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中国の北方では米より小麦「面mian」をよく食べる。お昼になると「面条(メン)」でも食べようか?ということになるがメンを「ゆでる」ことを「煮
zhu」という。「煮」という漢字を見ると「煮込む」みたいだが、これは「ゆでる」に近い。たっぷりの湯で食材に火を通す感じで、ゆで卵・水餃子、それにご飯を炊くことも「煮」を使う。 中国で驚いたことの一つは、ラーメンがないことだった。「拉面 lamian(ラーメン)」がないわけではないが、これは、こねた小麦粉を「拉(引き伸ばす)」する製法のヌードルのことで、中国でよく見かけるメンは、どう見ても「うどん」である。食べ方もスパゲッティのようにトマトと卵炒め、豚バラ肉煮込みなどをかけて、からめて食べることが多い。「湯 tang(スープ)」入りの「湯面」もあるが、中国の北方では、たとえば「担担面」もミートソースのように具が乗っているだけで、スープが全くない。そしてこのようなメンには、細切りの野菜やネギなど歯ざわりや風味をプラスする具材、「菜碼儿 caimar」がよく合う。 旧正月にもう一度年越しそばを食べるなら、メンを「煮」してあつあつの釜揚げうどんを作ってみたい。たっぷりの黒酢・醤油・ゴマ油、そして「菜碼儿」を添えれば、中国風の釜揚げうどんの出来上がり。 |
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〈浅山友貴〉 |