フランス菓子 Maison Wenikoの四季

Réveillon de Noël 2010
PART2

Exposition de WeRo « Noël 2010 » de la Maison Weniko, Mito, Japon

ワンダフルハウスが東京ミッドタウンのレストラン「キュイジーヌ・フランセーズJJで特注デセールを作ってもらっていた宮本亜希子シェフが、「Weniko(紅子)」と名を変えて、2010年12月1日、茨城県水戸市で独立し、「フランス菓子 Maison Weniko」を開店。開店直後にすぐさまやって来たレヴェイヨン・ドゥ・ノエル(クリスマス・イヴ)にメゾン・ベニコを訪れ、2種類のクリスマスケーキを見せていただきました。

2010年12月24日

わんだふるはうす、聖夜のメゾン・ベニコに行く

「おっ、メゾンベニコのクリスマスカードです!(^-^)\」
「これは凄い!細かい点だけで描かれています!ジョルジュ・スーラのような点描画法です!(゚O゚)
「ほぅ、これが原画ですか?(゚-゚)
「全てを細かい点で構成するジョルジュ・スーラとは画法が違うようです。まず最初に背景の濃いブルーを描いてから、その上に点で色を塗り重ねていますね
「このような絵を描く画家とはどんな人なのだろうか?(゚-゚)「ワンダフルハウスさんの隣にいますよ」
Weniko et WeRo
「ワンダフルハウスさん、紹介させていただきます。アルザス在住のアーティストWeRoです」「おおっ!?上に見える壁画は!?(゚O゚)
WeRo(ベロ、ヴェロ)さんはストラスブール生まれ。
6歳の時に
クラシック音楽と出会い超越の存在予感する。
14歳の時に
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ絵画印象的な色と出会う。
17歳で精神性を発見。
19歳~23歳 ドイツの民話を通じてドイツ文学研究。
23歳独学ペイントする避けられない必要性を感じ絵画集中的に練習。

