フランスでは1月のガレット・デ・ロワが終わると同時に、街中のパティスリーやブーランジュリーではクレープを焼いて積み上げたものがショーケースに並びます。また、スーパーではクレープ粉やクレープパン(クレープ専用フライパン)、クレープを伸ばす木のトンボ棒などがセットで売り出されます。2月2日はクリスマスの12月25日から数えてちょうど40日目。つまりイエス・キリストの誕生から40日目にあたるこの日を「シャンドルール Chandeleur」と言い、「聖母御潔めの祝日」というキリスト教徒の祝日にあたる日なのです。この日は家族や友人が集まってクレープ祭りのパーティーをして楽しみます。銀貨を握ってフライパンを持ち、クレープをポーンとひっくり返す時、うまくいったらお金持ちになる、という言い慣わしがあるのです。ところが、なかなかひっくり返せないもので、クレープが床に落ちたり、壁や天井にぶつかったり…とお互いの失敗を大笑いしながら焼いて、後からクレープで前菜からデザートまで作って食べ合う賑やかなお祭りです。そんなクレープに想いを馳せていた2011年2月4日、茨城県水戸市「フランス菓子 Maison Weniko」の紅子(Weniko)シェフにクレープを焼いていただきました。