わんだふるはうす 聖夜のルコント青山本店に行く
PART3

ブッシュ・ド・ノエル
クリスマス・プディング
フルーツケーキ
anan 1978

”クリスマス前夜に燃やした炉の灰が、その家の守り神になる”という古い言い伝えが北ヨーロッパを中心に各国へ受け継がれています。フランスも例外ではなく、このとき使う薪をかたどった「ブッシュ・ド・ノエル」が生まれたのです。これは、ロールケーキにバタークリームで木の表皮の感じを出し、幸せのフェアリーとされているキノコをメレンゲで作って飾り、さらにツタをからませたり、サンタクロースを添えたりしたもので、今ではフランスのクリスマスケーキとして世界的に知られることとなりました。日本でもフランス菓子店なら、たいていクリスマスには並べていますから、おなじみの方も多いかもしれません。2007年12月24日、ワンダフルハウスは、青山1丁目にあるパティスリー・ルコントとブラッスリー・ルコントで、フランスやイギリスに古くから伝わる素朴で可愛らしいケーキを味わいながら、楽しいイブを過ごしたのでした(^Q^)

ワンダフルハウスは、ブラッスリー・ルコントを出て、ツリーの反対側にあるパティスリー・ルコントに移動しました。
「メリー・クリスマス!(^O^)/」「これはこれは、ワンダフルハウス様…」 ケーキのサンプルが運ばれてきました。
おっ!(^O^)\ クリスマス仕様のプチ・ガトーがありますね。
一番下はプチノエルですね」 「このクリスマスの飾りが施されたチョコケーキは?」「トリュフ・オー・ノエルでございます」
「普段は四角いチョコで飾られ、ガトー・トリュフという名で販売しております」 「年が明けて、1月から3月のホワイトデーまでは、ハートのチョコの帽子をかぶります」
おーっ!(゚O゚)\ これは珍しい!ポンポネットの上に生クリームが乗ってます!」「そちらは、ババ・オ・シャンティーでございます」
「このケーキもクリスマス・ヴァージョンですね!(^O^)\」 「そちらは、パトリシアンでございます。普段は、こんな感じの花柄です。
「5月1日の鈴蘭祭りに合わせて、4〜5月はスズラン柄になります」「季節によって柄を変えるとは凄い!(゚O゚)\」
フランスでは、5月1日は「鈴蘭祭り」と称してスズランの花を贈りあう習慣があり、「スズランの花を受け取った人は幸せになる」という言い伝えがあります。
「この赤いのは何ですか?」「新作のフレーズ・オー・ノエルでございます」 ワンダフルハウスは、ノエル・ヴァージョンのプチ・ガトーを全て注文しました。
「ガトー・トリュフ Gateaux aux Truffes 」(368円)真っ二つに割れていますよ!?(゚O゚)\
真っ二つに割れているのには理由があります。左側は電子レンジで7〜8秒温めてもらったもので、少し溶けてやわらかくなっています。右側はショーケースから出してそのままのもの。ガトー・トリュフをサロン・ド・テでオーダーすると、「温めますか?」と聞かれます。温めて食べるのが通なのです。アンドレ・ルコントさんは温めて食べていました。
レンジでチン! そのまんま
さすがにフランスのレシピ。これでもか!というくらい濃厚で、久しぶりにパンチのある納得のいくケーキが食べられました)^Q^( 濃厚なチョコレートケーキを是非!という方はお試しください。濃厚チョコにレーズンなどのドライフルーツがぎっしり、そして強烈なブランデー風味。”ルコントのエッセンスがすべてつまった”ケーキです。
ジャガイモの形をしたチョコレートです!\(^○^)/ こちらは、ガトー・トリュフが出たために廃番になってしまいました「ポム・ド・テール Pomme de Terre」を前田シェフに復刻していただきました特注品でございます。白いバタークリームで作った芽が素晴らしい出来映えですね。中身はガトー・トリュフと同じです。
「ババ・オ・シャンティー Baba au chantilly」(630円)イーストを使ったパン生地をお酒に浸したお菓子「サバラン」の登場です。ルコントのは、サバランにレーズンを混ぜた「ババ・サバラン」。美食王として名高いポーランド王スタニスラス・レクチンスキー(ルイ15世妃マリー・レクチンスキーの父)が1704年に発明しました。スタニスラス王は、いつも食べ慣れているクグロフというお菓子に飽きてしまい、砂糖とラム酒をふりかけて火を点けたのでした。すると、どうでしょう…クグロフは思いもよらぬ美味しい味になりました\(^Q^)/ 王様は千夜一夜物語(アラビアンナイト)の英雄アリババがお気に入りだったので、このケーキに「アリババ」と命名。その後、スタニスラス王は継承戦争に破れて1736年に退位。ポーランドから追放され、フランス・ロレーヌ地方の領主となりました。それをきっかけにフランスにもババが広まったのです。19世紀初めに、ロレーヌ生まれのパティシエストーレーがパリのモントルグイユ通りに店を構えて名物としたところ、センセーションを巻き起こし、呼び名は短く「ババ」と呼ばれるようになりました。最初はハケでシロップを塗るだけだったのを、ラム酒入りシロップに浸す方法になり、1840年頃、ストーレーで修行していたオーギュスト・ジュリアンというパティシエが生地に干しぶどうを加えない「ブリア・サバラン」を作り、後にただ短く「サバラン」となったのでした。ちなみにサバランという名前は「ブリア・サヴァラン」に敬意を表して付けられた名前。「君の食するところを言い給え。君がどんな人物かを言い当てよう」の名言で知られる19世紀フランスの美食評論家です。
表面がテカテカ光っています☆ これは、アプリコットのジャムが全体に塗られていて艶のある仕上がりになっているからです。
