渋谷パルコ・パート2が9月15日に、リニューアルオープン。新しいタイプのアンテナショップとして注目を集めている。その理由は、2〜6Fのギャラリー感覚のショップ構成にある。
DCブランドのショップといえば、ワンショップにワンブランドというのが常識で、しかもフロアには、異なるブランドが集合している状況だった。だが今回、新しく生まれ変わったパルコ・パート2では、ワンフロアにワンカンパニーでトータルなイメージをつくっていて、さらにその中で、たくさんのブランドが集結している。
2Fはピンクハウスの3ブランド、3Fはビギグループで5ブランド、4Fはファイブフォックスの13ブランド、5Fがニコル6ブランド。6Fは2〜5Fのイメージを強調する感覚のフォトギャラリー&ショップになっている。
とにかく1フロアの中でブランドの個性を強調しているため、コレクションの一点もの的な商品が多いから、いろんなブランドをコーディネートし、その場で試着できるという賢いショッピングができるのがうれしい。
ピンクハウス、ベビーピンクハウス、カールヘルムと金子功の3ブランドが集結したのが、2Fにあるピンクハウスワールド。3ブランドとも、今シーズンのショーに使われたものを扱うなどして、都内のアンテナショップ的な役割を果たし、注目されている。そのうえ品数も都内で一番豊富だというから、実用的なショッピングも確実に望めるはず。
アンアン1990年11月2日号(No.747)「渋谷パルコ・パート2が変わって、ファッションシーンも変わる。」より
1F左側がカフェ、右側がインゲ。階段を上って左側がPH、右側がカールだった。この階段を上る時は、少々ビビった(^‐^:)建物が豪華過ぎたのである。 | 2Fのピンクハウスコーナー。ウッディな店内ではお客と店員が友達のように談笑している。9月1日(金)のレセプションオープンの風景。私、ワンダフルハウスも駆けつけた。 |
オリジナルのウェディングドレスやカントリー調の家具をオーダーで手に入れることもできた。 |
ヘソ出しスタイルにスケーター崩れのだらだらしたカジュアルファッションが渦巻く渋谷センター街のすぐ近く、年々キタナらしく、お下品になっていく渋谷の中枢に、突如現われたのが、ここ「ピンクハウスワールド渋谷」である。中世のお城かディズニーランドか?異様に目立つことこの上ない。独特のテイストと人気を保ち続けるピンクハウスの総本山にふさわしい外観だ。
当日は、9月2日の本オープン前日のレセプション。ピンクハウスでは各ブランドの顧客に招待状を送ったそうで、ディープなファンは1時間も前から並んでいたものの、平日のせいもあり、穏やかな幕開けだった。お客の大半は、もちろん、花柄満載、フリフリひらひらのピンクハウスでキメた女性たち。ロングソバージュに細くて赤いリボンのヘアバンドが、古株ファンのスタイル。幼年の娘と母親のペアルックは90年代になって目立ってきた新顔スタイルだ。お腹の大きい女性もおり、マタニティにさえ対応できるデザインの特性も、幅広いファン層をもつ秘訣となっているようだ。
また、全身カールヘルムでキメ、胸には造花のコサージュをつけたおたくっぽい男性もいたし、Tシャツに半ズボンにリュックというカジュアルな年齢不詳の女性(全アイテムにPHのロゴ入り)や70年代風+ロリータ調スタイルの若い女性、インゲボルグ内にはハイソな雰囲気の20代&50代母娘風の人も。なぜか、シャネルのバッグを持つ人が目立った。
鉄製の高い柵に守られたコの字型建物の中では、ピンクハウスの商品群とそれを身に纏った人々が和やかに徘徊し、広々とした豪華な階段では、子どもたちが大声を出しながら駆け回って遊んでいた。その中のひとり、4歳だというベビーピンクハウスでキメた女の子が「ここは、私たちの世界なんだよ」と、友達に向かってしゃべっていたのが印象的。
ピンクハウスは、これからも、母から娘へ受け継がれていく、息の長い独特なブランドになりそうだ。
ACROSS1995年11月号「メルヘンの世界とブランド神話に包まれた渋谷の異空間」、anan1995年10月13日号(No.990)「ピンクハウスワールドが、渋谷にオープンした。」より
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ピンクハウスワールドがあった場所は、2003年10月現在はどうなっているのか?’95年にオープンした白い建物は解体されて、ZARAという3階建てのファッションビルになっている。このZARA(サラ)というブランド、スペイン発の激安チェーン店だ。ヨーロッパとアメリカ、日本で展開している。メンズもある。スペインでは今や一番人気の高いブランドに成長した。パリ、ロンドンでも売れている。
’97年に移転した茶色い建物の方は、ピンクハウスワールドが撤退してから、幽霊ビルになってしまったw(゚0゚:)w 隣はなんと!金子さん御用達の駒形どぜう渋谷店である。