わんだふるはうす、ラトリエ・ド・シマに行く

キャラメル・ムー

キャラメル・ムー。ムー(mou)とは、フランス語で柔らかいという意味で「生キャラメル」のことです。歯にくっつかない上品な食感と、しつこくない味わいのフランス風キャラメルは、国産の大手メーカーのキャラメルとは全くの別物です。今回は、ラトリエ・ド・シマとパティシエ・シマのお菓子の中から、島田徹シェフの2009年4月現在の新作を紹介いたします。

2009年4月

テレビ局や大使館、豪邸が建ち並ぶ東京都千代田区麹町。舌の肥えた住民相手の、いい蕎麦屋や、いい菓子屋が点在する通りがあります。右手に「ラトリエ・ド・シマ」、その先に「パティシエ・シマ」が見えてきました。 「こんにちは!ケーキをください!(^O^)/」
「ん?見慣れないケーキがありますよ?(^-^)\
「トロピック・レベイユにコレット?(^-^)\」
「ワンダフルハウス様、こちらのカプチーノ・ア・ラ・カネルと3点は徹さん(島田徹シェフ)の作品で、こちらのアルモニーだけチーフ(島田進シェフ)の作品でございます」
「ワンダフルハウスは新作ケーキ4点を選んで、ラトリエ・ド・シマでイート・インすることにしました」
ラトリエ・ド・シマは、「Chocolaterie ショコラトリー」(チョコレート専門店)です。パティシエ・シマの「Salon de The サロン・ド・テ」(喫茶店)も兼ねているので、店内でケーキやお茶をいただけます。
「おっ、こんな所にも新商品が!(^O^)\」「キャラメル・ムーでございます」「キャラメル・ムーって何ですか?(゚O゚)\」「生クリームとバターの味わいを生かした軟らかいキャラメルでございます」
「キャラメル・ムーもクール・プラリネ・ショコラも徹さんが作りました」「なんと!(゚O゚)\ パティシエ・シマの新商品のほとんどは、島田徹シェフの作品になっていたのです」 
島田徹さんは1976年生まれ。ルコントで修業後、フランスへ渡り、Laurent DuchenePIERRE HERME PARISとパリの有名パティスリーを経て2008年11月に帰国。年末の繁忙期からパティシエ・シマで働き始めました。PIERRE HERME PARISではスーシェフまで務められた若き実力者です。
新作ケーキ4点が運ばれて来ましたが、先にキャラメル・ムーをいただきましょう。
「これがフランスのキャラメルですか…(゚O゚)\
「キャラメル ・ ムー」 と呼ばれる軟らかいキャラメルを作り出したのは、フランス ・ ブルターニュ地方キブロンに住むキャラメリエ(キャラメル職人)&ショコラティエのアンリ・ルルー氏です。 1977年に創業した際、「費用がかからなくて美味しいお菓子を」 と思い付いたのが、生まれ育ったブルターニュの名産品であるバターを使ったキャラメルでした。
Caramel mous
キャラメル・ムー
630円
実は私は小学生の時に食べたのを最後にキャラメルやガムは35年近く食べていないのです。なぜなら、まずかったからです!(゚O゚)\
「おおっ!これは見るからに軟らかそうです(゚O゚)\
「簡単に噛み切れるとは不思議です!そして想像していた以上に軟らかい!)゚Q゚(」 「口の中に入れた瞬間に“食感が違う!”と感じました。軟らかく、滑らかで、溶けていく感じ…これは美味です!(^Q^)」
Coeur praline chocolat
クール・プラリネ・ショコラ
472円
「coeur」(クール)とは、「こころ」という意味。ハートの形をしたプラリネ味のチュイルにプラリネショコラをコーティングしたお菓子です。
「tuile」(チュイル)とは「瓦(かわら)」という意味の古典的なプティ・フール・セック(小さな焼き菓子)です。
チュイルにもショコラにもローストしたアーモンドにカラメル状になるまで煮詰めた砂糖をからめたプラリネペーストたっぷり。サクッとした食感がクセになる薄焼きクッキーです(^Q^)
Tropic reveil
トロピック・レヴェイユ
472円
“熱帯の目覚め”という意味を持つタルトの登場です。
「島田進シェフのガトーとは見た目が違います! 若々しい感じがしますね(^-^)\」
短冊切りにしたアナナス(パイナップル)がたっぷり」
「タルト台は卵白とアーモンドパウダーの生地ダコワーズで出来ています」
「表面はサクサク、中はしっとり…かなりソフトなダコワーズです」
「パイナップルの下にはココナッツクリームたっぷり。トロピックなお味です(^Q^) フランボワーズのコンフィチュールも入っています」
Colette
コレット
472円
「先ほどのトロピック・レヴェイユの具を苺とマンゴーに替えたお菓子です」
「ケーキの名前のコレットとは?…ん?(^-^)\…これはシドニー・ガブリエル・コレットをイメージして創ったプティ・ガトーです!(゚O゚)\
「シドニー・ガブリエル・コレット Sidonie Gabrielle Colette」(1873〜1954)は、「性の解放」を叫び、同性も対象とした華麗な恋愛遍歴で有名。1951年、コレットは代表作「ジジ」をブロードウェイで舞台化しようとして、主役のませた痩せっぽちの少女ジジを演じる女優を探していました。
コレットは、バイ・セクシャルの夫と共にリヴィエラのホテルに滞在していました。すると、どうでしょう…純白のドレスを着た痩せっぽちの少女がホテルのロビーを走り抜けて行ったのです。コレットは隣にいた夫に呟きました…「私のジジがいたわ」…
映画『モンテカルロへ行こう』の撮影のためにリヴィエラに来ていた無名の女優を気に入ったコレットは『ジジ』のブロードウェイ公演の主役に抜擢しました。この女優は『ジジ』公演の直前、ロンドンで受けたフィルムテストによって映画『ローマの休日』の主役にも抜擢され、『ジジ』公演終了後の1952年6月からローマでの撮影に入ります…オードリー・ヘップバーンは映画スターへの道を歩み始めたのです。
「これもダコワーズ生地ですが、色が茶色っぽくてキメが荒いですね。材料の配合が違うようです」
「中はピスタチオのクリームでした(^Q^)」
レイモン・オリヴェがオーナーシェフだった頃のミシュラン3つ星レストラン ル・グラン・ヴェフールの指定席に座ったコレットは、ジャン・コクトーにこう言いました…「自分のやりたいことをやるの」…3度もの結婚を繰り返し、有名なレズビアンだった公爵夫人を恋人にし、義理の息子と愛人関係に陥る…彼女の人生はスキャンダルに次ぐスキャンダルでしたが、意気投合したコクトーは、パレ・ロワイヤルを挟み向かい合うアパルトマンに移り住み、しばしば彼女の部屋を訪ねたといいます。小説、詩、舞台…様々なことで共感し合えた二人は、すぐ隣のル・グラン・ヴェフールへも、よく一緒に出かけていました。
Cappuccino a la cannelle
カプチーノ・ア・ラ・カネル
472円
カプチーノをイメージしたプティガトー「カプチーノ・ア・ラ・カネル」の登場です。
「カネル」とは、フランス語で「シナモン」のこと。
「シュトロイゼル(そぼろ状のクッキー)にまでカネルをふってあります」 タルト台はパート・シュクレ。ビスケットのように、もろく口溶けがいい生地です。
「中はコーヒークリームですね」
「シナモンの香り、生クーリームの柔らかさ、コーヒーのほろ苦さが生きたタルトです(^Q^)」
Harmonie
アルモニー
472円
「Harmonie アルモニー」は、フランス語読みだと「H」は発音しません。英語読みだと「ハーモニー」。「調和」という意味のプティガトーです。
このプティガトーだけ島田進シェフの作品です。
チョコレートのムースと赤いフルーツのジュレが見事に調和しています(^Q^)
「赤いジュレはフランボワーズとパッションフルーツとオレンジで出来ているそうです」