カットしてみましょう…おっ!中にレーズンが(^O^)\…ラム酒とシロップがビッチョリ染み込んでいます。
この生地はババのためにだけ作られたババ専用のブリオッシュ。
クレーム・シャンティーが、てんこ盛りです!\(^Q^)/
クリスマス用にドレスアップした「パトリシアン Patricien」(525円)の登場です。
上に飾ってあるヒイラギはマジパンで出来ています。
カットしてみると何層にも別れていました。口の中に含んだ瞬間、ふわっと溶けて、間に挟んだへーゼルナッツのバタークリームの香りがいっぱいに広がります(^Q^) サックリしてるけどふんわりモチモチ…普通のビスキュイとは違う、独特の食感があるこの生地は…「ダックワーズ Dacquoise」です!
ダックワーズとは、フランス南西部のランド地方の町ダックスで生まれた、フランスでリッチな生地の代表格と呼べるものです。アーモンド粉をたっぷり使って焼き上げたメレンゲ生地で、プラリネクリームをはさものが一般的な方法。パトリシアンもプラリネのムスリーヌ(Creme mousseline au praline)をはさんであります。プラリネは、へーゼルナッツ・プラリネを使用。へーゼルナッツの風味がしっかりとして濃厚で美味しいのです(^Q^)
「フレーズ・オー・ノエル(フレーズ・オー・ピスターシュ)」(630円)おーっ!(゚O゚)\ これは、クロンヌ・ド・マンゴーのイチゴ版です!
「クロンヌ・ド・マンゴー Couronne de mangue」(630円)中身はマンゴーのムースがメインで、マンゴーの実が入ったクリームとココアのゼノワーズで構成されています。ゼノワーズの間にある果実感のあるピューレ状の部分が特に美味)^Q^( マンゴーづくしの清涼感のある夏らしいケーキです。
中身はイチゴのムースがメインで、ピスタチオクリームとゼノワーズで構成されています。ピンクとグリーンがカラフルで見た目にも華やか。 側面はストライプ柄で金箔がふってあり、下の方にマカロンとアーモンド・プードルを貼り付けてあります。
苺のサッパリ感の中にピスタチオのコクがあり、甘いものが苦手な人にもオススメ(^Q^) 軽くてふんわり。最近の流行に合わせたケーキです。
東京で最も上質なパティスリーのクリスマス・イブのショーケースの中へ御案内いたします。
おーっ!(゚O゚)\ これは凄い! ルコントのエッセンスが全て詰まった「トリュフ・オ・ノエル」(420円)。
「プチノエル モカ」(630円) 「プチノエル グランマニエ」
「プチノエル ショコラ」 「ババ・オ・シャンティー」(630円)
「フレーズ・オー・ノエル」(630円) キノコ付きのもあります!(^O^)\
「パトリシアン」(525円) 「タルト・オ・フレーズ」(525円)。クリスマス仕様ではありませんが、ルコントといえば”タルト”なのです。
ヨーロッパで生まれ、フランスで形作られたタルトが日本に広まったのには、1968年に六本木に開店したフランス菓子店「ルコント」が大きなきっかけを作ったと言えます。オーナー・パティシエのアンドレ・ルコント氏は、それまでの日本式欧風菓子とは一線を画すタルトやムースなどの純粋なフランス菓子を作り、業界に大きな衝撃を与えました。これが日本の洋菓子界における本物志向の先駆けとなり、タルトの流行の始まりでもあったのです。1999年にルコントさんは亡くなりましたが、現在でもムッシュ(ルコントさん)の指示通り、あくまでフランスの味を守りながらタルトを作っています。ムッシュには丸いタルトはパン屋のもの、菓子屋はバトー型(小判型)という感覚があったようで、現在でも、このようにバトー型のタルトが主流です。何かと”甘さ控えめ”を唄い文句にした菓子があふれる昨今ですが、ルコントの「タルト・フレーズ」や「タルト・アブリコ」、「タルト・スリーズ」は、しっかりした甘さを持つ伝統的な味。時を超えたルコント氏の味は現在でも健在なのです。
そして、ついにクリスマス・アントルメの登場です。おっ?これは珍しい!(^O^)\ イチゴとブルーベリーで飾り付けた華やかなショートケーキ「シャンティ・オ・フレーズ」(6300円)。コクのある生クリームと、しっとりジェノワーズで、まるごと苺をサンドした贅沢な味わいです(^Q^)
本格的なフランス菓子店に「ショートケーキ」はめったに存在しません。ルコントでも普段は作りませんが、日本人には圧倒的に人気があるショートケーキですから、クリスマスだけ作ったのです。
これもクリスマスにしか見れないマキシム風「ミルフィーユ」(6300円)です。1979年にマキシム・ド・パリからルコントに戻り、1987年まで総製菓部長をつとめた島田進シェフ(パティシエ・シマ)が残したレシピに基づいて作られています。島田シェフは現在も週に1回ルコントの厨房を訪れて、後進の指導にあたっておられます。 こちらが本来のルコントの「ミルフィーユ・オ・フレーズ」(578円)です。
この「ショコラ・オー・ノエル」(5250円)もクリスマスにしか作らない貴重なものです。チョコレートとフランボワーズのリキュールは、フランス菓子伝統の組み合わせで、ワンダフルハウスが買ったブッシュ・ド・ノエル・オー・ショコラ(酒あり)やフェスティバルと同じような味です。
クリスマスだけの特別なお菓子「トリュフ・オ・ノエル」の4個入(1680円)。レンジで温めて食べてみてください。
プチノエルの3個入(1890円)もありました。ワンダフルハウスは毎年11月最終週にシュトーレンを買い、12月第1週にプチノエル3個セットを買って、クリスマス気分を盛り上げています(^O^)↑
メイン・ショーケースの左側のショーケースをご覧ください。 ブッシュ・ド・ノエルの登場です。

