わんだふるはうす、ブラッスリー・ルコントに行く
PART2

「ワンダフルハウス様、クリスマスケーキのカタログが出来上がりました」…クリスマスの楽しみといえば、やっぱりケーキ(^Q^) 定番のブッシュ・ド・ノエルや、寒いこの時期にぴったりのショコラのケーキも捨てがたい…2006年11月18日、ワンダフルハウスはクリスマスケーキを予約するために「ブラッスリー・ルコント」を訪れ、ボジョレーヌーボー付きフルコースランチを堪能してきました。

ここは青山1丁目交差点。地下鉄の青山一丁目駅と直結している青山ツインビル地下1階にあるブラッスリー・ルコント。エスカレーターを挟んだ向かいには、喫茶のルコント青山本店もございます。 ワンダフルハウスはランチタイムに到着しました。ディナーは予約制ですが、ランチは予約不用。ほぅ、本日の肉料理は「牛ホホ肉のポトフ」、魚料理は「オマール海老の蒸し焼き ソースアメリケーヌ」ですか(^Q^)
おおっ!”ボジョレーヌーボー解禁!”毎年11月第3木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais nouveau)。ワンダフルハウスはお酒が飲めないのですが、ホームページのネタに一杯いただきましょう。店に入ります…「これはこれは、ワンダフルハウス様」 こちらの御二人は、フロアマネージャーの栗田さん(左)と営業部の渡辺さん(右)でございます。栗田さんは大磯と茅ヶ崎のレストランで働いていた湘南ボーイ。他に平塚出身の大迫さん(男性)と、もう一人女性がいて…全員20代前半で、若くてまとまりのある楽しいお店です。
ワンダフルハウスは店内奥の席へ。ランチタイム(11:30〜14:30ラストオーダー)は結構混んでいます。この写真はランチタイム終了後に撮ったもので、この後ティータイムになります。 「おっ、これがボジョレー?(^O^)\」「ワンダフルハウス様、それは水でございます」

2006年 ルコントのクリスマスケーキ

「こちらがクリスマスケーキのカタログでございます。12月15日まで御予約を承っております」「おおっ!これは!(^O^)\ 種類が多い!\(^○^)/」 ワンダフルハウスは種類の多さに感激しました。ブッシュ・ド・ノエルだけで下記の5種類あります。上の写真、中段左からイチゴのムース「ムースフレーズ」(5250円)、イチゴのショートケーキ「ガトーフレジェ」(6300円)、イチゴのタルト「タルトフレーズ」(5250円)。下段左からバニラとチョコのクリーム、チェリー入りの「フォレ」(4725円)松ぼっくりみたいなチョコ飾りが付いた、その名の通り森のようなケーキです。真ん中はイチゴの「ミルフィーユ」(6300円)。右はブルーベリーソース入りの「レアチーズケーキ」(3990円)。


