ルコント青山本店

「1970年代初めの六本木には洗練された華やかさがあり、私の店には新しい時代の人間達が出入りしていました」と生前語っていたアンドレ・ルコント氏。1970年の創刊と共に雑誌「anan」の専属デザイナー&専属モデルとなった金子さんとユリさんは”新しい時代の人間達”の仲間入りをし、自宅と編集部の近くにあったルコント六本木本店に出入りしていたのでした。

2006年の青山1丁目交差点。R246(青山通り)の向こうに青山ツインタワーが見えます。 ルコント青山本店は、地下1階にございます。
周りはオフィス街。お盆休み中ということもあって、すいていますね。 それでは、ケーキをいただきましょう(^Q^)
こちらは、喫茶ルコント本店。向こう側のシャッターが閉まっている店は、フランス料理を気軽に味わえるブラッスリー・ルコント。今日は日曜日なので休みのようです。アンドレ・ルコント氏はシェフとしても一流で、東京サミットの際は、フランス大統領主催晩餐会の料理も担当していました。 あちらが、ムッシュ・ルコントです。
アンドレ・ルコント氏は、1932年、パリの南、ロワールの地主の家に生まれました。戦後、父親を亡くしたため、13歳で菓子店見習いとして働くことになり、修業の後に、チョコレート、ケーキ、アイスクリームの国家試験を受けて開業資格を取得。腕のいいパティシエとして頭角を現します。 1963年、ホテルオークラから来た手紙のレターヘッドがあまりに素晴らしかったので、「これは超一流のホテルに違いない!\(^O^)/」と喜んで来日。当時の東京はオリンピックの直前で、「工事現場みたいな街だなあ」と思ったそうです。ホテルオークラでは5年間、寝る間も惜しんで働き、本格的な砂糖菓子の彫刻を日本で最初に広めました。1968年に独立して、六本木に日本で最初のフランス人パティシエによるフランス菓子の専門店「ルコント」を開業。その後の成功ぶりは伝説に。バブル時代に銀行から「融資するから13億円のビルを買いませんか?」と持ちかけられて、「職人にビルはいらない」とあっさり断り、1999年に68歳の生涯を閉じるまで、菓子職人に徹した人でした。
かつて、六本木のお店にはルコントさん本人がいて、「おいしいよ〜(^O^)o―」などとおどけながら満面の笑みを浮かべて、自らケーキのサンプルを乗せたトレーを持って来てくれたものです。 それでは、店員さんにケーキのサンプルを持って来てもらいましょう。
す…素晴らしい!\(^Q^)/ 何という数の多さ、そして質の高さ。一店舗の洋菓子店として国内ではおそらく並べる店は無いと思います。フルーツは旬のものしか使わないため、8月に苺のケーキはありません。この中からワンダフルハウスが選んだケーキは…
「エスプレッソ ダブル Expresso Double」(840円)と、ケーキは下から時計回りに「スーリー Souris」(368円)、「クロンヌ・ド・マンゴー」(578円)、「フィグ・オ・ヴァン・ルージュ」(630円)。値段は全て税込です。
ショーケースの中で「僕を選んで!(^-^)」と語りかけてくるような感じのする、ルコントの定番中の定番「スーリー」
「スウーリー」は、ルコントさんがジョルジュサンクでパティシエをしていた20歳代の頃に誕生したお菓子。元々はビスケットとバニラのバタークリームで作るお菓子でしたが、ルコントさんが、ねずみの形をしたシューに、バニラのクレームパティシエール(カスタードクリーム)を中に詰め、白と茶のフォンダンで背中、目鼻、しっぽを描き、新たな「Souris」を作り上げたのです。フランス菓子はリキュールの効いたものがほとんどなので、子供は食べられず、ルコントさんは「子供達にも美味しいお菓子を食べてもらいたい」という想いから、この可愛らしいケーキを考案したそうです。中にはバニラビーンズたっぷりのカスタードクリーム。塩味の効いたシュー皮との相性がいいですね(^Q^)

マンゴーのムース「クロンヌ・ド・マンゴー」(578円)。表面はジュレがコーティングされていて、側面に極薄のチョコとフィヤンティーヌが貼り付けてあります。「フィヤンティーヌ feuillantine」とは、16世紀フランスのフィヤン修道院で生まれた伝統的な焼菓子。ゴーフルのような軽い生地で、サクッとした食感が楽しめます。ジュレの下はムース。その下と土台の黒い部分がスポンジ。2つのスポンジの間にある果実感のあるピューレ状のものが特に美味)^Q^( マンゴーづくしの清涼感のある夏らしいケーキです。
イチジクの赤ワイン煮「フィグ・オ・ヴァン・ルージュ」(630円)をいただきましょう。「フィグ Fig」とはイチジクのこと。上のゼリーの部分を食べ進んで行くと… おっ! 中にイチジクのコンポートが丸ごと1個隠れていました。
フォークで突っつくと、いちじくの実の中からラム酒の効いた生クリームが! 素晴らしい演出です!\(^○^)/ 今まで食べた無花果のデザートの中でもNo.1の美味しさでした)^Q^(
続く

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