展覧会

2002年 「Les papiers de WeRoWero論文Mulhouse
       Soultzおもちゃ博物館で展覧会
2003年 「Formes ludiques(遊び心)」Kingersheim
2004年 絵画と詩のフェスティバル「Les arts au vert(緑の芸術)」で個展Les Organiques(オーガニック)」Maettlé
2005年 クリスティーヌ・フェルベールと「Voyage au Japon(日本への旅)」Ensisheim
2006年 クリスティーヌ・フェルベールと「Petites cuillérées de couleurs(小さなカラフルのスプーン)」サロン・デュ・ショコラ・東京
       「Les femmes de goût」Royal Resort d’Evian
       ジャン=ポール・エヴァンと「Petit musée sensible de la gourmandise」サロン・デュ・ショコラ・パリ
       Régence美術館での展覧会「Rêves(夢)Ensisheim
2007年 世界的チェンバロ奏者 井幡万友美氏とのJSバッハをテーマとした
展覧会コンサートColmar
      「Le chocolat et la psyché(ショコラと精神性)」サロン・デュ・ショコラ・パリ
WeRoさんは、2012年1月伊勢丹新宿店で開催されるサロン・デュ・ショコラ・東京で、ジャン=ポール・エヴァンとクリスティーヌ・フェルベールのブースの壁画を描くパフォーマンスを行ないます。
「おーっ!開店直後(下の写真)には真っ白だった壁に絵が描かれています!(゚O゚)
「壁画はWeRoが手掛けています」
「おお…(^-^)
「これは美しい…(~O~)\」
この絵は、前に棚が置かれて、後に見えなくなってしまうものです。
Exposition « Noël 2010 » de la Maison Weniko, Mito
「ただいま、クリスマス記念としてWeRoの作品展も開催しています」
「おーっ!菓子屋がプティ・ミュゼに様変わりしている!(゚O゚)
「ん?ベロさんが何か持ってる?(゚O゚)
Macarons brodés
「マカロンブローチです」
「マカロンブローチですって?彼女は単なる画家ではないのか?(゚O゚)
マカロンブローチ
2000円
製作 WeRo
「おっ…Macarons à la framboiseを連想させます!(^Q^)
「これはMacarons au caféかな?(^Q^)
「Macarons au chocolatに違いない!(^Q^)
「白いマカロン…Macarons à la vanilleです!(^Q^)
「おっ、これはランチョンマットですか?(^O^)
「ワンダフルハウスさん、WeRoは絵画だけでなく、マカロンブローチやフリーハンドによる刺繍絵など様々な手法によるアート作品を発表しています」
「アムールを題材とした作品のようです(^3^)
「こ…この生地は凄い!(゚3゚)
「ヴィンテージ・リネンです!(゚O゚)
1980年代の初期、アンアンに連載された『金子功のいいものみつけた』に通じる世界が、そこにありました。
「おおっ!?メゾン・ベニコのクリスマスカードのランチョンマット版です!(^O^)
「これは面白い!点描刺繍とでもいいましょうか…絵も刺繍絵も共通した作風になっているのが凄いですね(^O^)
こちらは、WeRoさんからWenikoシェフのお母様ヨーコさんに贈られたクリスマスプレゼントの手作り手帳です。
「似てる!WeRoさんは似顔絵も描けるのか!(^O^)
Etoiles a la cannelle
エトワール・ア・ラ・カネル
非売品
この日、WeRoさんの作品を購入されたお客さんはラッキーでした。Wenikoシェフからは、アルザス地方の伝統的なクリスマス菓子エトワール・ア・ラ・カネルと…
WeRoさんからは、お客さんの似顔絵入りクリスマスカードがプレゼントされました。
Etoiles a la cannelle
エトワール・ア・ラ・カネル
非売品
表面にグリーンと黄色のグラスロワイヤルを塗ってあります。etoilesは「星」、cannelleは「シナモン」。「シナモンのお星様」という意味です。アルザスでは12月に入ると、このお菓子をツリーやリースや窓辺に飾ります。サブレのような見た目ですが、ボロボロにはなりません。普通のサブレと違って小麦粉は使わず、メレンゲに粉砂糖とレモン汁とアーモンドパウダーとシナモンパウダーを混ぜ入れて生地に伸ばし、星型でくり抜いて作ります。アーモンドとシナモンの組み合わせが香ばしいお菓子です。ドイツではZIMTSTERN(ツィームトシュテルン)といいます。Zimtは「シナモン」、sternは「星」。ドイツ語でも「シナモンのお星様」という意味です。
Etoiles a la cannelle
エトワール・ア・ラ・カネル
非売品
「これも売り物ではありません。エトワール・ア・ラ・カネルとエッフェル塔のオブジェです!(^O^)
「いや~美しい!(~O~)
「おっ!本日初めて店頭で販売しているお菓子を発見しました!(^O^)
アマンド・ショコラ
840円
「“菓子屋なのに菓子が無い”メゾン・ベニコ初のショコラはアーモンド・チョコレートですか!(^O^)
「あそこにショーソン・オー・ポンムとブッシュ・ア・ラ・レーヌが!(^O^) 「なんだフェルト菓子か…(゚-゚)
「おお!あれがメゾン・ベニコのブッシュ・ド・ノエルか…(゚O゚) 「フランス・ラングドック地方の幻のロールケーキ“ビーナスの腕”に似ている!(゚O゚:)
「私の胸が高鳴っているのは、太鼓を叩いているからではありません。一瞬見ただけで、私にはそれが何であるかがわかってしまったからなのです。メゾン・ベニコのブッシュ・ド・ノエルはビスキュイ・ルーレにクレーム・オ・ブールをサンドしてロール状にし、周りをクレーム・ガナッシュで飾っただけのシンプルなものでした。その生地は、現在流行しているやわらかくてフワフワした生地とは正反対の、粗くラフな堅い感じの生地でした。そしてそれは、ゴール人(フランス語:Gauleゴール 古典ラテン語:Galliaガリア)時代の首都であった古い町ナルボンヌ(Narbonne)に20世紀前半まで存在していたという、どの位古いのか見当のつかない古い古い菓子Bras de Venus(ヴィーナスの腕)を連想させたからなのです
「Wenikoシェフのブッシュ・ド・ノエルが完成するまで、フェルベールさんとWeRoさんの共著『Petites cuillérées de couleurs(小さなカラフルのスプーン)』でも拝見していましょう(^-^)つ■■
「ほぅ、これは非常に凝った造りの本です(^O^)つ■■
「左ページにはフェルベールさんのコンフィチュールのルセットが載っていて…」
Confiture aux fraises mara des bois
コンフィチュール・フレーズ・マラ・デ・ボワ
森のいちごのコンフィチュール
「右ページには、WeRoさんがフェルベールさんのコンフィチュールからインスピレーションを受けて描いた絵が載っています」
「何だ!?これは!?森の苺だけでなく、ピアノの鍵盤、ボタンやビーズまで縫い付けてある!まるで金子功のデザインした洋服を見ている気分だ!(゚O゚:)
「ほぅ、これがWenikoシェフが所有している原画ですか?」
Confiture de mirabelles d'Alsace au miel de tilleul
コンフィチュール・ド・ミラベル・ダルザス・オ・ミエル・ド・ティユール
アルザス産ミラベル 菩提樹のハチミツ風味のコンフィチュール
「デモーニッシュと言っていいほど深い…アルザスの精神性が見えた!(゚O゚:)
「側面に『WeRo pour Christine Ferber』のサインが…」
「有史以来初めてノストラダムスのコンフィチュールを超えたクリスティーヌ・フェルベール氏のコンフィチュールの背後には、未知なる“隠された特質(occult qualities オカルト・カリティ)”があり、自然科学によってはどうしてもそれを知ることはできなかったのですが、印刷されたものではない、この原画を見て、初めてそれが何であるかがわかりました」
Confiture de pêches de vigne d'Alsace
コンフィチュール・ド・ペッシュ・ド・ヴィーニュ・ダルザス
アルザス産ぶどう畑の桃のコンフィチュール
「そこでWeRoさんにお願いがあるのですが…ガレット・デ・ロワの紙の王冠を作っていただきたいのです!(^O^)/」「(フランス語に通訳しながら)ワンダフルハウスさんがWeRoにガレット・デ・ロワの紙の王冠をオーダーされる!?」

