わんだふるはうす パティシエ・シマに行く

ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル

フランスの新年のお菓子「ガレット・デ・ロワ」は地方によって材料が異なり、日本で知られるフィユタージュでクレーム・ダマンドをサンドしたタイプは、パリやイル・ド・フランス付近で作られています。フランス東南部や西南部ではブリオッシュに似た発酵生地を王冠型に成形したものが作られ、このブリオッシュ・タイプのものもフランスではとても人気があります。2009年1月、クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ会長の島田進さんのお店「パティシエ・シマ」をワンダフルハウスが訪ね、南仏プロヴァンス地方の「ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル」を作っていただきました。

新宿大通りから日本テレビ通りに入り、最初の信号を右に曲ると、この景色が見えます。手前の赤レンガのマンション1階が、日本のトップパティシエ島田進さんのショコラトリー&サロン・ド・テ「ラトリエ・ド・シマ」。奥の赤いパラソルのお店がパティスリー「パティシエ・シマ」。東京メトロ有楽町線「麹町」駅から徒歩2分。 先にパティシエ・シマに入りましょう。
「あけましておめでとうございます!(^O^)/ 予約していたガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルを受け取りに来ました」
ガレット・デ・ロワ
Galette des rois
2940円
「ワンダフルハウス様が予約されたガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルは、ラトリエの方にございます」「確かにこれは普通のガレット・デ・ロワですね(^O^)\
今度はラトリエ・ドゥ・シマに入ります。
「あけましておめでとうございます!(^O^)/ 予約していたガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルを受け取りに来ました」
「これもパリやイル・ド・フランス付近で作られる普通のガレット・デ・ロワです(^O^)\」
ガレット・デ・ロワの魅力の一つといえるのが、表面に描かれたクープ(模様)。様々に描かれたクープは、素朴なガレットに華を添えてくれます。
これがフェーブです。Miel(ミエル)と書いてあるのでハチミツのフェーブですね」
「このパネルは何でしょう?(^-^)\」 「これはよく見ると“着物とエッフェル塔”です!(゚O゚)\」
1858年10月9日、フランスから日本に初めて使節として派遣されたジャン・バティスト・ルイ・グロ男爵によって、日本と最初の修好通商条約が江戸で調印されました。2008年は、日本とフランスの外交関係が樹立されて150周年を迎えた記念の年で、大規模なイベントが150周年に花を添えました。7月にパリ国立オペラの初来日公演が兵庫と東京で行われた他、10月から12月にかけて六本木でピカソ展も開かれました。
クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワは、フランス伝統菓子を愛する人達が集まり、2003年8月に発足。プロのパティシエによるメンバーが中心となって伝統菓子とその背景にある文化の魅力を正しく伝えるための活動を行っています。クラブ誕生のきっかけは、カリフォルニア・アーモンド協会によるアーモンドの販促活動。同協会のアドバイザーとして相談を受けた「ビゴの店」の藤森二郎氏は、「アーモンドはホールの状態よりもお菓子屋さんが日常使っているプードルの方が広まりやすい。そしてお菓子と一緒に宣伝をすれば効果的なのではないか。お菓子を普及させるにはイベントに絡めること。クリスマスとバレンタインデーにはさまれてブランクになっている1月にふさわしいお菓子はないだろうか?」と考えた結果、アーモンド・プードル、1月の行事菓子、末永く愛される伝統菓子、というキーワードを全て満たすガレット・デ・ロワに行き着きます。ブームを作るというより少しずつ静かに普及させることを目標に2001年秋の「ジャパンケーキショー」への出展やデパートのイベントなどの活動を通して存在をアピール。2003年秋に第1回コンテストを主催した際に公式にクラブとして名乗りを上げます。藤森氏が「ガレット・デ・ロワに対する思い入れがとりわけ深く、たとえブレイクしてもその後も当たり前に作っていかれるような人」を考えた結果、会長にパティシエ・シマの島田進氏を決定。島田氏と藤森氏によって、活動の中心となる8人の理事が選ばれ、最初は約30人の会員を集めて発足しました。
「ワンダフルハウス様のガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルは、そちらにございます」「おおっ?(゚O゚)\」
ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル
Galette des rois provencale
特注品
