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作品展へ  2024 01 30 
師走二十一日





「中藤毅彦 作品展」へ。
そもそもこの写真家へは、烈しい写真への情熱を感じてきた。
狭いライブハウスのハードロックに揺さぶられているような印象を持っている。
物腰のやわらかい彼の血肉に滾る遺伝子を空想しないわけにはいかないからだ。
撮りたい、という裡に滾る相当の熱量が彼の腰を挙げさせてきたのだろう。
それができた写真家。
それができなかった写真家は山ほどいるのだ。

相変わらずコロナを恐れて出かけた今回の作品展では、はからずも、それができなかった写真家たちに思いを馳せることになった。
70年代以降、世界が静かに激変していく中で、撮りたい感情を抑えきれず
現場に身を置いた写真家はまことに写真家の道を行った。
そうすべきと解っていながら怠惰に過ごしてしまった人たちは少なくないだろう。
都市にも山へも海にも人へも社会現象にも身を中てず、もっとも多感な時期を怠惰に過ごしてしまった人たち。
小生もその中の一人、怠けて過ごした日々からのしっぺい返しはことのほか痛い。
帰りの地下鉄の窓に、もう何年も会うことのない写真家たちの顔を浮かべることになった。



『中藤毅彦 作品展』
明日2月1日まで
Sony Imaging Gallery
11:00~19:00









Sence 2000