TOKU約寄稿


このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿(コラム)です。


第14回:自由になったときに


「自由」って聞くとたいていの人は悪い印象を抱くことはないと思いますけ
ど、今回はこの「自由」についていろいろ感じること、思うことを書いてみ
たいと思います。
僕は大学生ですけど、大学生って確かにいい意味でも悪い意味でも自由やと
思います。法に触れることや他人に迷惑をかけることは別として何をやって
も許されるし、社会人でない以上社会的責任を負う立場にもないし、大学生
って本当にうらやましいって思ってる方もいると思いますが、確かにそれが
完全にハズレとは言い切れません。
でも、自由がものすごく苦痛に感じることがあったんですよ。僕が大学に入
ってまず最初にとまどったのが講義を選択することやったんですよ。自由に
講義を選べるってことは一見楽なようなんですけど、何を選んでもいいって
言われると結構困りました。これやったらまだ高校時代のように時間割が組
まれていて、先生からすべきことを指示される方がよっぽど楽やって思いま
したから。けど、慣れてくると自由に何でもできるっていうことが楽しくな
ってきたんですよ。元々自分で決めて物事を進めていくっていうことは嫌い
ではなかったし、既存の物事をどうこうするよりも無から新しいことを造り
出す方が好きでしたから。
今の大学のシステムはこの「自由」っていう点では結構問題あると思います。
管理主義的な小・中・高を抜け出して突然自由になってしまうもんやからた
いていの人はとまどってしまうと思います。ここでうまく「自由」とつきあ
えるといいんですけど、うまくつきあえないとけっこう危険なんですよ。
先日ある調査を雑誌で見て知ったんですけど、10代から30代までの男性
の死因のトップが「自殺」やったんですよ。これはかなりヤバイ状態やなっ
て思いましたね。もちろんこの世代の人たちが自殺する原因はいろいろある
と思いますけど、大学生に限っていえば「自由」が結構引き金になっている
ような気がします。
自由になったときに自分のやることを見つけられない人って結構いると思う
んですよ。それで悩んで自殺する人もいると思いますけど、自分のやること
をそんなに早く見つける必要はあるのかなあ、って気がします。高々20年
くらい生きたくらいで自分が何に向いているかなんて分かる人は少ないんで
すよ。とりあえず何でもいいからやってみて、そこからいろいろ分かること
もあると思いますしね。自分で「これだ」って決めてからはそこから逃げる
のは良くないですけど、決める前の段階ではいろいろ悩んでいいと思うんで
すよ。臆病だって言われるかもしれないですけど、時には臆病になる必要も
あると思います。臆病になった方がいろいろ選択肢を得られるんですよ。「
これでええのかな。でもこっちもあるしな。」みたいな感じで。
少し話がそれましたけど、さっきも書いたようにまず何でもいいからやって
みるのが大事なんですよ。無職の若者が最近は結構増えてきてますけど、も
ちろん不景気やとかいろいろ理由はあると思います。けれどもバイトも何も
しないっていうのはやはり問題ありでしょうね。僕やったら絶対我慢できな
いと思いますよ。何でもいいからバイトをして、そこから得られる経験や情
報は自分のやりたいことを見つけるのに少なくとも損になることはないです
から。
自由になったときにこうやってとまどう人が多いのはやはりそれまでの過程
が問題あるんとちゃうかなあって思います。前にも書いたように小学校から
高校までの管理主義的教育はもちろん、家庭でも過保護になりすぎてるケー
スが結構あるんとちゃいますかねえ。
先日、うちの大学の二次試験の日にたまたま講義があったんですよ。で、そ
の講義の後に生協の食堂に行ってみたら受験生の親がけっこう待機している
んですよ。中には夫婦で来ている人とかもいて、何かもう笑えてきましたけ
どね。何や、おまえらはそこまで自分の子供を管理せな気が済まんのか、っ
て。確かに我が子のことですから気にはなるとは思いますけど、受験は当人
の闘いですから。
話は主題から少しそれますけど、親が子供の職業を決めるっていうのも変な
ことやと思うんですよ。例えば歌舞伎なんかは代々自分の子供に継がせてい
きますけど、そんなもんなんかなあって思ってしまいます。確かに伝統的に
そうやっていたからそうするしかないのかもしれないですけど、生まれてき
た子供全員が歌舞伎俳優に向いているはずはないやろって思うんですよ。逆
にそうすることで、才能のあるなしに関わらず一般の人でも練習さえすれば
歌舞伎俳優と同じようなことができるんだ、っていうことを証明しているよ
うにも感じますけどねえ。
とにかく、あまりにも管理しすぎるのはどうかと思いますけどね。まあ親が
歌舞伎俳優でそれを継ぐのであれば楽は楽ですよ。やるべきことがそこにあ
るわけやから。でも自由はそこにはないわけですよ。その点、一般の家庭の
場合特にこれを将来やらなければいけない、っていうのはたいていの場合な
いはずですから、自由であることには違いありません。当然小さい頃は突然
「自由にしろ」って言われても困りますから、ある程度親が管理することは
必要ですけど、その管理をいつまでも引きずったらダメやと思うんですよ。
そうして育った子供が突然「自由」を得たらそれはものすごい恐怖となって
襲いかかってくるはずですから。そうならないためにも、管理を徐々に緩く
していってある程度自主性を植え付けていくっていう作業が必要なんとちゃ
いますかねえ。管理がきついと逆にその状態に甘えてしまうでしょうし。
最後に一応誤解があるといけないので言っておきますけど、「自由」は決し
て悪ではないですから。むしろそれに慣れてしまえば何もかも管理されるよ
りはよっぽどましやと思いますし。ただし、「自由」は諸刃の剣であること
には間違いないということには気をつけなアカンでしょうね。


PowerSoft
ゲームソフト通信販売!!店頭まで足を運ばなくても新作
ソフトが発売日にお手元に届きます!!
INS Net64
話題のISDNでインターネット高速接続!!これで電話中でも
インターネットが楽しめます!!
DVDディーラー
DVDがすぐあなたのお手元に届く!!到着日指定可能!!

ホームに戻る