いつの間にか季節は7月に…。二の鳥居に七夕の飾りが施されています。 | 狛犬が睨みをきかす二の鳥居の横にある、あの建物は何でしょう? すごく風情がありますね。 |
暖簾には「運納喜」という文字が…? 「うなぎ蒲焼」と書かれた幟…「運納喜」は「うなぎ」と読むようです。こちらは、鰻の名店「二ノ鳥居 館 浅羽屋」でございます。長谷の「浅羽屋本店」は100年以上の歴史をもつ老舗ですが、こちらの浅羽屋も昭和25年の暖簾分け以来56年の歴史を重ねてきた老舗です。創業地は下馬で、昭和28年に、二の鳥居横に移転してきました。この店には、鎌倉の文人や有名人が数多く通いつめたことで有名です。画家、陶芸家、書道家、 漆芸家、料理家、篆刻家など様々な顔を持っていた稀代の芸術家であると同時に、人気コミック「美味しんぼ」で取り上げられるなど、美食家としても知られる北大路魯山人とは、自作の器と食用油を物々交換したこともあります。 文人では大佛次郎、里見ク(さとみとん)、川端康成、永井龍男、久米正雄。黄桜酒造の河童のCMでおなじみの天才漫画家・清水崑。映画監督の小津安二郎は北鎌倉の自宅まで配達していたそうです。俳優では、三船敏郎が毎年4月第3日曜に鶴岡八幡宮で行われる春の流鏑馬の時は、いつも立ち寄っていました。特に笠智衆は、この店のうな重を、とても気に入っていました。 |
今は夕方の4時。ランチタイムは終わってしまいました。うな重に刺身が付いた「小町定食」(2100円)は、お得ですね。 |
店に入ると、レジの所に女将さんがいました。笠智衆のことを聞くと、多い時は週に1度のペースで来店し、仲居さんにチップを渡し、上の階の個室に案内してもらって、いつも一番安いうな重を食べていたそうです。 |
あの色紙は誰のでしょう? | 元衆議院議員・稲葉修(1909〜1992)さんの色紙です。法務大臣時代なので1970年代後半に書かれたものと思われます。三木武夫内閣の法相を務め、1976年に発覚したロッキード事件では、田中角栄元首相の逮捕を許可して、捜査への政治介入を許さない姿勢で名声を高めた人です。色紙を贈られた先代の当主である故・浅羽和彦さんは、凧上げの名人でもあり、連凧4128枚の世界記録保持者で、生前はギネスブックにも載っていました。由比ガ浜で262畳という、とてつもない大凧を上げたこともあります。 |
「うな重」は、3種類(2200円・2700円・3100円)あります。ワンダフルハウスは、一番安い2200円のうな重をいただくことにしました。 |
「うな重」が運ばれてきました\(^Q^)/ |
これが笠智衆が好きだった、2200円のうな重。鰻は、静岡県榛原郡吉田町のものを使用。吉田町は、南アルプスから流れ出る大井川の伏流水に恵まれ、古くから「うなぎの町」として知られています。 |
肝吸いも美味です(^Q^) 苦手な方には、肉だんごのお吸い物もあるそうです。お新香も付いてます。 |
山椒をたっぷりかけて、いただきます。先代から継ぎ足してきた秘伝のタレが美味)^Q^( 関東風に蒸し上げてから、備長炭で焼き上げた鰻は柔らかく、口の中でトロけるようです。 | 大佛次郎(おさらぎじろう)は、いつも段葛を歩いて店へ来て、白焼(1600円)を肴に酒を飲んでいたそうです。来週は白焼をいただきましょう。 |
白焼は定食でいただきましょう。値段は蒲焼定食と同じです。一番安いのは1900円ですが、2100円の刺身付の方ががお得ですね。 | こちらが、2100円の白焼定食でございます。きも吸も付いてます。 |
鞍馬天狗や赤穂浪士で有名な大佛次郎が好んだ白焼。酒を飲まない甘党のワンダフルハウスは蒲焼派ですが、たまには白焼もサッパリしていていいですね。 | 白焼を単品で注文すると付いてくる薬味の皿。わさび醤油、塩、生姜醤油でいただきます。鎌倉文士になった気分です(^Q^) |
刺身もいただいて、段葛に戻ることにしましょう。 |