わんだふるはうす、ルコント東京ミッドタウン店に行く
PART 2

「Tarte aux Fraises タルト・オ・フレーズ」「Mille feuilles aux Fraises ミルフォイユ・オ・フレーズ」「Mousse aux Fraises ムース・オ・フレーズ」…全て無くなってしまった。ゴールデンウィークの終わりと共に、ルコントの苺の季節も終わりを迎えました。「季節ごとのフレッシュフルーツを使うこと。そして、そのフルーツの味をよく吟味して、見かけよりも味を第一に考えて素材を選ぶことが成功のコツです」と、生前、ケーキ作りのコツを語っていたアンドレ・ルコント氏。1年のうち、12月初旬〜5月初旬の5ヶ月間しか苺を使ったケーキを販売しないのは、一流フランス菓子店の美学を感じさせます。「苺のケーキに替わって発売されたケーキはどんなものなのだろうか?」。汗がじんわりとふき出る初夏のような5月中旬のある日、ワンダフルハウスは、ルコント東京ミッドタウン店を訪れました。

「苺のケーキが…なっ…無い〜((゚o゚:\=/:゚o゚))」
「この辺(最前列左から4・5・6番目)とか…」 「真ん中の黄色いやつは、3月には無かった」
「苺のケーキは無くなりましたね?」「ワンダフルハウス様、よ〜くご覧ください」
「ルコント六本木ミッドタウン店限定の苺ゼリー入りの苺ムースをバニラババロアで包んだシャルロット・バニーユのアントルメがございます」「おーっ! 確かに苺を使っている!(^O^)\ では、苺の代わりに出てきたケーキは?」 「マンゴーと…」
「ノア・ド・ココとガティネ…」 「パッション…」「全部ください!(^O^)/」
初夏のケーキが運ばれてきました。苦味とコクのスペシャルブレンド「フレンチコーヒー Cafe Francais」(525円)と一緒にいただきましょう。ワンダフルハウスは、ブラックでいただきます。ルコントの甘いケーキと一緒にいただくのが、なんともいえず好きです。高倉健さんも、このコーヒーと共にルコントのケーキをたしなんでいるそうです。コーヒーや紅茶は美食家が最後に辿り着く聖域のようなもの。組み合わせるべきお菓子は生半可なものであってはなりません。ルコントのような最上のものを選ばなくては…。
「ノア・ド・ココ Noix de Coco」(525円)ハートのマークが付いたココナッツムースとマンゴークリームのケーキ。
「ガティネ Gatinais」(525円)透明なジュレの中にアーモンドやチェリー、ミラベルなどが見えます。下はガティネハチミツのババロア。ガティネハチミツは、フランス・ガティネ地方で春から7月半ばまで収穫される白濁したクリーム色の蜂蜜。どんな味なのでしょうか?…おおっ!甘味が深いです(^Q^) 「パッション」(525円)パッションフルーツのムースとキャラメルミルクチョコのムース。
「マンゴー」(525円)。マンゴーのクリームとムースです。日本でのマンゴー人気は、ますます高まるばかり。マンゴーを使ったデザートは夏の定番商品として人気を集めています。そして、ついに今年「キング・オブ・マンゴー」と呼ばれるインド産のアルフォンソ種の生果実が初めて輸入解禁されます。アルフォンソは繊維が少なく果肉がとろりと柔らか。香りも良く、濃厚な甘さに定評があります。すでに缶詰やジュースとしては日本に輸入されており、パティシエの間でも評価が高い品種だけに、今回の生果実の輸入が待たれます。質の高いアルフォンソ種が輸入されることで、高級マンゴーデザートのブーム到来の可能性もあります。ちなみにアルフォンソの名は、インドがポルトガルの統治下にあった頃のマンゴー好きの提督の名に由来します。

