中国の家庭に招待されてごちそうになると、どういうわけか、それを頻繁に目にするので不思議に思っていた。ある時は茹でたピーナッツ、ある時は煎ったピーナッツ、五香粉の味つきスイカの種、カボチャの種、ありとあらゆるナッツ類が冷菜と一緒に一皿添えられるのである。ナッツの種類も豊富で、ピーナッツなどの煎り方、茹で方、味付けなどはそれぞれの家庭の味があるらしい。
スイカの種などは、殻を前歯で割って食べるのが難しくて、随分練習した。前歯の間に、スイカの種の尖ったところを縦に当てて、カリッと一かみ、種の殻を開いて、舌でくっつけるようにして、ひょいと中身を食べる。
ところで、このナッツ好きはどこからきたのだろうか。ある時、本を読んでいたら、中国人の究極の夢は不老長寿だとあった。そのために仏教や道教の修行や仙人になる修行をした人も大勢いた。その修行の一つに、耳慣れない言葉だが「辟穀
pike」というのがあるそうだ。仙人になるには、消化に時間がかかる穀物を食べ過ぎず、良質の栄養を少しだけ取るのがよいとされ、木の実、種の仁などが好まれる。もともと点心やお粥なども、少量で栄養をとり偏食や大食を避け、体に負担をかけないという発想からきているという。時時、おいしい点心をおなかいっぱい食べたいなあと思ったりするが、これでは本末転倒ということになるのかもしれない。 |
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