TOKU約寄稿


このコーナーは私が毎回一つのテーマを取り上げ、それについて勝手に意見
を述べていく特約寄稿(コラム)です。


第8回:「危機感」から生まれる「勝負強さ」


よく他人から「お前は大舞台でもどうして緊張せずにいられるんだ?」って
聞かれるんですけど、僕自身ものすごい緊張するタイプですし極度のあがり
症なんですよ。もう額とか手とか汗かきまくってますからねえ。
不思議なもんで緊張してるってことはあまり他人には伝わらないんですよね。
だから大舞台なんかでも、僕は「緊張してるな」って感じたときは「今、緊
張しているけど緊張したままでいいんだ」って自分に言い聞かせるようにし
ているんですよ。「緊張したらあかん」って思うと逆にそうなってしまいま
すから。たぶん緊張しててもいいって思うことで表情から固さが無くなって、
それを他人は落ち着いているって言うのとちゃいますかねえ。
でも、こんなにあがり症の僕でも受験では何故か失敗してないんですよ。高
校、大学と受験したところは幸いにも全て合格しましたし。
それで塾講師のアルバイトをやっていたときなんかは「どうやったら合格で
きるんですか?」って聞かれたことがあるんですけど、特に明確な理由もな
いんですよ。一日十数時間も猛勉強したかっていわれたらそうでもないし、
かと言って生まれつきの天才でなんかあるわけないし、要領いいかって言わ
れたらそうでもないし。何でかなあって考えていたら、どうもここ一番での
「勝負強さ」が身についていたからなんとちゃうかって思うんですよ。
高校三年生の時に某K合塾、S台予備校とかがやる模擬試験なんかがあるん
ですけど、その判定なんかメチャクチャでしたから。合格率20%とかそん
な次元でしたし。それでやっぱり合格できたっていうのは、実力よりも運と
いう名の「勝負強さ」があったからなんでしょう。
じゃあその「勝負強さ」はどこから出てきたんかっていうと当然生まれ持っ
てのものでもないし、やはり自分を追い込んで「危機感」を作ったからなん
とちゃうかなあって思いますねえ。
大学受験の時、親から「浪人は絶対許さない」って言われたんですよ。これ
がかなり効き目あったんとちゃいますかねえ。高校三年生で大学を受験する
人にとっては現役か浪人かって道が二つに分かれるんですけど、僕の場合は
そこで一つの道が完全に絶たれてしまったわけですから。自分の希望する大
学でなくっても受かったらそこに行けっていうふうになったことで、何がな
んでも行きたいところに受からなあかんっていう気になりましたしね。
さらに、国公立大は前後期ありますけど、前期と後期で別の大学に出願した
んですよ。前期に行きたいところ、後期はまあそんなに気にもとめていない
ところっていうふうに。これで自然と自分の希望する大学に挑戦できるチャ
ンスは前期の一回だけになってしまうわけですよ。一生のうち一回だけって
の機会っていう状況を作ったからこうして合格できたんやと思います。
高校受験の時も、結局公立校は出願せずに奨学金制度があるという理由だけ
で私立一本で行きましたしねえ。こうして自分の前にある多くの選択肢の中
から一つを選び、それ以外の道へは全て何があろうと進めないっていう状況
を作り、「危機感」を持ったことから「勝負強さ」が生まれたんとちゃいま
すかねえ。
意味は少し違うかもしれないですけど、ことわざでいうたら「窮鼠猫をかむ」
っていうやつですね。何ていうか、自分で自分をとことん追いつめていって
その時に生まれるパワーを利用するっていう感じなんですよ。
最近よく大学生の学力低下って言われてますけど、もちろん高校での教育の
変化とか理由はいろいろあるでしょうけど、「危機感」を持っていない大学
生が多いからこんな状態になったんとちゃうんでしょうかねえ。
昨年は医学部生の不祥事は結構話題になりましたけど、僕が思うにやっぱり
「危機感」が無いからやと思います。医学部に入学したことで、とりあえず
医師になるまでの道ができあがってそこに安住しているからこういうことに
なるんじゃないでしょうか。何をしても将来的に医師になることができるか
ら大丈夫っていう甘い考えがあるからこういう事件が起こるんでしょう。
何でかなあ、僕自身今でもすっごい将来のこととか「危機感」を持っている
のに、それ以上に「危機感」を持っていないといけないはずの医学部生が何
で持ってへんねんって思いますよ。
さらにこれはひどいって思ったのが、関西の某医科大学では一年次ではどん
な成績であれ留年させないっていう暗黙の了解があるんですよ。こんなこと
したら学生が不真面目になっていくのも当然ですよ。医師になるための自覚
みたいなもんもこんな状況ではとても養えないんとちゃいますかねえ。どん
な成績でも留年はないって言われたら、それに安住してしまう人もかなりい
るはずでしょうから。
まあでも人間自体が昔に比べて弱くなってきているってことも少し関係して
いるかもしれませんけどね。自分で自分を危機状態に追い込むってことはあ
る程度の精神力と勇気が必要ですから。甘やかされて育った「現代っ子」に
この精神力と勇気を要求することは難しいのかもしれませんけど。そういう
意味ではちょうど僕らは「現代っ子」とそうでない子供が混ざっている世代
のような気もします。
ちょうど受験シーズンですし、ここはあえて自分を追い込んでみるのも一つ
の手ではないかと思います。最近の子供は弱くなったとかいろいろ言われて
いる時代だからこそ、自ら「危機感」を生み出しちょっとやそっとでは動じ
ない「勝負強さ」を身につけることが必要ではないでしょうか?。


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