わんだふるはうす、ルコント青山本店に行く

バレンシア

現在でこそパティシエ・ブームなどと言われ、日本のフランス菓子界は隆盛を誇っていますが、その本格的な発展の歴史はまだ半世紀に満ちません。1964年の東京オリンピックに合わせて開業したホテルオークラに総製菓長としてフランスから招聘を受けたアンドレ・ルコント氏は1968年、東京・六本木にフランス菓子専門店「A.ルコント」をオープンさせます。これが日本に正統的なフランス菓子を普及させる大きな第一歩となりました。後に「フランス料理アカデミー日本支部」を設立するなど、フランス菓子のみならずフランス料理の発展にも大きな貢献をした偉大なシェフが開いたこの店をワンダフルハウスが訪れました。開店当時からのお客さんである黒柳徹子さんの大好物「バレンシア」を紹介いたします。

「こんにちは!黒柳徹子さんが好きなバレンシアはありますか?(^O^)/」
バレンシア
Valencia
プティガトー
609円
アントルメ
4830円
「ありました!(^O^)\ “オレンジのムース”と書いてあります」
右の写真は少し前のもので、現在は値上がりしています。
今回は、前田秀幸シェフ特製のオレンジソースを追加でオーダーしました。
オレンジソース
(特注品)
ルコントが開店してから40年以上…史上初めてバレンシアにオレンジソースを付けてもらえたのです
「とんねるずのみなさんのおかげでした」(2005年10月13日放送)で、食わず嫌い王に出演した黒柳徹子さんのお土産がルコント青山本店で買ったバレンシアでした。
「ついにWONDERFUL HOUSEが黒柳徹子さんを超えたのです!\(^○^)/」
ヴァレンシア
(アントルメ)
4830円
「ケーキ全体がビッショリ濡れています!(゚O゚)\
「ムースの上に3種類の具が乗っていますよ?(゚O゚)\」
「サイドの生地はパン生地のようです」
「これはブリオッシュです!(゚O゚)\
バレンシアがカットされました。
「なるほど…わかりました!(^0_0^)\ 一番上の透明なナパージュは、アプリコットジャムとオレンジジュースを2:1で合わせたもの。上に乗ってる3種類の具はブリオッシュとバレンシアオレンジとチェリー
バレンシア
カット
609円
「これは、世にも珍しい“缶詰のみかん”を使った高級フランス菓子です(゚O゚)\
アプリコットジャムとオレンジジュースを2:1で合わせたナパージュ
ブリオッシュと(この写真にはありませんが)バレンシアオレンジとチェリー
みかんの果肉入りオレンジのムース

ブリオッシュ
みかんの果肉入りオレンジのムース
ブリオッシュ
↑底から↑
ムースの周りの生地にブリオッシュを使用しているのは、シロップの吸湿性が優れているから。
「ん?この馥郁たる柑橘系リキュールの香りは?)^Q^(…みかんの最高級リキュール“マンダリン・ナポレオン”です!
バレンシアにソースが注がれました。
このソースにもマンダリン・ナポレオンがたっぷりと含まれています。
スペイン・アンダルシア産の厳選されたマンダリンオレンジとじっくり寝かせた高級コニャックを歳月を重ね樽熟成させることで生まれる“オレンジリキュールの皇帝”。ナポレオン1世によりこの名が付けられた逸品です。
サイドのブリオッシュを剥がしてみましょう…
おっ、こんな所にもミカンが!(^-^)\」
オレンジのフランス菓子は多くても、みかんを使ったものは珍しいのです。美味しいのはわかっていても高級感が無いので敬遠されがちですが、マンダリン・ナポレオンと合わせることで、グッと豪華に変身。世界中でここだけでしか食べられないルコントのスペシャリテです(^Q^)
「黒柳徹子さんはスウリーもお好きだったはずです(^-^)\」
開店当初はリキュールを使ったケーキが多く並ぶ中で、スウリーは子供たちにも食べてもらいたいという一心でルコントさんが作り上げたものです。スウリーたちがショーケースに並ぶと、今までのお店の雰囲気が一変しました。パティシエにとって他にない自分だけのショーケースを作り上げることは大変嬉しいことなのです。
写真は少し前のもので、現在は値上がりしています。
Souris
スウリー
420円
子ねずみの形をしたスウリーは、ルコントさんの創作したケーキの中でも最もかわいいお菓子です。フランスでねずみは“幸せを呼ぶ動物”とされています。
最初はビスケットとバタークリームで作ったそうですが、食感が少しパサパサしているように感じたのでパータシューで作り直したそうです。
黒柳徹子さん「どらやきなら5個、カステラなら丸ごと1本。家でお菓子を食べてるとあんまりたくさん食べるんで母が気持ち悪くなる、なんて言ってました。愛知県に公演に行った時はファンの方が持って来てくれる赤福もちを毎日1箱食べてました(^Q^) 昭和ヒトケタの食い意地の悪さで、出されたものは全部食べちゃうんですね」
目と鼻と尻尾はチョコレート、耳はアーモンドスライス、砂糖液を練って白くしたフォンダンをグラッセ、中身はカスタードクリームで出来ています。
黒柳徹子さん「今では日本中に上等なケーキ屋さんがたくさんありますけど、ルコントはそのはしりでしたね。フランスの食卓の香りを知ったのもここのお店だったんです。スーリーというこのシュークリームは、ねずみの形がとってもかわいいでしょう」
中のクリームは、カスタードと生クリームを半分ずつ、完全に混ぜてはおらず、手作業でフワッと抱き合わせただけという、フランスのクラシックな配合で作られています。
黒柳徹子さん「戦前はほとんどお菓子なんか食べたことがなかったんですが、シュークリームだけは記憶があって、ルコントで見つけた時は一口ずつ大切に食べたものです」
「口当たりが軽くてフワッと溶けるよう…大人が食べても美味です!(^Q^)」
黒柳徹子さん「ユニセフの関係でいろんな国に行きましたけど、日本みたいにいろんなお菓子がある国っていうのは少ないですね。お菓子は豊かさと平和の象徴なんですよ」
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