレーディの様々な感情が、キリリとした旋律と和音の微妙な色彩の変化で見事に表現されています。 |
「おーっ! つまり、フォアグラのムースですね! しかも、ドライフルーツとナッツが乗っててミルフィーユ仕立とは、お菓子っぽい造りです!(^O^)\」 | |
ロッシーニはタンクレーディの上陸場面のために大アリア「Di tanti palpiti(こんなに胸騒ぎが)」を書きますが、初演前々日に、美貌と才能と気まぐれの絶頂にあったプリマ・ドンナのアデライーデ・マラノッテから自分のアリアが気に入らないと言われ、歌うのを拒ばれます。ロッシーニは宿屋で注文したリゾットを待つわずか4分間で新たなアリア「Tu che accendi(燃え上がらせるあなた)」を作曲したといわれています。このアリアの別名は「aria dei risi(米のアリア)」。リゾットを注文してから出てくるまでの間に、あわてて書き上げたからです。 |
ドライフルーツとナッツが乗っててミルフィーユ仕立て…お菓子っぽい味です!(^Q^) | |
このフォンダン・フォアグラは、生のフォアグラをピュレにしてから、卵や生クリームでのばして、低温のオーブンで湯煎にかけてプリンのように火を通したものです。 | |
では、4分間で調理できるリゾットとは何でしょうか? 溶かしバターに残りご飯を入れて揚げて、パイのように切り分け、おろしたパルメザン・チーズをかけていただく「Risotto al salto(揚げリゾット)」ではないか、といわれています。生米にスープを足して炊きあげる一般的なリゾットであれば、調理に15分を要するからです。 |
ワンダフルハウスがトリュフに付着した米を発見してから15分が経過しました…「ワンダフルハウス様、“Rizotte de truffe noire fraiche リゾット・ドゥ・トリュッフ・ノワール・フレーシュ”フレッシュ黒トリュフのリゾットでございます」 | |
フレンチでリゾットを一品料理として提供することは、まずありません。しかし、ジョエル・ブリュアン氏は、ここで出してくれたのです。 |
Rizotte de truffe noire fraiche リゾット・ドゥ・トリュッフ・ノワール・フレーシュ フレッシュ黒トリュフのリゾット |
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「おおっ!予想以上に凄いリゾットが出てきましたよ!(゚O゚)\」 | |
炒めたお米にスープを吸わせながら美味しく煮る、イタリアを代表するお米料理「リゾット」。ロッシーニが好んで調理していたリゾットはトリュフを使ったものではなく、牛の骨髄を使ったものでした。 | |
「Risotto alla Rossini(リゾット ロッシーニ風)」 60グラムのバターを新鮮な牛の骨髄90グラムと共に火にかけて溶かしたら裏漉しし、500グラムの米とスプーン1杯の塩で調理を始める。米が油分を全て吸収しきらないうちに、野菜と滋養に富んだスープをスプーン数杯加えながら、絶えずかき混ぜる。さらに5分経過したら、小匙2杯のスープを再び入れ、よく洗ったキノコ12個の薄切りと、種を取って細切れにしたトマト4個分を加える。絶えずスープを足し、仕上げにおろしたパルメザン・チーズ200グラムを加える。キャスロールを火からおろし、卵の黄身2個を混ぜ合わせ、5分間放置してから、おろしたパルメザン・チーズを別に添えて供する。 |
ここで、高木さんが通りかかって、お皿をジーッと見つめています…「ん?(^-^)\ この黒トリュフのリゾットは私も始めて見ました」「マ…マジですか!?(゚O゚)\」 | |
キャビア、フォアグラと並ぶ世界三大珍味の一つ「トリュフ」には黒トリュフと白トリュフがあり、黒トリュフはフランス・ペリゴール産、白トリュフはイタリアのピエモンテ・アルバ産が特に最高級品として珍重されています。 | |
ロッシーニにとって最高のトリュフは、ノルチャの黒トリュフとピエモンテの白トリュフでした。イタリアから送ってもらったり、パリのイタリア食品店で購入していました。他の産地のトリュフについては何も語っていないことから、フランスで最高のぺリゴール産黒トリュフよりも優れていると考えていたようです。 |