2006年 ルコントのブッシュ・ド・ノエ
フランスの伝統的なクリスマスケーキである「ブッシュ・ド・ノエル(buche de noel)」。ビュッシュ・ド・ノエルとも。 フランス語でノエルが「クリスマス」、ブッシュは「木、丸太」で「クリスマスの薪」の意味。その名の通り薪の形をしたケーキに華やかな飾り付けをしてあります。
チョコレート(ノンアルコール) Sサイズ5250円、Lサイズ7875円。お子様やお酒の苦手な方に。フランス産高級チョコレートを使用。
チョコレート Sサイズのみ6300円。バレンシア産オレンジピールとコニャックで大人の味。
モカ Sサイズ6300円、Lサイズ8925円。コーヒーの香ばしさとコニャックの豊かな味わい。
グランマニエ Sサイズ6300円、Lサイズ8925円。オレンジリキュールをたっぷり使用。 
マロン Sサイズ6825円、Lサイズ10500円。フランス産の良質なマロンとラム酒のコクが楽しめます。
ルコントのブッシュ・ド・ノエ
2006
チョコレート(ノンアルコール)
Sサイズ 5250円
1992年
チョコレート
Lサイズ 12000円
この店の向いは東宮御所…これが皇室御用達フランス菓子店のブッシュ・ド・ノエルでございます。アンドレ・ルコントさんが1968年12月17日に六本木に最初の店を開いてから、この暮れで38回目のクリスマスを迎えることになります。あの頃、本格的なフランス菓子店が他に無くて、開店直後のクリスマスはフランス大使館などからブッシュ・ド・ノエルの注文が殺到して、てんてこ舞い。いざ出来上がってみると、入れる箱や包装紙が無いことに気付きました。切羽詰まって靴の箱を手配したものの、いくらなんでもと考え直し、ホテルオークラのシェフに相談したら、箱屋を教えてくれて、拝み倒して一晩で作ってもらったそうです。
左は今年のノンアルコール・チョコレート・ブッシュ・ド・ノエル(Sサイズ5250円、Lサイズ7875円)。右は1992年に開店25周年を記念して作られた1968年の復刻版。比べてみるとあまり変わっていませんね。値段は3割程お安くなっていてお得です。全て手作りで、お渡し日の朝作るから300台程度しかできず、予約に限らせていただくそうです。
その他に「シャルロットポワール」(4725円 上のルコント本店ショーケース内の写真上段8個の一番左)、「ドームショコラ」(4410円 右から2番目)、「ガトーフランボワーズ」(4410円 右から4番目)もあります。普段売ってるホールケーキにクリスマス用の飾り付けをして販売するわけですね。おっ!/(^O^)\良く見るとフォレ(左から3番目)とレアチーズケーキ(フォレの右)もありますね。値段は普段と同じでお得です。ルコントのホールケーキは高いので、普段は見て楽しんでるだけですが、クリスマスケーキとしてなら買える値段です。いや〜、14種類もあると迷いますねぇ〜(^Q^ゞ
ルコントのクリスマスケーキは青山本店、ブラッスリー・ルコントの他に、日本橋三越本店、銀座三越店、新宿伊勢丹本店のルコント各店舗で買えます。
2006年 ルコント本店のプチノエ
「ワンダフルハウス様、どのケーキになさいますか?」「おおっ! 小さいブッシュ・ド・ノエルがある! 一体これは?(^O^)\」
「12月初旬より、ミニサイズのブッシュ・ド・ノエル”プチノエル”が発売されました」「これは、素晴らしい! クリスマスケーキの前座ですね! ここからここまで全部ください!\(^O^)/」
ワンダフルハウスは”大人買い”しました。左から「ショコラ(ノンアルコール)」「グランマニエ」「モカ」。これを買って味見して、気に入ったものを予約すればいいわけですね。 フタはチョコ、キノコはメレンゲでできていて、なかなか美味です(^Q^)
パティスリーとブラッスリーの店舗の間にクリスマスツリーが飾られました。 ブラッスリーの店頭にも小さいツリーが…おおっ! ツリーの横にあるのは、もしかして?/(^O^)
やはり、そうでした。ドイツのお菓子シュトーレンです!\(^O^)/ 「クリストシュトーレン」(Sサイズ2625円、Lサイズ3675円) 12月初旬からクリスマスまでの期間限定品です。
ワンダフルハウスはSサイズを買いました。おや?何か紙が挟まっていますよ。 なるほど、これは勉強になりますφ(..)メモメモ
シュトーレンはドイツの伝統的なお菓子。街でシュトーレンの香りが漂い始めると、「今年もクリスマスがやってきた」と感じるほど、町中のパン屋さん&お菓子屋さんで焼かれています。 クリスマスの4週間前、キリスト教でいう降臨節にシュトーレンとロウソク4本を用意します。ロウソクは日曜日ごとに1本ずつ灯していきます。シュトーレンはスライスして少しづつ食べます。クリスマスを迎える頃にはロウソク4本全てに火が灯り、シュトーレンは丁度食べ終わる頃になります。シュトーレンは、ドイツの伝統的なお菓子だけあって、呼称や材料の分量が法律で定められています。ルコントの「クリストシュトーレン Christstollen」は、最も一般的な、基本のシュトーレン。”シュトーレン”と呼ばれるものは、小麦粉100%に対し、バター(82%以上のバター)が最低30〜50%の分量含まれているもの、または、純正バター(バター100%)が最低24,6%、マーガリンでは30,75%の脂肪分が含まれているものと食品法で規定されています。乾燥物の分量は、小麦粉100%に対し、最低60%含まれなければなりません。この規定にそぐわないものは、シュトーレンと称することができないのです。
中が見えてきました。 芳醇な香りが〜(^Q^) 全体的に真っ白い粉糖がまぶしてあります。
具はレモンの皮、オレンジピール、アプリコット、イチジク、プラム、レーズン、アーモンド、松の実が入っています。 薄くスライスして毎日少しづついただきます。ワンダフルハウスは、これを食べながらクリスマスを待つことにしました。

