わんだふるはうす、メゾン・ポール・ボキューズに行く
PART2

時代が彼を生み出したのか、あるいは彼が時代を創ったのか――天性の才能と情熱、そしてたゆまぬ努力を持って20世紀後半のフランス料理史に”nouvelle cuisine ヌーヴェル・キュイジーヌ(新フランス料理)”と称された新時代をもたらした人物、それがポール・ボキューズ。「新鮮ないい材料を駆使して、それぞれの材料の特質を生かし、風味を残した料理がヌーヴェル・キュイジーヌです。現代人のライフスタイルに合った軽くて自然、そして見た目にも魅力のあるものなのです」と、かつて語ったボキューズ氏は、1926年、代々200年以上続くレストランの1人息子として生まれました。幼い頃から料理にはうるさく、シェフになるのが夢だったといいます。15歳で料理人の道に入り、16歳で「レストラン・ドゥ・ラ・ピラミッド Restaurant de la Pyramide」のオーナー・シェフ フェルナン・ポワン氏に師事。32歳の時に生家を継いで、34歳の時にはフランス版人間国宝ともいえる「M.O.F.(フランス国家最優秀料理人賞)」を異例の若さで受賞。天才料理人の名を欲しいままにしたのです。さらに50歳の時に、フランスの最高勲章「レジオン・ドヌール Chevalier de Legion d'honneur」を受けています。世界最高の料理人ポール・ボキューズ氏の日本のお店は、その名も”メゾン・ポール・ボキューズ”。東京・代官山の旧山手通り沿いにあります。ゴールデンウィーク真っ最中の2008年4月30日、私ワンダフルハウスは、豪放な中に繊細な味わいをみせるボキューズ氏の料理をいただき、”食べることの幸せ”を満喫させていただきました\(^Q^)/ メニューの数々を順番に紹介いたします。

「私はワインが飲めないので、ミネラルウォーターをください!(^O^)/」
辻静雄さん『ここでワインを飲めない人のため、水の注文の仕方について少し触れておく。ワインは飲めもしないのにレストランで無理に注文する必要もない。水を欲しくなった時、フランスなら「ヴィッテル Vittel」か「エヴィアン Evian」と言えばよい。イタリアなら「パンナ Panna」が覚えやすいだろうか。もし、「ペリエ Perrier」「バドワ Badoit」などとフランスで注文しようものなら、炭酸ガスの入ったのを持って来られるので気をつけること。ドイツでも「アポリナリス Apollinaris」は禁物。ガスでお腹が張って閉口する。
イタリアには「プローゼ Plose」と呼ばれる標高2000m位の所にあるオーストリア寄りのドロミテ山中から採れる珍しい(ガス入りの)水がある。お好きな方は、ソーダ割りのウイスキーなど試みるのも面白いかもしれない。といっても、なかなかこれはお目にかかれない水ではある。
同じようにフランスで(ガス無しの)「ヴォルヴィック Volvic」というのもある。これもオーヴェルニュ地方で採れる味のある水であるといえるだろうか。ヴォルヴィックの純生の味の理由は、ピュイ・ドゥ・ドーム火山の火山岩の厚い層によって濾過されて湧き出してくるところからという。』
――辻静雄著「ヨーロッパ一等旅行」 1977年 鎌倉書房刊より
「それでは、ノルウェーのVOSSはいかがでしょうか? ガス入り、ガスなし両方ございます」「ボス? おおっ!?(゚O゚)\…この洗練されたデザインのグラスボトル…お洒落です!\(^O^)/ これのスパークリング・タイプをください!」
Voss Sparkling 800ml
1600円
セレブ御用達のスーパー・ピュアー・ウォーターVOSS」の登場です。あのマドンナは、VOSSを置いていないホテルには泊まらないとまで言われています。
VOSS ヴォス」はノルウェー語で「滝」という意味。使用されたことのない帯水層で自然にフィルターされている真水です。地球上で未発見だったノルウェー南部の荒野の氷岩の下で、何百年もの間守られていた純粋な水源から採取されます。スカンジナビアは、世界的にも有名なフィヨルドが作られる氷河の本場であり、どこよりも美味しい水源があるのです。
アヴァン・アミューズが運ばれて来ました。ピラミッドの料理「ラムカン・オ・フロマージュ Ramequins au fromage」。チーズ・ラムカンの登場です。 ピラミッドでは、ラムカン・オ・フロマージュは、デザート用のパイ菓子の一つとして出されていました。
「おおっ!?(^O^)\ これはポポロン?」
中にはグリュイエール・チーズが…ラムカン・オ・フロマージュは、チーズ風味の温かいプチ・シューでした。
「アミューズ・ブーシュ Amuse bouche」のサーモン・タルタルが運ばれて来ました。アラカルト・メニューにある「フレッシュ・サーモンのマリネをタルタル仕立てにしたものです。
Saumon marine a l'aneth creme au caviar
フレッシュ・サーモンのマリネ キャビアのクリーム添え
5500円
”本物”をチラッとお見せしましょう。このオードブルを注文した場合、アミューズはガスパチョなどが出るそうです。
上に差してあるハーブが「ディル dill」。細く繊細な葉と爽やかな香りが特徴の地中海沿岸原産のセリ科のハーブです。魚料理とよく合うので「魚のハーブ」ともいわれています。特に鮭との相性は抜群で、サーモンのマリネにディルは欠かせません。
ここでパンとバターが登場しました。パンはリュスティック、バターはエシレですね。
サーモン・タルタルの中には、ズッキーニとエシャロットが…。上に乗ってる白いクリームは、「クレーム・レフォール(レフォール・クリーム)」。西洋ワサビと生クリームを合わせたクリームです。
「素朴」という意味を持つフランスパンの一種「リュスティック Rustique」。表面にはパリッとした綺麗な裂け目が入っています。
フランス産高級AOC発酵バター「ブール・エシレ(エシレバター)」の登場です。フランスで100年以上の歴史を持つエシレ社の発酵バターで、有塩(青ラベル)と無塩(緑ラベル)の2タイプがあります。 1995年4月からバターの輸入が自由化され、フランス産のバターが日本でも手に入るように なりました。日本のバターと大きく違う点は、フランス産のバターはほとんどが発酵バターである ことです。フランスでAOC(原産地名称権のことで、特定の地域で伝統的な 方法で作っている食品にだけ与えられる)に認定されるポワトゥー・シャラントの最高級バターと して、世界の一流シェフや各国王室からも高い評価を得ています。
エシレバターは、優れた乳製品の産地として知られるフランス中西部ドゥ・セーブル県エシレ村で育てられた乳牛の搾りたての生乳のみを使用しています。現代的なステンレス製の練機を使用せず、昔ながらの伝統的なチーク材を使用した木製チャーン(攪拌器)を使っている事からも職人のこだわりが感じられます。そして、作りたてのバターをフランスより空輸し、常に新鮮な状態で日本国内に輸入されています。製造工程中に乳酸菌を添加した発酵バターですので、無発酵バターに比べて芳醇な風味と香りが広がります(^Q^)
じっくりと時間をかけて発酵させた、昔ながらの素朴なパン。もっちりとした食感と粉の旨みがあります(^Q^)
続く

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