私が大学院受験に使用した参考書一覧



私が大学院受験に使用した参考書(問題集)の一覧です。幾何学専攻という
ことで幾何学の参考書が多めですがご了承下さい。

・理系のための線形代数の基礎(永田雅宜他著 紀伊國屋書店)
理学部の学生向けに書かれた線形代数の参考書ということで、計算よりも理
論にやや重点を置いた仕上がりになっています。抽象的論もいくつかありま
すが、理学部生はこれくらいの内容をこなせないといけないでしょう。

・詳説演習 線形代数学(笠原皓司他著 培風館)
線形代数学の問題集なのですが、肝心の「行列の標準化」に関する内容にほ
とんど触れていないなど、理学部生にはあまりお薦めできません。逆に、「
行列と行列式」、「曲面と二次形式」などの内容はしっかりと書かれていま
す。行列式の簡単な計算の方法などは参考になるはずです。

・微分積分学(笠原皓司著 サイエンス社)
内容も充実しており、これ一冊あれば微分積分学は完璧と言えるくらいの良
書なのですが、少し解説が細かすぎて結局何が重要だったのか、ということ
を見失いがちになるかもしれません。時間をかけてゆっくりと読み進めてい
くとかなりの力がつくはずです。

・詳説演習 微分積分学(笠原皓司他著 培風館)
重要な定理が各章の最初にまとめられており、問題、解説共に豊富な問題集
です。自分で微分積分学の演習をやりたいときにはちょうどぴったりの本で
しょう。この本に載っているレベルの問題は大学院入試でも頻出なので、ぜ
ひ購入しておくことをお薦めします。

・双曲幾何学への招待(谷口雅彦、奥村善英著 培風館)
内容は高度なので通読する必要はないでしょうが、複素数の基礎やリーマン
球面など、数学(特に幾何学)をやる上では必要不可欠な内容も含まれてい
ます。将来解析幾何をやろうという人にはこの程度の本は学部のうちにやっ
ておいた方がいいでしょう。

・集合と位相(内田伏一著 裳華房)
集合と位相に関する入門書ですが、やや位相の方に重点が置かれています。
大学院入試では特に写像や位相の性質を絡めた問題が出題されるケースが非
常に多いので、将来自分がやろうとしている分野に関わらず、この程度の本
は一読しておくと後で役に立つはずです。また、数学で使用される記号につ
いても、この本を読むといろいろ分かると思いますので、できるだけ早めに
消化しておくと便利です。

・ベクトル解析30講(志賀浩二著 朝倉書店)
有名な30講シリーズの一冊です。ベクトル解析を主に代数的見地から取り
扱っています。各章ごと簡潔にまとめられていて、しかも後半では多様体や
接空間など幾何学的な内容にも踏み込んでいます。ただ、練習問題が無いの
で、ベクトル解析という分野の性質上、問題演習を他の本で補う必要はある
と思います。

・代数学入門(永田雅宜、吉田憲一著 培風館)
表現を含まない群論、環論、体とガロア理論などについて概説された参考書
です。これ一冊だけでは内容的にも軽いので、いろいろと他の本で補う必要
はあると思います。ただ、代数系というものの皮膚感覚を確かめる、そして
一般的に数学をどう学んでいけばいいのかということを知るための参考書と
しては良書です。

・多様体の基礎(松本幸夫著 東大出版会)
高次元の曲面である多様体について概説された参考書です。説明が豊富で詳
しいので、幾何学をやろうと志す人はこの本を何度も読んで、その内容を頭
にたたき込む必要があると思います。これさえ完璧にしておけば、とりあえ
ず学部の間は十分と言えるでしょう。集合、位相に関する知識が無くても、
最初の何章かで説明されているので、予備知識としては線形代数、微積だけ
で読み進めていけます。

・数学解析 下(溝畑茂著 朝倉書店)
多変数微分法、曲面積分、初等複素関数論について取り扱っています。平易
な解説で全編まとめられているので、初学者にはもってこいの良書です。大
学院入試で要求される程度の複素関数論の知識ならこの本で十分でしょう。
(もちろん、本格的に数学をやっていく上ではこれだけでは不十分ですが)

・複素解析(L・V・アールフォルス著 笠原乾吉訳 現代数学社)
複素解析に関する古典的入門書です。大学院入試という観点から考えると、
留数解析までやっておけば十分です。もちろん、それより詳しく勉強してみ
たいという人にもこの参考書はお薦めです。複素の線形微分方程式までまと
めてあるのはこの本くらいで、他にはあまり見られないと思います。

・統計学入門(東大教養学部統計学教室編 東大出版会)
高度な確率論などを含まない基礎統計学の参考書です。よってルベーグ積分
等には一切触れていません。大学院入試では確率・統計は課されない所も多
いですが、アクチュアリーや情報処理などの資格にも基礎統計学の知識は必
要ですし、この程度の内容をマスターしておくと何かと幅広く役立つことに
は違いありません。

・曲線と曲面の微分幾何(小林昭七著 裳華房)
微分幾何学の入門書としては是非とも私がお薦めする一冊です。線形代数、
微積の基礎さえ分かっていれば簡単に読み通すことが出来ます。多様体など
の抽象的内容にも触れていないので、難しいことを一切気にせずに読むこと
が出来るはずです。自習書としても最適です。

・曲面の幾何(砂田利一著 岩波書店)
曲面論を扱った初等微分幾何の参考書です。先に挙げた「曲線と曲面の微分
幾何」とは少し違った側面から同じ内容を扱っているので、2冊とも読むと
少し変な感じを覚えるかもしれません。しかし、取り扱っている内容に関し
てはこちらの方が豊富で、リーマン多様体など、モース理論の初歩にまで及
んでいます。