「飲み物はジンジャーエールを。それから私はアルコールが苦手なのですが、ボジョレーをグラスで一杯いただきましょう」「左様で御座いますか。それでは、ボジョレーは私のサービスとさせていただきます」と栗田さん。「\(^○^)/Thanks! ボージョレー・ヌーヴォー特有の匂いが立ち上ってきました。「こちらがボトルでございます」「ほぅ、Paul Beaudet Beaujolais-Villages Nouveau 2006(ポール・ボーデ ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ 2006)ですか(@_@)」
「ボジョレーヌーボー」とは、フランスのブルゴーニュ地方の南、ボジョレー地区で、その年の8月〜9月に収穫したぶどうを仕込んで造った新鮮さが売りのワイン。その年の11月に出荷されます。現地では、ぶどうの収穫祭の役割も果たしているお祭り的なワインです。 また、各国の現地時間で11月の第3木曜日に一般販売が解禁されますが、時差の関係から、日本は先進国の中で一番速くボジョレーヌーボーが飲める国となっています。「ボジョレーヌーボー」と「ボジョレーヴィラージュヌーボー」の違いは、地区の違いにより分けられます。ボジョレーヌーボーよりもボジョレーヴィラージュヌーボーの方が、より品質の良い葡萄がとれ、ワインの品質も高いとされております。最近はボジョレー・ヌーヴォよりもボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーの方が販売量が多いそうです。
PART2 PART1
ワンダフルハウスが大好きなムーランルージュのコースターが登場しました。PART1に登場したものに似てるけど、どこかが違う。比べてみると、今回のが全景で、前回のは部分的に拡大したものだと判明しました。
ランチコース
(11:30〜14:30)
Menu A
2000円
Memu B
3500円
パン
Soupe du Jour
本日のスープ
Soupe du Jour
本日のスープ
Entree Choix
前菜
(2〜3種類から1品選べる)
Plats
メイン料理
(下の3種類から1品選べる)
Poisson du jour 魚料理
Viande du jour 肉料理