2009年5月

1ヵ月後…「おおっ!?(^O^)\」
「ウィークエンドが母の日のプレゼント用にお化粧しています!\(^○^)/」
ワンダフルハウス様、こちらのケーク・ピスターシュとケーク・ヴァニーユは徹シェフの新作でございます」「両方ください!(^O^)/」
「ラトリエでケークをいただきましょう…おおっ!?カーネーションです!(^O^)\
カーネーションです!(^O^)\
Guimauve Printemps
ギモーヴ・プランタン
525円
「ピンクと白の見慣れないお菓子がありますよ?(^-^)」「そちらは徹シェフの新作でギモーヴ・プランタンでございます」「ギモーヴと言えば、今ブームの“進化したマシュマロ”です!(゚O゚)\
「“春のギモーヴ”という意味を持つギモーヴ・プランタン。パリスイーツ界のトレンドセッター パン・ド・シュークルのギモーヴに似ています(゚O゚)\
ピンクはザクロ、ホワイトはミントのピュレ入りです
「今までのマシュマロとは明らかに違います…繊細で軽やかな食感です!)^Q^(」
「ザクロのピュレが一杯入っていて、フレッシュで爽やかな甘さなのです!)^Q^(」
Cake Pistache
ケーク・ピスターシュ
262円
「こちらも新しいタイプのパウンドケーキですね(^-^)\」
「若草色のケーク・ピスターシュの中に紫色のグリオット…美しいケークです!」
ピスタチオの味わいが濃厚! ジューシーで酸味のあるグリオットと口に入れた時の掛け合いが見事なのです(^Q^)」
Cake Vanille
ケーク・ヴァニーユ
262円
「ヴァニラの香りが立ち上がっています↑(^Q^)↑」
「おっ、ここにもグリオットが!(^O^)\」
すごくシットリした生地ですね…ケーク生地の中にバニラビーンズを発見しました!(^O^)\
「とてもきめ細かく、シルキーな舌触り(^Q^) ヴァニラの味わいが濃厚です!」
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