お正月

金子家のお正月は鯛の塩焼きが主役です

お正月の買い物やテーブル飾りは、二人でします。といっても、ほとんどはインゲがするんだけど……。
我が家のお正月に欠かせないのが鯛。鯛の塩焼きです。子どものころから鯛の尾頭つきが好きなんです。よく結婚式の引出物に入っているでしょ、あれを酒のつまみに、ご飯のおかずに、お吸い物にしたり……飽きないんです。とにかく鯛が好きだから、お正月には、鯛の塩焼きを必ず買いに行きます。おせちはあまり作らないですね。でも、煮物は必ず作ってくれるし、黒豆なども出てきますよ。
器は、染付けや伊万里、根来のお盆を使います。ほんとうは派手な伊万里が好きなのですが、やっぱり染付けの器がメーンになりますね。根来の丸いお膳は前からあるものですが、四角い形が欲しくて……。そうしたら、この夏、大きさも大きさもちょうどいい四角い根来のお盆を骨董市で見つけたんです。早速、五枚買いました。というわけで、今度のお正月には、この根来のお盆が銘々のお膳として登場する予定です。

煮物と黒豆

ごぼうや里芋の煮物、黒豆などは、染付けの小皿に。全部5枚ずつ買ったのに、今では1枚しかないものも……。


金子家のお正月

京都のお正月の”にらみ鯛”は、2日間眺めて3日めから食べるといいますが、金子家では、元日から毎日のように食べるという鯛を主役にセッティング。伊万里の大皿に鯛の塩焼きを盛って、庭からとってきた葉を上から奥ゆかしく飾って。
手前の染付けの皿は、東京・青山のハナエ・モリビルの地下にある、アンティークの店をのぞいていて見つけたもの。珍しい羽子板の絵柄に「お正月!」と思わず買ってしまいました。

装苑1995年1月号「金子功の和ンダフル」より
撮影・藤井英男

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