赤岳2,078m白雲岳2,230m

 

2004719

 

「赤岳」と言えば「旭岳」「黒岳」と並び、大雪山の中でも人気の山。登山口となる「銀泉台ヒュッテ」が1,490mと標高が高いことで、意外と短時間で大雪山の奥懐に立ち入ることが出来る。途中には植物図鑑から湧き出てきたような高山植物が咲き乱れるお花畑が点在し、特に「コマクサ」が群生する「コマクサ平」が有名だ。赤岳から1時間余で北海道第3位の標高を誇る「白雲岳」に登ることが出来る。

 晴天に恵まれた初夏、久し振りに赤岳、白雲岳と歩いて見た。雪渓の解け際から咲き出す高山植物の美しさに感嘆し、白雲岳山頂からは「トムラウシ山」を眺めながら、過去の山行を懐かしんだ。またいつの日か「高根が原」を歩いて、「トムラウシ山」を訪ねてみたい気持ちにさせられたのだった。

 

登山口〜(1時間10分)〜コマクサ平〜(1時間10分)〜赤岳〜(1時間10分)〜白雲岳

 

akadake363-6328_IMG

akadake363-6334_IMG

akadake363-6335_IMG

 

 早朝の銀泉台ヒュッテ。まだ5時だというのに次々と登山者が登って行く。ヒュッテに泊まるか、駐車場で車中泊する人が多いようだ。前方の斜面に第一花園の雪渓が見える。

 

 

 最初の沢にはまだ雪が残っている。下界を見下ろすと雲海が朝日を浴びて輝いている。立ち止まって耳を澄ませば鳥の声。心の中に静寂の時が流れる。ナンチャッテ・・・

 

 第一花園をトラバース。まだ雪渓が残り、お花が咲き始めたばかり。先を歩いていたおじいちゃん、GPSをザックに付け、家に帰ったらログをパソコンに落とすんだって。ぎゃふん!!

akadake363-6337_IMG

akadake363-6342_IMG

akadake363-6345_IMG

 

 まだまだ雪が多い第二花園。雪解けの始まった雪渓の上部には「キバナシャクナゲ」や「チングルマ」が春を(?)待ちかねたように咲き誇っていた。

 

 

 登り始めて1時間ほどで平坦な「奥の平」へ着く。花を楽しみながら少し歩くと「神の田圃」と呼ばれる池がある。静寂そのものといった感じだが、水面には小さな虫が多数飛び交っている。

 

 

 「コマクサ」が群生する「コマクサ平」を過ぎると、急勾配の斜面に雪が残る第三雪渓に着く。最後の春スキーを楽しむ“狂人”達のゲレンデも大分小さくなってしまった。

akadake363-6348_IMG

akadake363-6349_IMG

akadake363-6353_IMG

 

 第三雪渓の登りから「コマクサ平」を見下ろす。溶岩台地状の地形の上に、高山植物の女王「コマクサ」が無数に咲き乱れている。

 

 

 登山道脇に咲く、純白の花を付けた「イワヒゲ」。まるで“ジングルベル”♪ が聞こえてきそう。

 

 赤岳はもうすぐ。大きな第四雪渓を登る。右の登山道を登るのが楽か、雪渓を登るのが楽か迷うところだ。帰りはもちろん雪渓が楽!

akadake363-6354_IMG

akadake363-6362_IMG

akadake363-6370_IMG

 

 雪の融け始めたところから「キバナシャクナゲ」が顔を出す。遠くから見ると、丸めて捨てられたティッシュペーパーのように見えるのは、おじさんの目が乱視のせい?

 

 

 登山口から2時間20分で「赤岳」山頂に着く。山頂と言っても大きな岩があるだけ。前方に広がる表大雪の山々を眺めているだけで時の経つのも忘れてしまいそう。

 

 「赤岳」からどこが山頂だか解らない「小泉岳」を通り、「白雲岳」へ向かう途中にある“山の交差点”。縦走を始める人、縦走から帰る人、日帰りの人、様々な人間模様が見られる場所だ。

akadake363-6373_IMG

akadake363-6378_IMG

hakuunn 363-6374_IMG

 

白雲岳山頂直下に咲くチングルマの群落。岩と高山植物が織りなす美しさは、まさに自然美の極致。人の手が加えられない素晴らしさを、永久に残したいものだ。

 

 

 白雲岳山頂から遠望する「トムラウシ山」。孤高の気高さと王冠のような山頂、まさに岳人憧れの山。でもおじさんには谷岡ヤスジの漫画に出てくる「朝―ッ!」の牛さんに見えるんだよね。

 

 

 旭岳方向の出来る雪渓の縞模様。白と緑のコントラストも鮮やかな、巨大な抽象画。眺めているだけで時の経つのも忘れそう。まさに至福のひと時、あ〜幸せだな〜。

 

戻る