TOKU約寄稿
このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿(コラム)です。
第3回:小学生をバカにするな?!
東洋経済新報社から出版された「分数ができない大学生」はかなり話題にな
りましたけど、今の日本の教育システムではそういう大学生がいてもおかし
くはないんですよ。だって小学校から高校まで落第しない程度に算数、数学
のテストで点数さえ取れていれば、他の科目の成績次第では一流大学に入学
することだってできるわけですから。
たしかに、日本のような詰め込み型の教育では学ぶ側としては苦手なものは
できるだけ切り捨てていく、という形にならざるを得ない部分もありますけ
どね。ただ、それが早いうちから切り捨てていくことを助長していることに
は問題がありますけど。
例えば、小・中学校の義務教育では社会に出てから困らないように最低限度
の常識を身につけるのが目的なわけですよ。だから最低でも中学校までは勉
強の切り捨てがあってはならないはずなんですけどね。まあ高校に入ってか
らは文理の選択もありますし、自分の能力に応じて苦手科目は勉強のウエイ
トを低くすることもあっていいと思いますけど。
で、話を戻しますけど、今後ますますこの切り捨て傾向は助長されていくと
思いますねえ。この前、小学校の新教育課程の案を見たことがあったんです
けど、トータルで3割ぐらいの内容が削除されたり、又は中学校以降にまわ
されるっていうふうになってたんですよ。例えば算数について言えば、(小
数点第二位まで存在する数)×(整数)、(3桁の数)×(2桁の数)、(
分数)÷(分数)などというかけ算、わり算が小学校の教育内容から排除さ
れているんですね。もっと具体的に言うと、3.14×6なんていう計算は
小学校ではやらないってことなんです。きっとこのコラムをご覧の方は小学
校時代に「円周率は3.14」って習ったと思うんですけど、それまでも消
えてしまう可能性が高いってことなんですよ。「円周率は3.1」って今後
はなってしまうかもしれないですねえ。
確かに日本の教育水準が他国に比べて高いといっても、ここまで内容を削除
するのは問題だと思いますけどね。結局、小学校で習う内容が中学校にまわ
され、それで押し出された内容が高校にまわされ、高校では選択科目やら何
やらで履修しない人もいる、つまり切り捨てられていくってことになるわけ
ですから。
どうも日本の文部省のドロップアウトする児童・生徒が増えてきたから履修
内容を軽減する、ってやり方は僕は気にくわないんですけどね。まあ、学級
崩壊やら何やらいろいろな原因を重ね合わせてお偉いさん方々が結論を出し
ているんでしょうけど。
こんなふうに書いていると小学生の水準が下がってきているように思えるか
もしれないですけど、本当に水準が下がってきているのは教師の方ですよ。
最近の教師の不祥事などをニュースでご覧になってお気づきの方も多いと思
いますけど。いや、すべての教師が悪いってわけではないんですよ。一部の
教師がいろいろと事件を起こしているせいで、教師全体に悪いイメージが植
え付けられてしまってるんですけど。
とにかく、児童・生徒が理解できないから履修内容を減らすってよりも、理
解できないなら理解できるように教師が教えてあげる、って必要があると思
うんですよ。小学校の内容なら教師がちゃんと教えてあげることができれば、
児童もきっと理解してくれると思うんですけどね。
テストなんかやって、ちゃんと理解できていない児童・生徒はある程度分か
るはずだと思いますけどね。で、そういった児童・生徒に理解できるまで教
えてあげる。必要があれば、放課後にそういった児童・生徒を残して勉強に
つきあってあげてもいいと思うんですよ。義務教育なのに特定の児童・生徒
だけ残して勉強を教えるなんてあってはいけない、って考えている方もいる
でしょうけど、教える側の熱意はそれである程度伝わるんじゃないでしょう
かねえ。
それに、カットされた内容を見てもどうも腑に落ちない部分もあります。ま
たさっきの算数の例ですけど、(3桁の数)×(2桁の数)は教えない、で
も(2桁の数)×(2桁の数)は教えるわけですよ。つまり桁が一つ増えて
も筆算で同様の計算を行えばいい、ってことをきちんと教えることができれ
ば(3桁の数)×(2桁の数)の計算もきっと児童は理解してくれるんじゃ
ないでしょうかねえ。(小数点第二位まで存在する数)×(整数)も同じで
すよ。(小数点第一位まで存在する数)×(整数)は履修するわけですから。
どうも文部省が過剰に反応しすぎているんじゃないでしょうかねえ。「この
範囲もひょっとしたら理解できない児童が多いかもしれないから削除してし
まえ。」って。小学生をバカにしすぎているんじゃないでしょうかねえ。後
でPTAやら教育委員会やらからクレームがくるのを恐れて臆病になりすぎ
ているような気もしなくはないですけど。
当然のことですけど、教える側がしっかりしていないのに教えられる側がし
っかりできるはずはないですから。こういった履修内容のカットを見ると、
教えられる側、つまり児童・生徒の理解度ばかりに問題が集中して、教える
側の問題点を見落としてないか、って気がするんですよ。
たしかに、教師ばかりに限定してきましたが、家庭での問題とかも絡んでく
るでしょうから一概に教師ばかりを責めるわけにもいかないでしょうけどね。
ただ、履修内容をカットするよりも改善すべき点は他にあるんじゃないでし
ょうか。
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