和牛サーロインのグリエ
(2人以上から。1人につき+1050円)
Desserts
シェフおすすめデザート
コーヒー・紅茶・エスプレッソから1品選べる
パンとスープが運ばれてきました。「本日のスープ」は、前回と同じ「かぼちゃのポタージュ」でした。
前菜は2〜3種類から選べます。ワンダフルハウスが選んだのは今が旬の「生牡蠣」。大振りの立派な岩手三陸産の殻付きです。三陸岩手の牡蠣は、広島・松島(宮城)と並び、全国でも有数の産地。リアス式海岸で、山から豊富な栄養素が川を伝い海に流れ込みます。三陸の綺麗な海で育った牡蠣を殻からはがして、冷えた身をツルリといただきます…これは美味い!(^Q^) 潮の香り、ほのかな塩気…季節の風味が口の中に溢れました。赤ワイン酢と塩・胡椒だけで調味したもので、エシャロットのみじん切りが乗っています。タマネギの変種として生まれたエシャロットは、小タマネギそっくりの形をしていて、フランス料理では、ソースを作るにも、食材に味わいをプラスするにも欠かせない香辛野菜。エシャロットは細かく刻むほどに香りと味がよくなるのです。 メインは肉と魚から選べます。「前回は魚をいただいたので今回は肉を」「かしこまりました。本日の肉料理は、牛ホホ肉のポトフの他に、鴨のコンフィもございます」。生牡蠣のようなサッパリしたものの後には脂っこいものの方がいいですね。ワンダフルハウスは鴨のコンフィを選びました。
鴨のモモ肉を、塩・胡椒など調味料と一緒に鴨の脂に漬け込み、表面がパリッとして軽く焦げ目がつくまでフライパンで焼いたものです。フランス南部の料理で、古くから保存食として伝えられてきました。
デザートが運ばれてきました\(^Q^)/ 「ワンダフルハウス様、この中から1つか2つお選びください」「もちろん2つ(^Q^)v 今回はサバランとパリブレストを」 コーヒーと一緒にサバランとパリブレストがサーブされました。
イーストを使ったパン生地をお酒に浸したお菓子”サバラン”の登場です。ブラッスリー・ルコントのは、サバランにレーズンを混ぜた「ババ・サバラン」(630円)。美食王として名高いポーランド王スタニスラス・レクチンスキー(ルイ15世妃マリー・レクチンスキーの父)が1704年に発明しました。スタニスラス王は、いつも食べ慣れているクグロフというお菓子に飽きてしまい、砂糖とラム酒をふりかけて火を点けたのでした。すると、どうでしょう…クグロフは思いもよらぬ美味しい味になりました\(^Q^)/ 王様は千夜一夜物語(アラビアンナイト)の英雄アリババがお気に入りだったので、このケーキに「アリババ」と命名。その後、スタニスラス王は継承戦争に破れて1736年に退位。ポーランドから追放され、フランス・ロレーヌ地方の領主となりました。それをきっかけにフランスにもババが広まったのです。19世紀初めに、ロレーヌ生まれのパティシエストーレーがパリのモントルグイユ通りに店を構えて名物としたところ、センセーションを巻き起こし、呼び名は短く「ババ」と呼ばれるようになりました。最初はハケでシロップを塗るだけだったのを、ラム酒入りシロップに浸す方法になり、1840年頃、ストーレーで修行していたオーギュスト・ジュリアンというパティシエが生地に干しぶどうを加えない「ブリア・サバラン」を作り、後にただ短く「サバラン」となったのでした。ちなみにサバランという名前は「ブリア・サヴァラン」に敬意を表して付けられた名前。「君の食するところを言い給え。君がどんな人物かを言い当てよう」の名言で知られる19世紀フランスの美食評論家です。ブラッスリー・ルコントのサバランは、レーズン入りなので「ババ・サバラン」ですね。アルコール分は飛んでいるので、お酒に弱いワンダフルハウスも美味しくいただけるのです。
ルコント本店
「パティスリーにもサバランがあるのですか?」「手前右にございます」「おおっ! 形も名前も違う! ”銀紙”に包まれていて丸い!(^O^)\」
パティスリーのババサバランは「ポンポネット」(420円)というネーミング。
続きましては「パリ・ブレスト」(525円)の登場です。おっ!(^O^)\よく見るとプラリネクリームの中にプチシューが…クリームの量が多いので、勾玉(まがたま)形のプチシューを支えに挟んであるのです。勾玉シューの中には生クリームを絞ってあります。 外側に貼り付いてるカラメリゼしたアーモンドがアクセント。これは、カットしたものですが、パリ・ブレストは、特大リングシューなのです。
店にはカットしたものしかありませんでした。「パリブレストの輪っかのやつを作ってください!(^O^)/」 こちらがパリブレストのホールでございます。
シュー生地を使ったフランス菓子の傑作「パリ・ブレスト」(4200円)。アンドレ・ルコント氏が、日本で最初に紹介しました。現在では、生クリーム+苺など、店によって様々なヴァリエーションが存在しますが、ルコントのようなプラリネクリームを挟んだタイプが本格的なものなのです。パリ・ブレストは、2005年にフランス料理アカデミー日本支部が主催した第1回アンドレ・ルコント杯コンクールの課題にもなりました。 しっかりとカリカリに焼き上げた固めのシュー生地の間に、ボリュームのあるプラリネクリーム。プラリネの苦味が虜になる美味さです(^Q^)
リング状のシューの形は自転車の車輪がモチーフ。パリ=ブレスト間の有名な自転車レースにちなんで名付けられました。フランス人は自転車レースがとても好きです。毎年7月に行われるフランス最大の自転車レース「Tour de France (ツール・ド・フランス)」は、20数日間にも及び、全行程を区間に分けて、タイムを競います。その存在は単なる自転車競技の枠にとどまらず、オリンピック、サッカーのワールドカップと共に世界3大スポーツイベントの1つに数えられています。 ツール・ド・フランスの第1回開催は1903年。その12年前の1891年、第1回パリ=ブレスト間の自転車レースが行われ、これを記念して作られたのが「パリ・ブレスト」なのです。沿道のメゾン「ラフィット」の職人、ルイ・デュランの作とされ、自転車の車輪を連想して、大きなリング型のシュー生地にプラリネクリーム、表面にはスライスアーモンドという形で出来上がりました。ところで、ツール・ド・フランスにはもう一つの意味があります。直訳すれば「フランス1周」で、昔の職人の全国武者修業の旅を指していました。職人達はある程度の基礎を習得すると、親方の元を離れ、各地で修行します。パティシエも例外ではないのです。

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