ウエディング

金子さんのウエディング特集は、過去に3回ありました。
1回目は、アンアン1970年11月5日号(16号)の「森のオヨメサン」です。ユリさんがモデルで、高原の教会でロケを行っていますが、これには、チロリアン風のクロスステッチとチロリアンテープを用いたブラウス、スカート、ワンピースが5パターン出てきます。表紙に載った服は(アンアン2000年3月10日号をお持ちの方はP130を見てください)、読者が日本橋高島屋のアンアンクラブに通いつめ、押しの一手でGET!’71年の春に、これを着てお嫁に行きました。この服は、1999年春夏にWW(カタログP)で、2000年春夏にPH(カタログP)で復刻されたので、買われた方は、これを着てお嫁に行ってください!もともとは、金子さんがウエディングドレスとしてデザインした服なので、差し支えないと思います。なお、この場合の新郎の服は、モーニングではバランスが崩れます。テイストを合せるため、冬場は、チロリアンジャケットにボウタイ&チロリアンシューズ、夏場は、麻のマオカラージャケットにスタンドカラーのシャツorTシャツ&素足にスニーカーといったコーディネートはどうでしょうか?
金子さんも、アンアン1982年3月26日号(325号)の「ホワイト・ウエディング」で、普通の服による結婚式を提案しています。服の色は、すべて白かキナリです。

金子功 ホワイト・ウエディング   「普通の服で」
結婚なんて誰でも1回や3回はするのだし、毎日どこかで結婚式が行なわれるし。
ほんとうに珍しくもなんともない千万回の中のたった1回だけ、心うち震える至高のウエディングがある。(だって自分のだもん。)
そこらに売ってる挙式用のドレスも、もちろん打掛なんかも着たくない。
セレモニーなんていうよりももっと重要な、大切な日だ。
いちばん好きな、白い服を着る。いちばんきれいに輝いて見える瞬間に着る、白い服。
アンチックのレースの下着、なんでもない木綿のシャツ、柔らかい白のニット……。
人は”普通の服”と思うかもしれない、現にふだんも着られる服なのだけれど。
大好きな白い服が、ウエディングにはいちばんふさわしいと思う。作りものめいた白々しさやシャンデリアふうの豪華さなどは拒否します。
いちばーんおしゃれで、いちばんフリーで、自分らしーい服、を着た全体のぜんぶまるごと。
が、おむこさんへの贈りものです。
少年のような胸あてパンツにTシャツ。アンチックのレースのボレロが、ウエディングらしい雰囲気を。
アンチックの木綿のブラウス、ペチコート、ナイティを組合せて。コーディネート次第でアンチックのナイティでも、ウエディングドレスに。
麻のニットにアンチックのペチコートを。ニットの華やかな雰囲気がウエディングにぴったり。
ちいさなプリーツの衿が可愛らしいカットワークのブラウスに、アンチックの木綿のナイティを、ジャンパースカートのように合せて。可憐なお嫁さんというイメージ。リボン、花、スカーフなどの赤が効果的。
ペインターパンツに、胸もとにピンタックのシャツ、白いベストを重ねて。男の子みたいなお嫁さん。帽子に花をたくさん付けて、ウエディングらしさを。
ワンピースにブラウス、ベストの重ね着。ワンピースの下には、アンチックの木綿のペチコート、さらにパンツを。こんなコーディネートのウエディングもステキだ。

そして3回目は、装苑1988年4月号です。こちらは50万円近い正統派のウエディングドレスが4着出てきますが、これは素敵です!しかし、最後のコーディネートは、普通の服。エプロンまで使っています!

金子功のファッション絵本 四月「ウエディングドレス」木綿の花嫁さん
小さいころから誰もが夢に描く花嫁衣装。まばゆいばかりに輝くその瞬間(とき)、僕が花嫁に贈るのは、素朴で優しい木綿のウエディングドレス。一生に一度の特別な日、よりすてきに輝いてほしい―――そんな願いをフリルにこめて。
花嫁衣装の中で大好きなものが二つある。
一つはもちろん、素朴な魅力の木綿のウエディングドレス。
そしてもう一つが―――和装の白無垢。
頭からつま先までの白一色の中で、たもとと裾回りの深紅だけがちらっちらっとのぞく。
とにかく、あの白と赤の絶妙のバランスには、ただただ脱帽してしまう。
純白のウエディングドレスに、真っ赤なベルトやリボンなんて、ほんとうは、いけないことなのかもしれない。
でも、心意気はわかってほしい。
この花嫁衣装(ウエディングドレス)は―――僕が作り上げる白無垢なんだ。
写真1 ドレス(白)¥450,000、カプリ―ヌ(赤)、別珍のウエストベルト(赤)、コサージュ(白)すべて参考商品 ピンクハウス
     フリルを何段にも重ねたティアードタイプのドレス。
     真っ赤な別珍のベルトとカプリ―ヌのりボンで可憐に。
小さな身頃から、花が咲き誇るように広がるスカートと、ちょこんとついた丸いちょうちん袖。
昔からあるこんなクラシックなデザインが、ウエディングドレスにはいちばんいい。
そう、小さいころ、ぬり絵やいたずらがきによく登場した、お姫様のようなあのドレス。
その優しいイメージを、そのまま形に表わしたのが、〈ピンクハウス〉の花嫁衣装。
あふれるようなフリルやピンタックは、いつまでも少女の心を忘れない、純真な花嫁さんへ、僕からの、心ばかりの祝福の気持ち。
写真2 女…ドレス(白)¥550,000 ピンクハウス
     男…モーニング、シャツ、ネクタイ すべて参考商品 カールヘルム
     スカートと小さな袖に細かいフリルをいっぱいにあしらってキュートで愛らしいイメージに。
写真3 ドレス(ピンクの花柄)¥500,000、カプリ―ヌ(白)参考商品 ピンクハウス
     映画「風と共に去りぬ」を思い起こさせるような、
     ロマンティックでクラシックなお色直し用のドレス。
     光を通す花柄のオーガンディーで軽やかに、若々しく。
写真4 女…ドレス(白)¥450,000 ピンクハウス
     男…写真2と同じ
     総ピンタックが手作りのぬくもりを伝える素朴なウエディングドレス。
     ウエストにコーサージベルトを巻いて、より愛らしく、少女のように。
シンプルな木綿のギャザースカートに、綿ローンのクラシックなブラウス。
その上にもう一枚ブラウスを重ねたり、ありったけの花を飾ったり……。
普段着のこんな花嫁衣装が、時にはシルクタフタのすごいドレスより、ずっと新鮮でかわいく思えたりする。
こんな愛らしい花嫁さんを迎える新郎が、ジーンズと新品のブレザー姿だったら、最高にすてきなカップルの誕生。
たとえ、両親や親戚一同に大反対されても、自分らしいスタイルを見つけてほしい。
一生に一度しかない、二人のためのお祭りなんだから。
写真5 スカート¥28,000、ブラウス¥35,000、エプロン¥26,000、ストール、バレエシューズ、コーサージ(すべて白) ピンクハウス
     木綿のスカートに綿ローンのブラウスでかわいらしくコオーディネ―トしたウエディングドレス。

ちなみに、金子さんとユリさんが結婚式で着ていた服は、ユリさんは、フードのついた白いウエディングドレス(金子さんが縫ったもの)。金子さんは、黒い背広に白いシャツ、タイ&ディレクターズパンツ(グレー地に縦のストライプ)というオーソドックスなスタイル。ユリさんは、式の間、常に白い花(カーネーション?)を持っていて、金子さんの髪は七三分けです!

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