サマンサ

文化出版局から出版された子供服中心のソーイングマガジン「サマンサ」。現在は廃刊、もしくは休刊となっている。国会図書館にも所蔵されていない極めてレアな雑誌。WWが立ち上がった1994年秋編からタイアップが始まったようである。金子さんが直接審査する「そっくりに作ってみて」企画もあった。ワンダフルハウス図書館に所蔵されたものは1994年秋編、冬編、1995年春編、夏編、秋編、冬編、1996年秋号の7冊。全てに金子さんのページが載っている。これ以外に金子さんのページが掲載された「サマンサ」をお持ちの方は、貸してくださいm(__)m
1994年秋編 タイアップ「WONDERFUL WORLD」
1994年8月5日、東京・青山にWWの路面店がオープンした。同じ日に発売されたアンアンには篠山紀信&伊藤五郎&外人モデル(リナとフランク)による初広告が掲載されたが、このサマンサ(写真中央より右)は、その4日前の8月1日に発売されていた広告第1弾である。金子さんがモデルに起用したのは、くればやし美子さん。1980年代前半のアンアンで毎週のようにピンクハウスを着ていた、金子さんが最もお気に入りのモデルである。くればやしさんが金子さんの服を着るのは、1984年秋の「金子功のワンピース絵本」(写真中央より左)以来、10年ぶり。カメラマンには同じ久米正美さんを起用するなど、金子さんは味な演出をした。
1995年夏編「そっくりに作ってみて」
785点もの応募作品を1点1点、丁寧に審査している金子さん。手にしている黄色のワンピースがグランプリ(金子功賞)に輝いた。
金子功さんの総評「手作りをやぼったく見せない秘訣は……」どれもみんなとっても上手に作ってあって、もうびっくり。ただまねをするのではなく、僕の服のマインドをよくわかってくれて、うれしいです。手作りのよさは、細かいところに神経が行き届いていて、さらに自分の手で何か工夫を凝らしているものに、ハートを感じます。それは、たとえば衿を見ると、よくわかる。衿の縁にただ既製のレースをポンとつけるのではなく、細かく丁寧にかがってあったり、凝ったテクニックを加えてあったりするのがいい。手作りイコールやぼったいじゃ悲しいもの。簡単にできることだけが手作りではないのだから、凝るところ、手をかけるところは徹底してやってほしい。自分だけのオリジナリティを持つ手作りの楽しさって、実はそんなところに潜んでいるのだと思う。テクニックばかりでなく、それは形にもいえること。分量やバランスにも細かい神経が配られていてこそ、センスを感じるのです。
受賞者のコメント「賞をいただけるなど思ってもみなかったので、夢みたいです。とっても感激です。中学生のころから金子さんの服が好きで、買ったり作ったりしていました。だからこのコンテストの審査員が金子さんと知り、目にとめてもらえるだけでもうれしいと思って応募したのです。イメージにぴったりの布地探しにいちばん時間がかかりました」
1995年秋編 ソーイングガイド「WONDERFUL WORLD」
チロリアンジャケット、サンタ柄ワンピース、チェックのペティコートの作り方が掲載された。
1995年冬編
これはWWファンにとって、お買い得な1冊。表紙から16ページまでまるごと金子特集。重ね着と髪型についてのマニュアルやクリスマス広告、ソーイングブックとてんこ盛り。
NEW!1996年秋号 第2回「そっくりに作ってみて」手作り誌上コンテスト発表!
1996年からは”○編”から”○号”に変わったのだろう。秋号にはWWの広告が載ってないが、PHの広告が掲載されてる。

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