ＴＯＫＵ約寄稿


このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿（コラム）です。


第１１回：ランキング好き日本人


競争社会の中で順位づけが行われるのは当然のことですけど、今回はそのラ
ンキングに関していろいろ思うことを書いてみたいと思います。
まず最初に、日常生活の中では至る所でランキングを目にすると思うんです
よ。今日の運勢ランキングとかオリコンチャートとか。学校の成績なんかも
そうですけど。星座占いランキングとかやっぱり気になってしまいますしね。
自分の星座が悪いのを見ていい気分になることはないですから。
確かに必要なランキングもあると思うんですよ。例えば僕も大学受験の時は
偏差値ランキングとか参考にしましたし。やっぱり目安とか目標にするので
あればランキングはあった方がいいんとちゃいますかねえ。
そういう意味では「好きな芸能人ランキング」とか「ＣＤヒットチャート」
とかみたいなやつは必要でしょうね。芸能人もミュージシャンも一般の人に
受け入れられたい、気に入られたいって思って仕事しているんでしょうから。
こういうランクづけをすることでそういった人たちには発奮材料になるケー
スもあると思います。
ただ、ランキングが行き過ぎるあまりそれを変な方向に利用するケースが多
いと思うんですよ。例えばテレビなんかで頻繁にやってる「オリコンチャー
ト〇〇位以内に入らないと解散」みたいなやつなんかはその典型やと思いま
す。
だって結果と目的が完全に逆転しているじゃないですか。ＣＤが売れて欲し
い、って思って音楽活動をしてその結果としてチャートがあるだけであって、
先に「〇〇位以内」とかそんな結果に条件を付けるのはちょっとおかしいん
とちゃうか、って思います。
まあテレビ番組としてはそういう企画を打ち出した方が視聴者の共感を買う
からってことでやってるんでしょうけど、僕自身それを見てて面白いと感じ
たことは全くありませんねえ。
例えばスポーツ選手が「今大会の目標は〇〇位以内」とかそういうのはあっ
てもいいと思うんですよ。ただそれとは話が全く違いますから。
前にＴＨＥ ＡＬＦＥＥの坂崎さんが「音楽に勝ち負けはないから、人気や売
り上げやチャートだけでは判断できない。」って本に書いていたんですけど、
まさにその通りやと思います。チャートやそういった材料は参考にするもの
であって、それで勝ったとか負けたとかはあっても全てが決まるわけではな
いし、解散とか脱退とかそんなことを賭けるためのもんでもないと思います。
ですから、僕もこのホームページで「ＭＵＳＩＣ ＥＸＰＯ ２０００」って
いうコーナーをやってますけど、これを利用して勝ったとか負けたとか言う
つもりは全くありませんし、ただ単にこういうのもあってええんとちゃうか
っていうだけの気持ちでやっています。
ちょっと話がそれてしまいましたけど、もう一つランキングについて思うこ
とがあります。それは、とにかくいろいろなランキングが多すぎて「こんな
んランクづけしたらあかんやろ。」っていうものまでランクづけする傾向に
あるんとちゃうか、っていうことです。
テレビ番組や雑誌なんかでランキングだけを取り扱ったものもいくつかあり
ますけど、見ててうんざりするようなやつが多いんですよ。例えば「嫌いな
芸能人ランキング」とかね。何のために決めてるのか分からへんもん。
まあ一般の人たちは見てて面白いと感じるからそういう企画をやっているの
かもしれないですけど、選ばれる側としたらたまったもんやないと思います
よ。お笑い芸人の人たちは「嫌いな芸能人」として選ばれることでそのこと
をネタにしたりとかもできるかもしれないですけど、それ以外の人たちはい
い迷惑とちゃいますかねえ。
こういうのって形を変えているだけで「いじめ」といっしょやないかって思
いません？。自分がそんなふうにランクづけされたら誰だって嫌なはずです
よ。それ分かってやってんのかなあって見るたびに思いますけどね。
あと、「抱かれたい芸能人ランキング」とかも何のために決めてるのかさっ
ぱり分かりませんし。これはさっきの理由とは違って、単にランキングを作
りたいから決めているだけにしか思えませんけどね。好きな芸能人とか好き
なミュージシャンとかは分かりますけど、抱かれたい芸能人って何？ってこ
となんですよ。「一般の人に抱かれたいと思われるような芸能人になりたい」
って思っている芸能人の方っているわけないと思いますよ。
こんなん挙げていたらキリないですけど、「ヘアヌード写真集を出しそうな
女性タレントランキング」とかもうメチャクチャですやん。それを決めてど
うすんの？って言いたいですよ。本人が出したいと思ったら出すだけのこと
で、周囲がどうこう言う問題ではないやろって思います。
これ以外にも誰にでもできるやろっていうランキングもありますしね。「ベ
ストジーニスト賞」が欲しかったら３６５日ジーパンをはいていればいいし、
「ベストジュエリー賞」が欲しかったら３６５日いろんな宝石を身につけて
いればいいだけのことやないかって。何もそんなことまで決めて芸能人から
選ばんでも、って思いますよ。
まあいろいろ例を出しましたけど、とにかく日本人ってランキングが好きや
と思います。おそらくランクづけをすることで物事を明確にしたいっていう
気持ちからやと思いますけどね。そら確かにランキングがあったらはっきり
と一目見て分かりますし。でもこうしてランキングすることで競争心を生み、
互いに切磋琢磨して能力を引き上げていくというのであればそれはそれでい
いと思います。
ただランキングはあくまでランキングであって、それ以上でも以下でもない
っていうことには気をつけなあかんでしょうね。学校で成績の順位を発表す
るのは勝手ですけど、それが人間の価値を決めているわけではないですし。
単に成績で勝った負けたはあっても、それ以外の事柄での勝ち負けは関係な
いですから。ランキングのみに左右されるようになってはあかんでしょうね。



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