TOKU約寄稿


このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿(コラム)です。


第22回:フロンティアとして


もうすぐ我が人生も四半世紀を迎えてしまうわけですが、今回は現在の自分
と周囲とを比較していろいろ感じたことを書いていこうと思います。
僕が小さかったころは、たぶん24,5才くらいで結婚するんかなあって思
ってたんですけど、今になって考えると絶対あり得ないですね。まあ父親が
26才、母親が22才のときに結婚したから、自分もそれくらいの年齢で、
って漠然と思ってたんですけど。世間でも平均初婚年齢って高くなってきて
るから、焦りとかそんなんは全く無いですけど、自分の周囲で大学卒業して
結婚していく人たちを見ると「ああ、もうそんな年齢なんやな」ってちょっ
と感じてしまいます。
この前も友人の大学の同じゼミ生二人が結婚したっていう話を聞いたんです
けど、そういうのもあるんやなあっていう思いが強いですね。僕の場合はと
いうと、「大学生活日記」にも書いているようにゼミで教官にしごかれまく
ったし、とても和気あいあいとした雰囲気ではなかったですからね。これは
ある種、数学科の特質というか宿命なんでしょうけど。
数学の勉強は基本的に大勢でやるものやないから、どうしても「個」の勝負
になってしまうんですよ。普通、大学の研究室ってみんなで一つの研究成果
を出すために一致団結する、っていうイメージが強いですけど、数学科の場
合はとてもこんなことはないから。
まあ、もしもう一度大学生活やり直せるなら一度こういった「普通の」ゼミ
を体験してみたいっていう気持ちはありますね。でも決して自分の経験して
きたことに後悔はありません。ここが大学・大学院で地獄を乗り越えて変わ
ったことですね。今までの自分やったらどうしてもマイナスに考えてしまう
ことが多かったんですけど、ものすごいポジティブ思考に変われましたから。
今、大学院でのゼミは教官と一対一でやっているから、当然ゼミの友人はい
ないんですよ。でも何ら苦にはなっていないですね。周囲を気にせず自分の
都合で研究を進めていけるっていうメリットがありますから。
やっぱりどんな物事にもメリット・デメリット両方あるんですよね。昔はデ
メリットの部分ばかり考えていたんですけど、今はメリットの部分を見て、
気持ちを腐らせないようにしています。これってものすごい些細なことかも
しれへんけど、学生生活を通してこの部分で変われたことは大きな成長やな
あ、って思います。
でもやっぱり数学科は世間的に見ても「異種」やから、ある程度は周囲との
協調ってことも考えなあかんようには思いますけどね。数学家は人付き合い
が少ないぶん、社会に出てからカルチャーショックを受けるって先輩から話
を聞いたことがありますけど、まあこれも宿命ですよね。そのぶん、インタ
ーネットで自分のホームページを開設して他の方々と交流をしていることは
少なからず生きてくると思います。
そういえば、ホームページを開設したのも僕の周囲ではおそらく僕が最初の
方ですね。M.A.Okuda師匠のホームページを参考にし、いろいろ教
えてもらって開設したわけですけど、不思議と僕が開設してから友人たちが
次々にホームページを作り出したんですよ。たまたまなのかもしれへんけど。
人がパソコン使うのを散々バカにしていたくせに、今では手のひら返して夢
中になってホームページ作ってる奴とかいますから。
しかし、これも振り返ってみると、こうしてホームページを開設した元の原
因は理学部に入学したからってことになるんですよ。パソコンを使わざるを
えないところやから。違う学部に入学していたらこうなってなかったかもし
れないですね。
パソコンもそうですけど、理学部って基本的に基礎研究を行うところやから、
やっぱり勉強が必要なんですよね。他の学部と違って、分かりきっているこ
とをこねくり回して理論を築き上げるところやから、一定の成果が出るまで
他学部と比べると時間がかかりますし。だから僕なんかもよく「お前は勉強
し過ぎや」とか「医学部生より勉強している」とかって言われますけど、こ
れはしゃーないんですよ。そういうシステムの中に飛び込んでしまったわけ
やから。でも、学生時代にこれだけ勉強に没頭してしまう人間は確かに「異
種」なんかもしれへんけど、そこから得られたこともありますしね。
こうして考えてみると、やっぱり周囲の人間と比べて異質な体験をしている
し、未知の分野に手を出していることが多いですね。元々、ありきたりのこ
とをするのが嫌いなタイプやから、けっこう自分の性にはこれが合っている
んですけど。
たぶんこれからも周囲の人間が知らないことをまず自分が体験して、それを
周囲に伝えていかなあかんのかなあ、って思います。これはこれで力が結構
必要なことですけどね。未完成のレールを造るのと、出来あがったレールの
上を走るのとでは「労力」が全然違うから。ひょっとしたら「フロンティア」
として生きていく星の下に生まれてきたのかなあ、って。そんな気もします。



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