ルイ・ヴィトン

LOUIS VUITTON

10年前(1970年)、アンアン創刊を準備していた頃、デザイナーの金子功さんとパリに行きました。着いてすぐ、金子さんが駈けつけたパリの店はルイ・ヴィトンという、かばん屋さんでした。海外旅行は船で、という時代からある旅行用トランクが、今でも売り物の高級かばん店です。
LVマークが入っているビニールの手さげかばんが170フランというのは、当時びっくりするほど高価でした。なにしろ10フランで街のレストランのフルコース定食が食べられる頃でしたから。ところが、金子さんが夢中になって買い集めたLVマークの傘やら小物入れやらを、当時のアンアン(1970年4月20日号 No.3)で紹介したところが、読者から大変な反響を呼んだのです。
金子さんは日本で見ていたエルなどのファッション誌で、早くからルイ・ヴィトンの商品の魅力を知っていた。要するに本もののスタイリストだったと思います。本もののスタイリストには、時代を予感する特別のアンテナがあります。その人がキャッチするモノや風俗は、必ず、やがておしゃれに関心を持つすべての人たちのものになります。

アンアン1980年7月11日(259)号 編集後記 オ・キャフェ より


NEW!

ルイヴィトン国内雑誌初登場!

パリの凱旋門のすぐそばにこの「ルイ・ブイトン」のお店があるの。ここのお店のものは、全部同じ模様なのよ。ものすごく大きい衣裳箱から、旅行カバン、魔法びん、灰皿、犬の首輪までこの模様でそろえてあるの。ユリ、ほんとはカチッとしたトランク型の旅行カバン欲しかったんだけど、ひとつ5万円から10万円もするんですもの、とても買えなかったわ。ユリが持ってるような、やわらかいかたちのものは、だいたい2万円前後よ。

アンアン1970年4月20日号(No.3)「ユリのスーブニール大公開」より
コスチューム・金子功 カメラ・大倉舜二 コピー・三宅菊子 

戻る