第2回「高校生からの中国語」ワークショップ報告
2004−3−24)

 

参加者:計12

 

劉 温 加藤 車 櫻井 土井:今回参加者

 

 胡 大野 内山 周 水口 高木:メンバー

 

すでに使用を始めている人:5人

これから使用予定の人:  2人

 

議事録

1.自己紹介

 

2.教材紹介及び第1回ワークショップの報告

    紹介:●既存の教材と異なるという新鮮さからか全国的に使用頻度の高い教材となっている。

       ●大学でも使用されている。

    報告:●昨年11月が開催日だったが、その時点における進度の発表

       ピンインと漢字の大きさのバランスに対する感想

       ●ロールカードの使用の有無や使用方法例

       ●教材中の絵に関する感想や使用法

       ●CDをどのように使っているか

 

3.今回参加者の報告

主な発表内容は各校の:一年間における進度(教材のどこまで終了したか)

           授業のやり方及び教材の使い方

           この本の特徴的な部分として評価できるところ

           文法事項はどのように教えているか

 

    @温:週2回(計59時間)

      前期:第1課〜第6課  後期:第7課〜終了

      2年目は「中国語 はじめの一歩」

  基本的に教材の順をおって進めたが、発音部分は会話の課文と同時に進行し、口の体操として発音指導を授業前に行う。

  一年間で一冊すべて終了。一年で終了するために、課数が少ないことがこの教科書を選んだ理由。

        中心に進めた項目

(前期)第1課〜第6課:本文(読み、意味の説明)

                   「言ってみよう」

                       「会話に挑戦」

               「喘査囂奕担傍(第3課以降は宿題:黒板に書く)

                   「低岑祇宅」は軽く紹介 

           ペーパーテスト

       (後期):第7課〜第12課:本文

                   喘査囂奕担傍

              「覚えよう」

               「言ってみよう」(中華街散策などを応用で実践)

       発音を含むペーパーテスト及び調べ学習のレポート

 

 教材は読み中心で進め、体で感覚的に覚えさせたい。

    文法はあまり重視せず、表現・音声から導入したいと思っているので、それには調度よい教材。

    その他、「調べ学習」を通して、生徒自身が興味を持ったことやビデオ等からわかったことなどをグループで発表する時間を設けている。グループ内で役割分担をするなどして、生徒の自主性を高め、交流を深めることを目的としている。評価も生徒自身が行う。

    中国語検定も視野に入れている。

 

A桜井:週ごとに異なる(65分×2/65分×1) :2年間必修(一年で2単位)  

漢字とピンインのバランスが気に入っている。

一年間で第6課まで(自己紹介ができる段階)

  二年目で後半(他者との交流ができる段階)

一学期:発音の定着(母音を重視する)

    リラックスした状態のときにCDの音をよく聞くよう薦める。

   発音練習の際に「覚えよう」の内容や早口言葉、数字などを取り入れる。名前もここで練習。

二学期以降:本文

聞くことを通じて推測し、キーワードを探させ、それを文法及び昨日表現のポイントとして学生に気づかせる。

「言ってみよう」は各自のものとして作成し、「ロールカード」を用い、インタビュー形式でお互いに質問しあうかたちで発表する(質問も返答も複数行うので反復して覚えてよい)

授業ではかならず書き取りを小テストとして行い復習に使う。

巻末の単語一覧は学生が代わりに使用しているようで便利。

「こんなときどう言う」は総まとめとして使用。学生は自分で言えなかった表現をチェックしておく。

 

○これまで自分で集めた資料を切り張りして教材を手作りする状態にあり、本を一冊通しで使うのは初めて。一つの一貫性を持った軸として使用でき、+αをしていくにも便利。

○学生に3年生までの中国語課程が終了後、どうなりたいかの目標を確認し、勉強の動機付け、学習の「芯」を重視している。

○自己紹介ができるという目標達成。

○中国語を通じて文化を学び、中国に触れてもらえるよう心がけている。

○クラスにネイティブがいるのでアシストしてもらえる状況にある。

○テストもできるだけ音声にこだわり、顔を俯かせないようなものにしている。

 

B大野:2〜3年生で選択(2年時のみで止めても可。実際は3年まで続けること多し)