プロヴァンス地方などで、ガレット・デ・ロワの代わりにブリオッシュ生地を用いて作るのがガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル。ブリオッシュ・デ・ロワ(Brioche des Rois)またはガトー・デ・ロワ(Gateau des Rois)またはガレット・デ・ロワ・パータ・ブリオッシュ(Galette des Rois Part a Brioche)またはガレット・デ・ロワ・ボルドレーズ(Galette des Rois Bordelaise)ともいいます。王冠のようなリング型をしていて、果物の砂糖漬けなどで飾りつけしてあります。パティスリー(菓子屋)よりブーランジュリー(パン屋)で見かけることが多いです。
パティシエ・シマでガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルを作るのは今回が初めてで、たぶん最後です。
ガレット・デ・ロワ
Galette des rois
ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル
Galette des rois provencale
「おおーっ!?(゚O゚)\ 全然違う!」
パリ・ブレスト
Paris-Brest
ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル
Galette des rois provencale
「これは、ガレット・デ・ロワよりもパリ・ブレストに近いですね(゚O゚)\」
島田シェフがガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルを作るのは今回が初めてだそうです。
ドレンチェリーやオレンジピールを貼り付けてあります。
これはアラレ糖です。
「こ…これは?(゚O゚)\」 「これはお菓子ではありません…パンです!(゚O゚)\」
これはブリオッシュです!(゚O゚)\
ルコント青山本店
パティシエ・シマではパンを売ってないのでルコントに買いに行きましょう。昔は島田シェフもこれらのパンを作っていたのです。
ブリオッシュ
(ルコント)
263円
雪だるまみたいな形ですね
(^-^)
(   )
「バターと卵を普通のパンより多く使っているので美味しいのです!(^Q^)」
1970年代のルコントのポロネーズ
Polonaise
(パティシエ・シマ)
特注品
ブリオッシュを使ったお菓子では、ポロネーズという古典的なフランス菓子があります。これは1970年代、島田シェフがルコントで作っていたものの復刻版です。
アンドレ・ルコント氏のポロネーズの登場です。ポロネーズはルコントでは1980年代初頭まではありましたが、いつの間にか廃番になってしまいました。パティシエ・シマでは元々作っていません。
「全体的にメレンゲを塗って、強火のオーブンで表面を素早く焼いて黄色くなっています。アマンド・エフィレ(アーモンド・スライス)を乗せて粉糖をふってあります。
「下の方に赤いドレンチェリーが見えました!(゚O゚)\
「ブリオッシュは下半分だけです!(゚O゚)\」
このメレンゲはやわらかいです!(゚O゚)\
ブリオッシュをサヴァラン用のシロップ(Sirop au Kirche pour Savarin)に浸してキルシュをふりかけ、くりぬいた部分にキルシュを加えたクレーム・パティシエールを詰め込んであります。具は赤や緑のドレンチェリーの他にオレンジピールも見えます。
「お酒の効いたシロップがビッショリ…メレンゲと一緒に食べると美味です!(^Q^)」
カットしたガレット・デ・ロワ・プロヴァンサルが運ばれて来ました…「おおっ?これはフランスのリポビタンDですか?(゚O゚)\」
「そちらはフルール・ドランジュでございます」「フルール・ドランジュ?(゚O゚)\
「Dukkah(デュカ)」とは、アルカン社がフランスから優れた品質のスパイス類をセレクションしたプレミアム・スパイスブランド
「フルール・ドランジュ」は、日本語では「オレンジの花の水」と訳されます。オレンジの花のつぼみを煮て、その水蒸気を集めて作るのですが、香水のような独特の芳香が特徴。南仏のお菓子によく使われます。
「オレンジの花の香りが爽やかに広がります 〜(^Q^)
ガレット・デ・ロワ
Galette des rois
(パティシエ・シマ)
ガレット・デ・ロワ・プロヴァンサル
Galette des rois provencale
(パティシエ・シマ)
フィユタージュとブリオッシュ…史上初めて島田シェフの手によるガレット・デ・ロワが並んだのです。
中にオレンジピールとクレームダマンドも入れたそうですが、現地では生地だけのシンプルなものが多いそうです。
南仏でバターが手に入らなかった時代に作っていたと言われるブリオッシュタイプのガレット・デ・ロワ。こちらの方が、フィユタージュタイプのものよりも古くから作られているそうです。
バターのいい香りがしますよ  〜(^Q^)
手前の黄色っぽい部分がクレーム・ダマンドです。
「ん?中に何か具が入ってますよ(^-^)\」
「これは何でしょう?(゚O゚)\」
フランス産バレンシアオレンジのシロップ煮の缶詰だそうです。
外側に張り付けてあるオレンジピールは、この塊をカットしたものなのです。
オレンジの蜜が封じ込まれたジューシーなオレンジピール…これは美味です!)^Q^(

戻る