ＴＯＫＵ約寄稿


このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿（コラム）です。


第６回：これぞ東海パワー（�A東海人の音楽観）


今回も前回に引き続き東海地方の固有の文化について。今回は特に音楽に対
してこの地方の人はどのように考えているかってことを中心に書いてみよう
かと思っております。
どの地方にも、全国的には売れてないんやけどこの地方だけではやたら人気
のあるアーチストがいるでしょ。東海地方でもそういったアーチストがけっ
こうおるんですけど、ものすごく特徴的なのはそのほとんどがこの地方出身
じゃない人たちなんですよ。
例えば、シャ乱ＱやＳｏｍｅｔｈｉｎｇ ＥＬｓｅなんかはブレイクする前か
ら東海ローカルの番組に準レギュラーで出演していましたからね。なんか知
らんけど、他の地方出身の人たちでも普通に受け入れるんですよ。
この前某番組にＣＨＡＧＥ＆ＡＳＫＡが出演したときに、ＡＳＫＡさんが「
デビュー曲の「ひとり咲き」は名古屋で一番売れた」っていう話をしてたん
ですけれども、これもその一つですよね。まあとにかく地元出身の人に負け
ないくらい他の地方の出身の人も応援するってことなんです。
そして、その熱の入れようももうハンパじゃないんですよ。ＣＤ売り上げや
ＦＡＸ、ハガキ、電話でのリクエストを統合したチャート番組がラジオでも
いくつかあるんですけど、三十週以上ランクインする曲とかあるんですよ。
もちろんそれだけＣＤの売り上げが持続するなんてことはとうていあり得な
いですから、他とは比べものにならないくらいのＦＡＸやハガキ、電話での
リクエストがきているってことなんですけど。
たぶん、この地域の人たちは一度食いついたらそう簡単には離れない性格な
んでしょうね。例えば東京って流行がめまぐるしく変化していくじゃないで
すか。でも、大阪とかこの東海地方の人たちってそう簡単には他に乗り換え
ないですから。こういった音楽方面だけじゃなくて一般的にそうみたいです
ね。統計的にも、名古屋近辺の人は世間がどうであれ我が道をいくコツコツ
タイプが多いみたいなんですけど、これも完全にハズレとは言えないんじゃ
ないでしょうか。
大阪もこういう傾向は強いでしょう。まああんだけ最下位になっても熱狂的
に阪神タイガースを応援し続ける人たちを見てもろたら分かるでしょうけど。
どちらかと言うと東海地方はそういう意味で大阪寄りかもしれへんね。大阪
の独特のノリとはちょっと違うとこはありますけど。そしてこれが良いとこ
ろでもあり悪いところでもあるんですよ。
なかなか新しいものは受けつけへんけど、いったん受け入れると息は長いで
すよ。ほんまに。やっぱり関西圏なんやからなのかなあ。このパワーは見て
てびっくりするものがあるから。
九州出身のＩＮＦＩＸっていうアーチストがおるんですけど、おそらく東海
地方で一番根強いファンがついているアーチストなんですよ。全国的にはそ
んなにたいして売れてへんのに、この地方では年間リクエストチャート一位
になるとかね。ほんまに、音楽に関しては世間がどうとか関係なしにいいも
のは全て受け入れるっていうシステムができあがっているんですよ。
特に中高生なんですけど、やっぱり一番パワーのある世代やから熱の入れ方
も違うんですよね。気に入ったアーチストがおると「組織票」っていうリク
エストの署名みたいなものを作ってテレビ局やラジオ局に送るんですから。
時々、そのパワーを何か別の方向に使ったらええんちゃうか？って思ってし
まうときもありますけど。
でも、こうやって熱中できるものがあるってことはいいことやと思いますけ
どね。そして、そういうものを提供してくれる音楽番組がこの地方にはある
ってこともいいことですよ。
東海地方の人たちはほんまに他に流されないから、この地方に行くとおもし
ろいですよ。東海地方の固有の文化が至る所で見られますからね。
東京色でも大阪色でもない東海色をこのまま持続して欲しいと僕は思ってる
んです。このホームページでも三重県出身の有名人を応援するコーナーを設
けていますけど、やっぱり出身の東海地方が、そして三重県が好きやからな
んですよね。僕の中にかなり強い「郷土愛」っていうものがありますから。
大学に入学して京都で三年近く過ごしてますけど、やっぱり三重にはかなわ
ないですね。もちろん京都もいいところですけど、僕にとっては思い出の量
からして三重と京都では全然違いますから。
以前地元の友人が夜のショーウインドの前で踊っている人たちを見て「この
へんも東京っぽくなってきたからいいなあ。」って言うてたんですけど、僕
自身何もいいとは思わなかったんですよ。だって単なるマネやんか。所詮マ
ネが本物に勝てるわけがないんやから、他で流行っているからって簡単に受
け入れようとすんな、ってね。
僕は、根強くなおかついいと思ったものは受け入れていくっていうシステム
が好きですから、やっぱり東海人なんでしょうね。でも音楽に関して言えば、
本当にいい曲を作っていればどこの地方の人たちであってもこの地方では受
け入れてくれますしね。やっぱり東海人は他に流されない根強いパワーと、
いいと思ったものは受け入れていく広い心の調和のとれた人たちであってほ
しいと思いますよ。



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