春原久子

スタイリスト

1948(昭和23)年4月、長野県小県(ちいさがた)郡丸子町生まれ。実家はテーラー。文化女子短期大学服装科を卒業後、雑誌「フローリア」の編集部に入り、スタイリストも兼ねる。「フローリア」廃刊後、フリーランスのスタイリストとして独立。広告の仕事が主だったが、「アンアン」「花椿」「クロワッサン」など雑誌のスタイリングも手がけるようになり、現在に至る。

春原久子(すのはらひさこ)さんは、1983年から1986年まで、クロワッサンに連載された「おしゃれ大好き」を立川ユリさんと交互に執筆していた。現在も、原由美子さんと並ぶ大御所スタイリストである。


春原久子さん、ピンクハウス渋谷パルコ店を語る。

以前、撮影用に、20代の娘さんとそのお母さんのふたりが兼用できる服を探したことがありました。その時、最初に浮かんだのが、このブチックです。
20代にも、30代にも、40代にも、いや60代のおばあちゃまにも似合う服が見つけられるのです。同じ服も組合せや着こなしで、20代でも40代でもOKというおおらかさ。
そのせいか店内は、老若入り乱れてとなるわけですが、「いえいえ、男性もです」とは店長の高橋さんの証言。ジャンパーや靴などは、かまわず男性も買い求めていくらしいのです。
大人の服となると、まずシルクなどの柔らかい素材のワンピースなどですが、あえてパス。流行の七分丈のパンツとレーヨンのたっぷりしたサマーニットの軽い組合せ。18や20歳では「流行ね」で片つ゛けてしまわれそうな七分丈のパンツをシックに粋に仕立てあげることができるのは大人の着こなしあってこそです。レーヨンの光沢のあるリッチな素材感も若い人達では、少し荷が重そう。ある程度年齢を重ねてからの服といえるでしょう。
入荷が少なくて、2〜3枚。5枚も一時に入ることはないとか。まめに足をはこぶか、店員さんと仲良くなって情報をいち早くキャッチするかテはなさそう。なんとクレジットカードを預けっぱなしの人もいるそうです。おなじみの金子功さんのお店です。

スタイリスト・春原久子
光沢のあるレーヨンのサマーニットと麻の七分丈パンツの組合せ。ニット¥46000、パンツ¥16000
1982年春のピンクハウス渋谷パルコ店
ピンクハウス渋谷パルコ店(1982年)
渋谷パルコPART2の5Fにあった。

クロワッサン1982年6月10日号(No.110)「春原久子がすすめる大人の服が買える店」

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