・位相幾何学(加藤十吉著 裳華房)
ホモロジー論、基本群論などについて取り扱っている一冊です。学部生の間
にはとりあえずホモロジー論までやっておけば十分でしょう。ド・ラーム・
コホモロジーに関する講義はあってもホモロジー論に関する講義は無いとい
う大学が多いので、自習書としても利用できる参考書です。閉曲面の分類定
理など、あまり他の本には見られない興味深い内容にも触れられています。

・関数解析入門〜バナッハ空間とヒルベルト空間〜(荷見守助著 内田老鶴圃)
タイトルにもあるとおり関数解析の入門書なのですが、主にバナッハ空間と
ヒルベルト空間に関する説明にページが割かれています。関数解析を本格的
にやろうとする人にとってはこれ一冊だけでは不十分でしょうが、学部で勉
強する内容程度ならこれ一冊だけで十分でしょう。ルベーグ積分について全
く知識がない人でも、本書では最低限必要な内容しか用いられておらず、し
かも巻末に補足として必要事項はまとめられているので安心です。

・偏微分方程式論(溝畑茂著 岩波書店)
主に楕円型、双曲型の微分方程式について取り扱っている参考書です。最初
の二章にはFourier変換、超函数についての説明もあり、この一冊で
幅広く用いることが出来ます。内容は結構高度なので、学部の間にこれ一冊
全て消化する必要はないかもしれません。(興味のある人は別として)

・微分形式の幾何学2(森田茂之著 岩波書店)
ゲージ理論、特性類などについて取り扱っている微分幾何の入門書です。比
較的難しい内容にまで足を踏み入れているので、これを完璧にマスターする
のは困難でしょうが、ベクトルバンドルくらいまでは理解しておくと後々幾
何をやろうとする場合には役に立つはずです。

・多様体入門(松島与三著 裳華房)
これ一冊こなすことが出来れば多様体に関しては研究者レベルに近いと言え
るでしょう。リー群、リー環にまで話を進めており、解説がやや細かすぎる
点を除けば完璧と言える参考書です。ただ、内容はかなり高度なので、最初
のうちは辞書のように適時参照する程度で十分かと思います。

・微分形式と代数トポロジー(R・ボット、L・W・トゥー著 三村護訳 シュプリンガーフェアラーク東京)
ホモロジー論、ド・ラーム・コホモロジー論への入門書です。いろいろな知
識を前提の上で話が進められていくので予備知識はかなり必要ですが、じっ
くりと読み進めていけばかなりの実力がつくはずです。原文の英文のままの
本も出版されているので、英語に自信のある人はそちらの方を読むのをお薦
めします。

・接続の微分幾何とゲージ理論(小林昭七著 裳華房)
現代の数学では非常に重要な接続に重点を置いた微分幾何の参考書です。多
様体の基礎的なことは予備知識として必要なので決して易しいとは言えませ
んが、接続、リーマン多様体、特性類と重要な内容は全てまとめてあると言
っても過言ではないと思います。

・可換体論(永田雅宜著 裳華房)
可換体論の本はたくさんありますが、中でもベストセラーの一冊です。他の
参考書と大きく異なるは、超越拡大、無限次代数拡大にまで話を進めており
しっかりと勉強したい人にとってはこれほどの良書は他に無いと思います。
代数幾何への入門書としても十分活用できます。

・ルベーグ積分入門(伊藤清三著 裳華房)
前半では一般のルベーグ積分に関して、後半ではそれを踏まえて関数解析、
Fourier解析の内容を取り扱っています。この本は練習問題も含めて
しっかりとやっておくべきでしょう。ただ、ルベーグ積分という分野の性質
上、集合論に関してはある程度の予備知識がないとマズイと思います。

・モース理論(J・ミルナー著 志賀浩二訳 吉岡書店)
モース理論ならこの本、というくらい有名な参考書です。リーマン幾何をひ
と通りやりたい人にもこの本はお薦めです。内容は高度で、名大大学院では
幾何学専攻の人たちがこの本を基にセミナーを行うという話も聞きました。
最初のうちは必要な部分を参照する程度で十分だと思います。

・双曲幾何(深谷賢治著 岩波書店)
標準的な双曲幾何の入門書です。ただ、著者が幾何学者なので他の双曲幾何
に関する参考書と比べると少し異質かもしれません。大学院入試という観点
から考えると、この本で取り扱っている内容まで足を踏み入れる必要はない
かもしれませんが、複素関数論、解析幾何をやろうとする人はこれくらいの
内容を学部の間にやっておくと後で楽になると思います。

・シンプレクティック幾何学(深谷賢治著 岩波書店)
シンプレクティック幾何学とその周辺について取り扱っている幾何の参考書
です。正直言って、大学院入試とは全く無縁の内容を扱っていますが、幾何
学を専攻しようとする人はシンプレクティック幾何の初歩の部分は面接で問
われる可能性は十分にありますので、一読しておくことをお薦めします。

・数学英和小事典(岡部恒二著 講談社サイエンティフィック)
参考書ではないのですが、数学で用いられる英語を簡潔に紹介した英和事典
です。セミナーで洋書を読み進める際などにはこの程度の英和事典は持って
おいた方がいいでしょう。コンパクトで持ち運びもしやすく、後になってい
ろいろ役に立つ時が来るかもしれません。

・演習大学院入試問題集[数学]T・U(姫野俊一、陳啓浩著 サイエンス社)
大学一・二年生(教養)の間に学習する数学の内容に関する大学院入試問題
集です。過去に出題された問題の中から重要な問題をうまくまとめてある問
題集です。丁寧な解答もつけられているので、答案の書き方がよく分からな
いという人にもお薦めです。分量が結構多いので、できれば二・三年の間か
ら始めておくと大学院入試対策はかなり早く仕上がるはずです。


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