装苑1984年12月号
「PINK HOUSEに夢中!」

金子功さんが教えてくれるコーディネーションと演出法

撮影・両角章司、藤本毅 ヘア&メーク・山崎彰(CLIP) モデル・金子功、ジャネット、ゾーイ、ポーラ、ミッシェル 14ページ

クリスマス用ドレスケース
クリスマスドレスを買うと、この大橋歩さんのイラストのドレス箱に入れてくれた。
クリスマスドレスケース
ラウンジウェア
みんな外でのおしゃれに忙しそうだけど、部屋の中で一人で、自分だけでおしゃれしている人って、もっといいと思う。
僕はスポーティーとロマンティックの2タイプデザインしてるけど、どっちも優しく着てほしい。特にアンティーク風な白いキャラコのものは、うーんと夢みたいにね。
ニットコーディネーション
ニットって、女の人が最も大好きだと思うものの一つじゃないかな。
僕自身も、ニットがすごく好きなんだよね。
おしゃれするうえで、いちばん気軽で簡単で、しかも効果が大きいという着こなしの”大きなスパイス”になるような魅力があるみたい。
ニットの組合せで、好きでよくやるのは木綿のドレスとの重ね着。
木綿に重ねてニットだけで季節を感じさせる着こなし、かわいいね。
タウンウェア
常に冬のタウン用として取り入れるのは、デニム、タータンチェック、肉厚のウールといった素材。テーラードカラーのジャケットや、かっちりとしたジャケットを、そのままかっちりとは決して着ない、これがPINK HOUSE風タウンルックかな。
フリルのブラウスとか、スカートの下にもう1枚スカートをはき重ねるとか、少しくずしてかたいものを柔らかいものと合わせるのが好き。
スポーツウェア
PINK HOUSEの中では、夏のセーターのつもりでデザインしているTシャツやトレーナーのスウェット物がスポーティーな分野に入るけど、僕はスポーツスポーツしているのは嫌いだから、とにかくスポーティーとか機能的というデザインを色の甘さや着こなしの優しさで消す方法を考えちゃう。
そのためにスウェット物は嫌いな色もそろえているくらい。
ドレスアップドレス
ロマンティックな部屋着以上に、女の人の”夢”になってるのがイブニングドレスだと思うんだけど……。
日ごろ着ないチュールレースなんかで、1年に1回しか着ないかわいさのために、僕はクリスマス用のドレスを作ってる。
イブニングドレスは普段のPINK HOUSEより大人のちょっと恐ろしい感じの服だけど、やっぱりかわいく着てほしい。
あんまりゴテゴテと飾らないで、すっきりとね。
「金子功のワンピース絵本」ちょっぴり公開
PINK HOUSEのデザイナー、金子功さんの初めての本ができます。発売に先駆けてその中身を、ちょっぴりご紹介します。「金子功のワンピース絵本」というタイトルどおり、本の中で紹介されているドレスの大半がワンピース。独特の重ねたり、たくし上げたりのいろんな着こなしのワンピース集。着こなし上手の手引き書にもなりそうです。イラストレーターの大橋歩さんや栗崎fさんのお花もページを飾っています。とにかくPINK HOUSEに夢中のあなた、必見の一冊ですヨ。
「金子功のワンピース絵本」は、金子さん自身がデザイナーとして、スタイリストとして、そして編集者として、あっちこっち撮影して回ったものです。「物を作り上げていく過程ってすてきなこと、それは洋服だって本だって同じ」。でも「本を作るのは大変だったけど、編集の仕事をしている人がうらやましくなったくらい楽しかった」そう。それほど金子さんの楽しみがいっぱい詰まった本です。
撮影当日、赤いドアの前(プレスルーム)で撮影したいとお願いしたら、ブルーのチェックの上着で背景にカラーコーディネートして現われた金子さん。
自分の本なんて照れるけど、やっぱりうれしいし、みんなに買ってほしいと笑った金子さん。職種の中ではカメラマンという職業が大好きで、今回の本で撮影したカメラマンまで、こんなかわいい写真を撮っている人たちですと
一緒にページに収めちゃった金子さん。”洋服のおもちゃ箱みたいな”夢”を本に託した金子さんです。

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