子どもとおとなの実になるミニサマースクール


〜人生の先輩 伊藤美代子さんに聞く、伝えたい、残したい、ほんのひとむかし前のお話〜

戦争とわたしの10代

話し手 伊藤美代子さん(山口県子どもの人権専門委員
と き    2001年8月10日(金) 10:00〜12:00
ところ    山口ユースホステル
          (山口市宮野上801 TEL928−0057)
参加対象    小学校高学年以上とおとな

〈参加リポート〉
弱冠17才、学徒動員で過ごした富山からの帰省。ところが前日、広島にあの原爆が投下され、乗った汽車は広島の二つ手前の駅で行き止まり。かくして混乱の広島の町を歩いて過ぎ、次の駅で汽車を乗り換え、泣くような思いで山口市仁保の実家にたどり着いた話。「天皇」という一言で緊張が走ったころの社会の空気。友人が命をおとした光(ひかり)の軍事工場のこと。戦後、うすくスライスした一切れ一切れをていねいに味わって食べたバナナのこと...などなど、ひとつひとつが戦争を知らない私たちにはなんともいえない当時の10代の少女の日常でした。けれども伊藤さんはそんなきびしい事実に、決して重たく落ち込むことなく、きちんとした批判の視点を持ちながらもやさしく語って聞かせてくださいました。
当日は小学生をはじめ、中高生、若者、母親など38名が熱心に、伊藤さんのことばに耳を傾けました。お話のすべてを理解することは難しいと思えた小学生にも、きっと胸に残ることがあったでしょう。
すでにわたしたち親世代は、子ども達に平和の尊さを伝えるための実感を伴ったことばを持ちえません。ご自身の戦争体験を踏まえて平和への思いを熱く語ってくださる、伊藤さんのような方のお話を、まだまだ多くの子ども達に伝えていかなければ、と思いを新たにしました。
以下は、案内パンフレットから

参加費     無料
※ 希望者はお昼どき、ユースホステルのランチをごいっしょに。(実費500円)
※ 昼食後は自由におしゃべりや、野外での虫取り、川遊びなどもどうぞ。

小中学生の親の世代が、戦争体験を身内からじかに聞くことがどんどんむずかしくなってきました。
そして、子ども達は戦争をよその国の出来事としてテレビのニュースで聞くことはあっても、ほんの5、60年前、この国で戦争があったことなど、なかなか想像がつかないでしょう。
この平和がどんなにすばらしいものかは、それを実感をもって伝えてくれる人がいなければ、子ども達にとって平和はあたりまえで、“平和を守る”という視点などすっかりなくなってしまうでしょう。
伊藤美代子さんは10代の頃に戦争を体験され、今の若者とは全くちがった青春時代を過ごされました。戦後の平和や人権がたくさんの人の犠牲の上に成り立っていることを、実感を込めてやさしく、力強く語ってくださる、身近で頼もしい先輩です。今回はスライドも含めて、子ども達にやさしい語り口で伝えてくださいます。

メモ: 【講師紹介】    
 伊藤美代子さんは山口市二島中学校の校長を最後に教職を終えられ、以後山口県ふれあいテレフォン相談員、山口市教育委員、山口県子どもの人権擁護委員などを歴任。現在、山口県子どもの人権専門委員会委員長。温かく、おちゃめな人柄ながら、子どもたちの人権を擁護する姿勢はたいへんラディカルで鋭い。
 今、県内の小学5年〜中学3年の子どもたちに向けて配布している「SOSミニレター」。“気軽におたよりくださいね。”と美代子さんからメッセージをもらっています。


★当日は戦争を描いた絵本を少し展示します。

主催:NPO法人 こどもステーション山口      連絡先:事務局
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