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昔、長春出身のクラスメートのお宅で春餅chunbingをごちそうになった。春餅は、北京ダックを包む皮と同じで、こねた小麦粉を薄く伸ばし、油をほとんどひかずに焼いたクレープのようなもの。その皮に具をのせて巻いて食べる。「巻
juan」は日本語同様「巻く」動作で、「巻いて食べてね!」は「巻着吃
juanzhechi!」と言う。 この皮は一般に薄餅baobingとか、荷葉餅heyebingと呼ばれているけれど、なぜあの時、クラスメートは春餅と呼んでいたのだろう。最近になって、中に包む具と関係があることを知った。中国の北方では、厳しい冬を越し、春を迎える清明節の頃、もやしを生命力のある新芽と見立てて、それを包んで食べる習慣があるそうだ。もやしの他に、ニラと炒り卵、豚肉の細切り炒め、ハム、さらしネギなど、いろいろな具が手巻き寿司のように用意され、好きなものをのせて、甘みそ:甜麺醤tianmianjiangをつけて巻いて食べる。皮は、油を練りこんでいないのに、表面がパイ生地みたいにホロホロして、小麦のいい香りがする。ごま油で炒めたもやし、ネギそれに甜麺醤をつけて巻いただけでもおいしい。白身魚の甘酢あんかけや、炒めた海老のようなお料理を巻いてもよく、北京ダックはもちろん焼肉を巻いてもよく、タコスのように、トマトソースを巻いてもおいしい。 |
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