タキシード

かつてジャン・コクトーは、タキシードにキャメルのダッフルコートを合わせ、パリの社交界をパニックに陥れたが、金子さんのタキシード・スタイリングにもかなりのクセがある。金子系の男性は、どのようにタキシードを着こなせばよいのか? 金子さんのスタイリングを紹介します。

1985年

1985年のタキシード

男・タキシード(スーツで)¥130,000、シャツ¥16,000、蝶タイ¥7,500、ジーンズ¥13,800(カールヘルム1985年秋冬物)
女・モーニング¥80,000、ブラウス(下)¥18,000、ブラウス(上)¥26,000、別珍の靴¥15,000(ピンクハウス1985年秋冬物)
ショールカラーのタキシードスーツのジャケットだけを着て、洗いざらしのシャツとジーパンとスニーカーで、カジュアルダウンさせた着こなし。これは究極の着崩し。無頓着を装った手のこんだダンディズムである。あのセルジュ・ゲンスブールも得意としていたスタイルだ。

アンアン1985年11月15日号(No.503)クリスマス広告「パーティーは黒、クリスマスも黒、心意気の黒で。」より


1986年

1986年のタキシード

右・タキシード¥150,000、シャツ¥14,500、蝶タイ¥5,800、ベルト¥5,800、スニーカーは参考商品。
左・マオカラーのタキシード¥100,000、他は右と同じ。(カールヘルム1986年秋冬物)
右はピークトラペル、左はマオカラーのタキシード。ノーアイロンの白シャツとボウタイ、胸ポケットに挿した花、白いスニーカー(綿の、デザインされていないものを、もちろん素足に)というスタイルが金子さん好みのタキシード・スタイルである。コートはコーディネートされていないが、黒やグレーのチェスターフィールドコートのような正統的なものは避けたほうが良い。いずれにしても着こなしのポイントは、”計算しつくした無頓着さ”である。このマオカラーのタキシードは、奥田瑛二氏も購入。’87年の第41回毎日映画コンクールの授賞式で着ていた。(映画「海と毒薬」で主演男優賞を受賞)

ポパイ1986年10月15日号(No.233)広告「秋の気分は、お洒落気分。」より

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