加納さんは1970年に、平凡出版社「平凡パンチ」ニューヨーク特集写真展『FUCK』で一躍新進写真家になり、1993年には月刊ヌード写真誌「THE TENMEI」でヘアヌードブームをつくるなど、じつに自由奔放に生きてきた。それなのに石原慎太郎東京都知事からの依頼により「東京の問題を考える懇談会」のメンバーとして教育問題についても取り組んでいる。
JJ1986年12月号に掲載された「30代の男研究 奥田瑛二」はピンクハウスが衣裳協力をしたので、奥田さんはカールヘルムを着ている。この時の撮影が縁で、1993年に撮影・加納典明×イラスト・奥田瑛二で、河合あすか写真集「視姦」(竹書房)が出版された。
女性雑誌向けの撮影だったが、「俺は女性に向けた写真はまったく考えた事がない。 俺が撮影する写真は男の為に撮影しているんだ。」という加納さんの言葉通り、上質なメンズファッション写真になっている。カーディガン¥40,000、シャツ(カールヘルム1986年秋冬物) | ステンカラーコートの衿の立て方、袖のまくり具合、カーディガンの裾のブラウジング、タイのディンプルの深さ・位置などに、モデルとしての奥田さんが”ただものではない”気配を漂わせている。コート¥39,000、シャツ、タイ、カーディガン(カールヘルム1986年秋冬物) |