フランス菓子 Maison Wenikoの四季

2011年7月
ブルーベリーのコンフィチュール

2011年7月第1週

わんだふるはうす、メゾン・ベニコへ行く

「バカンスの夏の昼下がり、みんなそれぞれ本を読んだり、うとうとしたり、編み物をしたり…のんびり過ごしている午後、水戸のフランス菓子店Maison Wenikoのお菓子に歓声をあげて集まるのも、ヴァカンスの楽しい光景の一つだと思います…という趣向で、7月は始めたいと思います」
「メゾン・ベニコのコンフィチュールに新色が加わった?」
コンフィチュール
大 1050円
「ルバーブのグリーンと…」
コンフィチュール
大 1050円
「苺の赤、柑橘のオレンジ…
ビターキャラメル キウイ いよかん 和製グレープフルーツ
(灘オレンジ)
「今日はコンフィチュールの新作をいただきましょう」
いちごとミントと黒胡椒 いちご いちごとアルザスワイン さくらんぼといちご バラ風味
「さくらんぼのコンフィチュールが出てる!」
ルバーブ ルバーブと清見オレンジ ルバーブ ローズマリー風味 ルバーブとオレンジのはちみつ
「シーズン真っ盛りのルバーブも出揃った感じがしますね!」
「わかった!ブルーベリーの紫が加わったようです!」
「ワンダフルハウス様、7月1日からブルーベリーを使ったパイやチーズケーキもお出ししております『それでは、それもいただきましょう』
「2011年7月、Maison Wenikoの新作コンフィチュール・コレクションが開幕しました」
「メゾン・ベニコが開店して半年以上が経ちました。ここで、私が辿り着いたWenikoシェフのコンフィチュールの定義を披露いたしましょう…『Wenikoのコンフィチュールとは、フルーツで作った天文時計である』」
『Wenikoのコンフィチュールは、写真や映画と同じく、光と影の芸術である』
Confiture de myrtilles
コンフィチュール・ド・ミルティーユ
ブルーベリーのコンフィチュール
大 1050円
「ワンダフルハウス様、ミルティーユの収穫時期はバカンスの時期と重なることもあり、フランス人にとってミルティーユはバカンスの時期に山で楽しむものなのでございます」
「ミルティーユ?」「Myrtilleは野生種で小粒、Bleuberryは栽培種で大粒なのです。これは茨城県産のBleuberryです」「おおっ!? 上の方がジュレ状に固まっていますよ?」
「コンフィチュールが固まっているのはレモンの絞り汁を入れているからでございます。レモン汁は酸味を補う目的と、フルーツに含まれる『ペクチン』と呼ばれる自然のゲル化剤(固まるためのモト)が固まれるように入れるのでございます」
「ジュレの下の方には、“つゆだく”でジューシーな層が!」
「こ…これは美味い!」
ブルーベリーのコンフィチュール
「ワンダフルハウス様、日本のブルーベリーの旬は7月〜8月。まさに今が旬でございます」「ブルーベリーに旬があったとは…知らなかった!」
「ワンダフルハウス様、ミルティーユはヴォージュの森やヴォージュ山脈の稜線沿いで収穫されます。“ヴォージュの青い線”という日没のヴォージュ山脈を表した言葉もございます。この時期、山々は青紫の濃淡に染まり、私達は遠く離れた先からも、そこにミルティーユの存在を感じるのでございます」
「なるほど…なんとなく想像がつきますよ(^-^)\」
「つまりアルザシアンであるあなた方にとって、ミルティーユはヴォージュ山脈で採れるものであり…」
「リュバルブは自宅の庭先で採れるものだと…」
Tarte au fromage bleu avec confiture de myrtilles
タルト・オ・フロマージュ・ブルー・アヴェック・コンフィチュール・ドゥ・ミルティーユ
ブルーチーズのタルト ブルーベリーのコンフィチュールと共に
ブルーベリーチーズケーキ
315円
「ブルーチーズのタルトの中央部分の窪みに、ジューシーなブルーベリーのコンフィチュールを閉じ込めた…これはテイクアウト用のチーズケーキというより、レストランのデセールに近いですね」
「この“つゆだく”なコンフィチュールを閉じ込めるため、深皿タイプの個性的な形をしたタルトになったわけです」
「おおーっ!? “ヴォージュの青い線”に似た光景が広がっている!」
「ゴルゴンゾーラ・ピカンテとフェルベール式コンフィチュール・ドゥ・ミルティーユがマリアージュした瞬間…今までの日本には存在しえなかったデモーニッシュなタルト・オ・フロマージュが誕生しました」

「お客さんが次から次へとやって来て…ブルーベリーチーズケーキは完売してしまいましたが、ブルーベリーパイは焼きたてが登場したようです」
Tarte alsacienne aux myrtilles
タルト・アルザシエンヌ・オー・ミルティーユ
ブルーベリーパイ
「ジューシーなブルーベリーのコンフィチュールがタルトの側面から流れ出ている!…そしてそれを隠そうともせず、敢えて前面に向けて押し出してくるスタイル…パリ風のパティスリーでは信じられないことです。これがアルザス・スタイルなのでしょうか?」
タルト・アルザシエンヌ・オー・ミルティーユ
ブルーベリーパイ
472円
タルトが青紫の濃淡に染まって…“ヴォージュの青い線”が見えた!
続く

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