東京人1996年4月号(No.103)

特集 東京モード・ファイル

「モードの街角」

アイビーで決めたみゆき族がくり出した銀座。極彩色のフーテン・サイケが根城にした新宿。原宿は竹の子族が乱舞し、青山はデザイナーズブランドで着飾ったスノッブたちが闊歩した。そしてボディコンの六本木に渋カジの渋谷……。街の記憶をたどると、そこにはいつもファッションがあった。

六本木 ムッシュかまやつ「洋服のことばかり考えていた。」
銀座 くろすとしゆき「若者たちに占領された夏。」
新宿 四谷シモン「男が着飾る時代だった。」
原宿 ピーコ「DCがあったから、男の子がオシャレになった。」
青山 筒井ともみ「ヨージ、イッセイ、コムデの服たちは良き仲間だった。」
渋谷 浅草キッド「渋カジより浅カジ。」

「もうひとつの’60年代―――三宅一生、川久保玲、山本耀司の軌跡」 文・平川武治

1960年代、それは政治の季節だった。多くの学生は歴史の大きなうねりに身をまかせるように、政治闘争へと参加していった。しかし、そんな時代に洋服に興味を抱き自らの生き方を模索した者たちがいた。


「モード雑誌の革命―――’70年3月3日アンアン創刊」 
文・鹿島茂(1949年横浜市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。共立女子大学文芸学部助教授。)

学生運動後のシラケムード漂う’70年代初頭、みんな新しい考え方、生き方を模索していた。そんな折に創刊されたのが、平凡出版のアンアン。時代の空気を反映するかのような斬新かつ大胆な編集、レイアウトが若者の目をひいた。
・こんな贅沢な雑誌があっていいものか!
・本当にELLEのカバーバージョン?
・これぞファッション雑誌だ!
・基本コンセプトはプレタポルテ。
・不思議な雰囲気の六本木編集室。


「流行事典」 文・成実弘至、宇井洋

六本木 ロカビリー族 六本木族 ボディコン ブラック・カジュアル
銀座 シネマファッション アメリカンスタイル みゆき族 GS・モッズファッション
新宿 ヒッピー・フーテン サイケ族 学生運動 ジーンズ
原宿・青山・渋谷 原宿族 ダウンジャケット フィフティーズ ハーレムスーツ(竹の子族)
クリスタル族 カラス族 キャラクターブランド 紺ブレザー

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