    全体として英語の基礎学力が高い生徒なので、語学センスに優れる。

    中国語を使った仕事に就くことや大学で中国関係を専攻することを希望する生徒が受講する。中国語に対するモチベーションが高い。

    1クラス最大13名。

    2年目は「語学36景」と北京晩報などから簡単な記事をピンインつきで準備。「論語」や「漢詩紀行」(テレビ番組)のビデオなども。

     4〜5月:ピンイン指導。ピンインが読めて発音できることを目指す。漢字に頼らないことを強調。音節表を読めるようにする。

          書き取りを毎回実施。

     本文に入ってから:単語を事前に徹底して読ませ、覚えさせてしまう。

              辞書を早い段階で紹介し、購入を促す。自分で興味を持った言葉や漢字を調べさせるのに便利(図書室にも完備)。

                 「喘査囂奕担傍」はその場で会話練習。

                 各単元終了時に巻末の練習問題をコピーして配布し、授業中に行う。生徒同士で採点。

                 中国人の生徒もいるので、事前に彼らに聞いて予習したり、CDを活用させたりして練習問題を消化する。

○音声を重視しているが、理論立てて教えることも必要と考える。試験も文法事項を含

む内容で実施。

○内蒙古の高校と交流があるので、最後の手紙文の課を利用して手紙を実際に出してみたりする。

○自己紹介ができて、現地高校生と交流ができるようになることが一つの目標。

○コラムやその他自分の経験などを用いて、中国の文化紹介にも力を入れている。

○語法は文型や英語との比較を通じて説明している。

 

C周:週1回

   1クラス25名

   中学生と高校生それぞれを担当

   進度:第1課〜第7課前半/年

    ピンイン重視

○詩や歌を通じて中国語に慣れ親しむ。

○孔子などの名言をクイズにしてみたり、CCTVの内容を紹介して、中国や中国語にさまざまな形で触れてもらう。

○廊下などでも会ったら必ず中国語で話しかける。

○ロールカードの使用を試みた。

○朗読大会を実施。

○作文として自己紹介を書く。暗記して発表。

○毎回授業の終了時に3分間ほどのヒヤリングチェック(単語、文の書き取り)を実施。聞いて日本語で意味を書いたり、漢字に起こしたりする。

○学校として、センター試験を頭に入れているので教科書と同時にどう取り組むかが課題。

 

D内山:週2回授業

    第6課まで/年(2年間で一冊終了の予定)

○1学期中は発音とピンイン重視。2学期以降は本文を耳で聞けるようにしていくことを目標に授業をした。

○ロールカードは使用していないが、訳文を作る代わりとしている。

○本文及び会話は教師が読むことから始まって、クラス全体、個人と何度も声を出して読むことを中心としている。その中で「言ってみよう」などの空欄を自分なりに作成させたりしている。

○課の最後に単語テストを実施。(日翻中と中翻日)

○文法説明はほとんどしない。

○学生の興味を呼び起こす材料として、映画や音楽を時折使用している。

 

 

4.意見交換:

○教科書の構成が変わる前半(1〜6)と後半(7〜12)の具体的な指導の仕方、ほんの使

い方の例示。

○写真教材への発展。中国現地の高校教師などの協力を得られるか(どんな写真が欲しいか)。→中国の高校の授業風景/中国の高校生の様子/中国の高校の卒業アルバム/高校生の持ち物/高校生が撮る中国人高校生の日常/庶民の生活風景 

暗記しやすい文章を教科書内に紹介してはどうか。

○金額を教える課においては、本文の内容は中国の人民元での表現が望ましい。

○第1課〜第6課と第7課〜第12課では教科書内の形式が異なっているが、教学の実践面でそれがどう反映されるのか、詳細が知りたい。

 →回答:前半は自己発信型であるが、まだまだ初歩段階なので内容を覚えていくことに重点がある。後半は対人型で、自分で考え、応用を利かせてみる部分も含まれている。(実際にどこまで消化するかは授業時間との兼ね合いをみる)

○ピンインの書き方がフォントのせいか、続き具合がわかりにくい。

 →回答:辞書の形をベースにピンインの区切りなどは考慮した。   

次回予定:7月中旬以降?(夏季休業前)