阿部山713

 

2021312日 晴れ

 

 

所用時間 5時間40分(休憩時間含まず)

阿部山までの登り・3時間   阿部山からの下り・1時間20

阿部山から峰越方向への往復時間 1時間20

 

 

 

GPSトラックログ

 

 

 

 

 

 積雪期に阿部山に登るコースは2つあります。一つは手稲山平和の滝登山口から発寒川のスノーブリッジを渡って稜線を登るコースと手稲平和霊園から宮城沢川を越えて東尾根を登るコースです。

 今回は発寒川に架かるスノーブリッジの衰退を心配して霊園コースを選択しました。宮城沢川の渡渉点は1ヶ所だけ。そこには鉄橋跡があるので融けてなくなるスノーブリッジのような心配はありません。でも注意書きがあるので真ん中の細いスノーブリッジを渡りました。

 

 

 

 

 

 

 霊園奥の駐車スペースから20分ほどで百松沢山と阿部山の分岐点に着きます。先客のすべては百松沢山に向かったようで、阿部山へのトレースはありませんでした。

 ここで長靴にワカンを付けてノートラックの雪原に足を踏み入れたのですが、好天で気温も上がって来たことから早くも雪は腐り始め、ワカンを履いたままでも沈み込むズボリ雪になっていました。

 

 

 

 

 

 

 固い雪面をザクザクと歩ける情景を想定していましたが、その目論見は早くも消えて、ワカンにまとわり付く湿り雪と闘いながらの登りになりました。

 急斜面で足を止めるとズリズリと足元が滑り落ちます。ワカンを蹴り込みながらの登りは太ももに大きな負担を掛けることになりました。

 

 

 

 

 

 

 額から汗が流れ落ちて来るほど気温は穏やかです。頑張って中腹まで来ると眼下に車を停めた霊園を見下ろすことが出来ました。

 もう先のことは考えられません。今はとにかく一歩一歩、歩みを進めることに全神経を集中するしかありません。とにかく前に進んでいれさえすれば何時かは目的地に着くものだと、これまでの拙い登山人生が教えてくれています。

 

 

 

 

 

 

 右上に発寒川側からのコースが延びる主稜線が見えて来ます。頂上はまだまだ先ですが、一歩登るごとに稜線の高さに近付くようで気合が入って来ます。

 疲れた身体を休めるために立ち止まると、雪面に映る木陰のストライブ模様が目に入って来ます。こんな時でも自然の美しい造形は気持ちを和ませてくれるものです。

 

 

 

 

 

 

 予定の2時間を1時間もオーバーして阿部山に着きました。発寒川側から登って来ていた登山者にスノーブリッジの状況をたずねると、しっかり残っていますと教えてくれました。それなら発寒川側から登れば良かったと思っても後の祭りです。

 ここで息を整えてから峰越方向に向かいました。何人かが歩いたトレースが残っていて、今まで歩いて来たノートレースとは違って、格段の歩き易さを感じました。

 

 

 

 

 

 

 峰越方向へは緩いアップダウンが続く尾根を歩きます。途中には雪庇が発達したところもあって変化のある光景を見せてくれました。

 この尾根からは間近に百松沢山や烏帽子岳、遠くに藻岩山や三角山などを眺めることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 40分ほど歩いたところに見晴らしの良いポコがありました。地図の等高線では710mぐらいの高さでしょうか。右側には岩壁をまとう手稲山と西峰が見えました。

 今回は登りで大きく時間を使ったこともあって、時間的な制約が出来てしまいました。このポコから峰越までの往復は1時間くらいでしょうが、楽しい山歩きが大事なのでここで昼食を取ってから引き返すことにしました。時間的な余裕も安全登山の重要部分ですから無理はしません。雪山の一人歩きですから慎重過ぎるぐらいで良いのです。

 

 

 

 

 

 

 宮城の沢の向こうには百松沢山が見えます。何度も登りましたが最近はすっかりご無沙汰をしています。市街地からでも眺めることの出来る山ですが、登るとなればそれなりの覚悟がいる奥深い山です。

 

 

 

 

 

 

 峰越で飲もうと淹れて来た温かいコーヒーは峰越を眺めながら飲むことになりました。これでまた来年以降に課題が残されました。何が何でも登らなければならない山ではありませんが、自分が一度は登ろうと考えた山ですから何とか実現したいものです。

 

 

 

 

 

 

 ポコからは正面に阿部山、右手に宮城の沢を見ながら戻りました。阿部山からは自分のトレースを忠実に辿って下りました。途中、何度かズボリや湿り雪に足を取られて転びましたが、登りよりもはるかに快調に歩くことが出来ました。

 霊園から家までは西区の繁華街の中を走りました。山歩きで余力を残しておくことは帰りの安全運転にもつながります。これからもヘロヘロになって下山することだけは絶対に避けようと思います。