うわーっ!これは凄い!(゚O゚)\ これこそ本物のビュッシュ・ド・ノエルです!\(^○^)/
ヨーロッパのクリスマス菓子は、深い宗教的背景や長い歴史があり、日本の”クリスマスケーキ”のように甘く綺麗で可愛いだけの子供のお菓子ではありません。多くはスパイスやリキュール、フルーツをたっぷり使い、むしろ大人がディナーの後にじっくり味わうものなのです。クリスマス菓子には、キリストにまつわる逸話が残っているものが多く、それぞれの国の歴史や文化を反映しています。一年中で最も大事にされるクリスマス休暇を七面鳥料理とクリスマス菓子を囲みながら家族揃って過ごすのです。ヨーロッパのクリスマス菓子として有名なものに、フランスやベルギーで見られる「ブッシュ・ド・ノエル」、ドイツ語圏の「シュトーレン」「レープクーヘン」「ヴァイナハツメンナー」「ヴァイナハツクランツクーヘン」「ヘキセンハウス」、イギリスの「クリスマスプディング」「フルーツケーキ」、イタリアの「パネトーネ」「ピネ・ド・ナターレ」、スウェーデンの「クランツカーカ」などがあります。
「ブッシュ・ド・ノエル・チョコレート」(ノンアルコール Sサイズ5250円 Lサイズ7875円)。ワンダフルハウスが買ったアルコール入りは、予約で完売していました。すべて手作りで、しかも、お渡し当日の朝作るから300台ほどしかできないそうです。店頭売りは、ごくわずか。予約した方が確実に買えます。アルコール入りは、ココアのビスキュイにフランボワーズのリキュールが、たっぷり染み込ませてあって、Sサイズのみ6300円。 「ブッシュ・ド・ノエル・グランマニエ」(Sサイズ6300円 Lサイズ8925円)ビスキュイにオレンジのリキュール「グランマニエ」が染み込ませてあります。
アンドレ・ルコントさんが1968年12月17日に六本木に最初の店を開いてから、この暮で39回目のクリスマスを迎えました。あの頃、本格的なフランス菓子店が他に無くて、開店直後のクリスマスはフランス大使館などからビュッシュ・ド・ノエルの注文が殺到して、てんてこ舞い。ここに並んでいるビュッシュ・ド・ノエルは、1968年当時フランス大使館で働いていたフランス人に向けて作ったもので、日本人向けにアレンジされていません。開店以来39年間ずっと、店頭で発売しているビュッシュ・ド・ノエルと同じ物をフランス大使館に納め続けているそうです
「ブッシュ・ド・ノエル・モカ」(Sサイズ6300円 Lサイズ8925円)。コーヒーの香りが漂うビスキュイに、コニャックを染み込ませてあります。 「ブッシュ・ド・ノエル・マロン」(Sサイズ6825円 Lサイズ10500円)一番高価なモンブランのブッシュ・ド・ノエルの登場です。ビスキュイにラム酒を染み込ませ、フランス産のマロンクリームで覆いました。
続く

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