盤渓山  604m

 

2020318日 晴れ

 

登り・1時間30分(休憩時間含む) 下り・50分(休憩時間なし)

 

 

 

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 おかしな病名を頂いて半年ばかり山歩きから遠ざかっていましたが、山の雪が少なくなるにしたがって盤渓山の「1本松」が気になり出しました。あの山頂の崖っぷちに凛々しく立つ可愛い松、厳しい風雪に耐えることが出来たのだろうかと。

 幸いに天候も良さそうなので、車に長靴とワカンを積み込んで出かけることにしました。昼近くになっていたので駐車スペースを心配していましたが、何とか1台分残っていた隙間に車を滑り込ませることが出来ました。

 妙福寺へと続く車道のゲートからは雪の解けたアスファルト路面を長靴で歩き出しました。沢への降り口まではゆるい登りですが、ザックを背負った半年ぶりの山歩きですから早くも心臓が鼓動を早め、あまり強くない気管支がゼイゼイと音を出し始めました。

 沢への降り口からは正面に盤渓山を見ることが出来ます。1時間少々の距離ですが、半年間も山歩きから遠ざかっていた身からはえらく遠くに感じてしまいました。体調の良し悪しで山での距離感が変わるものだと今更ながら思いました。

 

 

 

 

 

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 沢に降りてから砂防ダムを過ぎると尾根への緩い登りが続きます。ワカンをザックに括り付けて来ましたが、湿った雪がしっかりと踏み固められていて、踏み抜きもせずにツボ足で歩くことが出来ました。軽アイゼンを付けていれば最高の歩きが確保出来たことでしょう。

 尾根への登りが一段落するころ、右手の樹林越しに沢を挟んで妙福寺の本堂、その背後に三菱山が見えて来ました。数年前は盤渓山から三菱山までの縦走を楽しんだものですが、今の体調では盤渓山の往復で目一杯なのが残念です。

 

 

 

 

 

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 幅の広い尾根を登っていると右手奥に盤渓山が見えて来ました。山頂の雪庇はまだ小さく残っているようでした。

 ここまでに下山して行く二組のご夫婦とすれ違いました。駐車場の車の混みようから、まだ山頂には何人かの登山者がいるに違いないと思って歩き続けました。

 

 

 

 

 

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 尾根歩きが右に折れるあたりからは左前方に奥盤渓山や三角山の稜線が見えます。三角山まで行って眺望を楽しむのもありかと思うのですが、今回は無理をしないで盤渓山をゴールにしました。

 

 

 

 

 

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 尾根を右にカーブして進むと、肩に上がる急斜面が現れます。写真では平坦にしか見えませんが結構な斜度があります。少し笹が顔を出していましたが、踏み抜きもしないで楽に登ることが出来ました。

 

 

 

 

 

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 肩に上がって少し進むと山頂への急斜面が目の前に現れます。以前、手前の木には「三菱」の山であることを思わせる「山火注意」の標識が取り付けられていましたが、今はもう外されてしまったようです。 

 湿り雪だったので楽に登れましたが、冷え込んでクラスト化していたら滑落を招きかねない危険な斜面に変貌することでしょう。

 

 

 

 

 

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 山頂にはまだ雪が残っていました。北側にはまだ雪庇が残っていますから、出来るだけ左の灌木に沿って歩きました。

 正面奥に「1本松」が見えて来ました。どうやら今年も元気に成長を続けているようで嬉しくなって来ました。

 

 

 

 

 

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 どうやら「1本松」は自分の背丈を超えたようです。濃い緑の葉も大きく広がり始めたようです。いつ大雨や台風で土台が崩れ落ちないかと心配ですが、このまましっかりと根を張って数十年、数百年と生き続けてもらいたいものです。

 

 

 

 

 

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 天候は良かったのですが、少しもやっていたので夕張や芦別、そして増毛の山並みを望むことは出来ませんでした。

 藻岩山の左奥に札幌の中心部が見えています。目の前の「1本松」に触れたいのですが、足元が心配で近づくことは出来ませんでした。

 

 

 

 

 

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 山頂の裏側(南側)には砥石山の稜線が迫っています。手前から左に奥盤渓山、三角山、砥石山へと続き、その右奥には割れ山が見えます。残雪時に一度割れ山を登って見たいと思っていますが、自分の体力では砥石山までが精一杯で、なかなか思いを実現することが出来ません。 

  駐車スペースの車の数から、まだ何人かが山頂に残っていると思っていましたが、残っているのは足跡だけで、人影もありませんでした。

 三菱山に抜けたのか、それとも最初から三菱山に向かったのか分かりませんが、風が吹き抜ける音だけが聞こえて来る静かな山頂でした。

 ちょうどお昼時なので、コンビニで買ってきたカレーパンとコーラで軽い昼食を取りました。カレーとコーラは完全なミスマッチで、口の中は辛いルーとコーラの泡がパチパチ弾ける激しい格闘状態になってしまいました。

 ゆっくり「1本松」を愛でながら時間を過ごそうと思っていましたが、裏から吹き上げてくる風が意外と冷たく、身体も段々と冷え込んで来たので15分ほどで山頂を後にしました。

 

 

 

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 いくら不調の身とはいえ帰りの下りは快調です。ゆっくりながらもノンストップで車まで歩き通すことが出来ました。

 沢への降り口にある小さな観音様、まだ石桝の中で氷に浸かっていました。氷の膨張圧力で観音様が割れてしまわないかと心配でした。

 

 

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