「来年の11月にフロマージュリー・フェルミエの本間るみ子さんの佐渡のご実家のおけさ柿を使ったガレット・デ・ロワをWenikoシェフに作ってもらうのですが…その時にフロマージュリー・フェルミエまたは本間るみ子さんをイメージした王冠を1台、そしてメゾン・ベニコをイメージした王冠を1台作っていただきたいのです!(^O^)/」
ワンダフルハウス
学生時代の愛読書
トーマス・マン「非政治的人間の考察」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー「音楽と言葉」
Galette des rois de pêches de vigne de France
ガレット・デ・ロワ・ド・ペッシュ・ド・ヴィーニュ・ド・フランス
フランス産ぶどう畑の桃のガレット・デ・ロワ
製作 島田進
特注品
「それは一瞬のことでした。私はWeRoさんに自分の内面性の二つの要素…精神性(psyche サイキ)と志向性(intentionality 独:Intentionalität)の全てを見られたような気がしました。同時に私にもWeRoさんの精神性と志向性の全てが見えました。クリスティーヌ・フェルベールのコンフィチュールと島田進のガレット・デ・ロワ。芸術の深淵を知った者同士が対峙した…実に不思議な時間でした。そしてそれは日本人が初めてフランス人アーティストにガレット・デ・ロワの紙の王冠をオーダーした瞬間だったのです」
「ポーン!」という音が店内に響き渡り、WeRoさんがロゼ色のシャンパーニュを注いでくれました。
Confiture de coings aux épices
コンフィチュール・ド・コワン・オ・ゼピス
マルメロのコンフィチュール スパイス風味
小サイズ 630円
「マルメロ スパイス風味」のコンフィチュールの栓も開けられました。
「とっても優しい香りがします。果実に独特の芳香のあるバラ科のマルメロは、コンフィチュールには最適な果物なのです」
「フロマージュリー・フェルミエで買ったオーヴェルニュ地方の優しいブルーチーズ『ブッシュ・ド・ネージュ』に合わせてみましょう。標高1000mの中央山塊で採られる牛のミルクのみで造られています。 さすがに60年もの間、青カビチーズの製造に力を注いできたラカイユ社の自信作です。黄味がかった生地は程よく塩分も利き、クリーミーで口溶けも滑らか。青カビの風味は優しめで、最も日本人好みのブルーチーズといえましょう」
「『マルメロ スパイス風味』のコンフィチュールは、見た目も黄金色にキラキラ輝いていて綺麗です。シナモンとジンジャーが入っていて、スパイシーなハチミツのような食感です」
「高山の上質な牛乳は自然な甘味をもち、口当たりはとても穏やかでマイルドな仕上がり。『マルメロ エピス風味』のコンフィチュールと合わせてみたら…不思議で、とっても優しい味…どちらかと言えば女性向けなお味です。60年もの間、青カビチーズの製造に力を注いできたラカイユ社の自信作『ブッシュ・ド・ネージュ』とメゾン・ベニコのコンフィチュール・ド・コワン・オ・ゼピス…2010年のレヴェイヨン・ド・ノエルに相応しい…最高のフロマージュと最高のコンフィチュールのトレボンマリアージュでした」
パリ・ブレスト・オー・ポンムとブッシュ・ド・ノエル・オ・ショコラがテーブルに運ばれてきました。
続く

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