ムースマーブル
(2007年)
ムースマーブル
(2006年)
おおっ! ムースマーブルの形が変わった!(゚0゚)\
ルコントのムースマーブルは、昨年は右のようなアントルメをカットしたものでしたが、今年はプチ・ガトーに変更されました。一昨年はプチ・ガトーだったので、1年ごとに形が変化しているようです。
2006年にルコント青山本店で購入した「ムースマーブル」(525円)。
2007年、お洒落な形に新しく生まれ変わった「ムースマーブル」(525円)。キャラメルとキルシュのムースの中にフランボワーズの果肉ゼリー入り。
それでは、お土産を買って帰りましょう。ルコントといえば、タルトです。アンドレ・ルコント氏は、日本にタルトを普及させたパティシエなのです。タルトの新作がいくつかありますね。「タルト・ベリー・ショコラと…」 タルト・ミラベルと…
おっ、タルト・シトロンの新作がある! 右側の定番タイプと見比べると、圧倒的に白い部分が多いですね。クレーム・シトロンよりメレンゲが主役といってもいいような感じです。これもください! こちらのプティ・ガトータイプが、ルコントの従来のタルト・シトロンです。黄色い部分が多く、クレームシトロンが主役という感じです。
「タルト・ベリー・ショコラ」(630円)タルト・オ・ショコラに、いろいろなベリーが乗った豪華なタルトです。ブルーベリー(フランス語ではミルティーユ)と、ラズベリー(フランス語ではフランボワーズ)と…おっ! これは珍しい、ブラックベリー(フランス語ではミュール)も乗ってます。ブラックベリーに含まれる黒い色素には、ブルーベリーのようにアントシアニンがたくさん含まれていて、視力回復効果や抗酸化作用に優れています。また、ビタミンCが多いので、疲労回復効果もあります。フレッシュな3種類のベリーを、それぞれ別々に下ごしらえをして、1個づつ手作業でタルト・オ・ショコラの上に飾りつけていく、とても手間と時間のかかっているタルト。フレッシュでジューシーなベリーとカカオの豊潤な旨みとタルトのサクサク感が同時に味わえます(^Q^)
「タルト・オ・シトロン Tarte aux Citron」(578円)伝統的と言うより庶民的と言った方がいいようなフランス菓子の定番です。サクサクのパート・シュクレ、甘くて酸っぱいクレーム・シトロン、口当たりを和らげるイタリアンメレンゲ(ムラング・イタリエンヌ)という3つの味のハーモニーを楽しむことが出来ます。 あんまり酸っぱくない!(^Q^) やはり、予想通りのお味でした。多めの白いふわふわのメレンゲが、目にも鮮やかなレモンクリームの酸味を見事に中和しています。レモンとメレンゲの組み合わせは、やはりいいですね
「タルト・オ・ミラベル Tarte aux mirabell」(578円)ミラベルとは、フランス産のスモモ。フランスでは、ミラベルのタルトは大変一般的で、多くのパティスリーやカフェで取り扱われ、一年を通して楽しまれています。 これがミラベルです。味はアプリコットみたいに甘酸っぱいのですが、甘味、酸味、苦味のバランスが 良く、今までにない新鮮な味わい(^Q^) 右側の砂糖がけした赤いゼリーは、フランス菓子の定番「パート・ド・フリュイ Pate De Fruits」。フランスの伝統的技法で作られた果汁100%のゼリー。完熟果実を煮詰めて仕上げたフルーツのペーストです。フルーツの香りを閉じ込めた宝石のようなお菓子です。
「ミラベル」の 名前の由来は、ラテン語で「Mira(英語でlooks)」「belle(英語でbeautiful)」=「目に美しい」からきています。 フランスのロレーヌ地方・アルザス地方の特産物で、ロレーヌ地方では世界の生産量の約7割を産して います。 収穫時期は毎年8月半ばから9月半ばの4週間程のため、生食として楽しめる期間はたった1ヶ月程と 限られています。 フランスのマルシェ(市場)やスーパーの店頭に並ぶと、ミラベルを好む人達がここぞとばかりに、ま とめ買いをして行くほど秋にしか味わうことの出来ない大変希少価値の高いフルーツなのです。 生食以外では、タルト・コンポート・ジャム・リキュール等の素材として使われています。

戻る