伊達紋別岳 (だてもんべつだけ) 714.5 m
2007年10月15日 太陽の園コース
笹原に延びるすっきりとした登山道、変化に富んだ稜線、低山とは思えない眺望、魅力たっぷりの伊達紋別岳を登った。道南の伊達市街から一望できる山なのだが、森林伐採で傷付いた山肌が痛々しかった。
伊達市の知的障害者施設 「太陽の園」敷地内に登山口があり、7合目の「いっぷく広場」までは広葉樹が茂る明るい尾根道を登る。7合目からはこの山の特徴である、稜線上に延びる美しい登山道を歩く。前紋別岳を含む小さなアップダウンを越えて、伊達紋別岳の山頂に着くまでの時間は山歩きの楽しさを満喫できる時間でもあった。
眼下に伊達市街、噴火湾を隔てて駒ケ岳が美しい。西から北へと目を移すと、有珠山や昭和新山。洞爺湖の背後にはニセコ山系や羊蹄山が望まれる。さらに東へ目を移すと、札幌近郊の山々や恵庭岳、徳舜・ホロホロ、オロフレと続く。登ってきた稜線の向こうに見える室蘭岳や稀府岳で360度の展望が終わる。間近に遮る山のない、まさに展望の山であった。
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登り・2時間(休憩時間含む。靴擦れで痛々しいタイム)
下り・1時間40分(休憩時間含む。靴擦れで痛々しいタイム)
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「太陽の園」には登山者用に駐車場が指定されている。登山道は少し先の管理棟の横に「モンベツ岳登山口入口」の案内板があるので分かり易い。ここから針葉樹林の中を5分ほど登ると登山届出ポストがある。ここから先は禁煙地区と書かれている。愛煙家は山頂で至福の一服ができないのだろうか。
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カシワなどの広葉樹林が茂るあたりから少し傾斜が強くなる。3合目には「一望台」と書かれた標識があり、目の前が大きく開け、有珠山や昭和新山、洞爺湖の背後に広がるニセコ山系や羊蹄山が目に飛び込んでくる。ベンチもあって、一服するには最適な場所だ。
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痛々しい傷跡が残る森林伐採跡。伊達紋別岳の広い範囲でこのような伐採が行われている。この山林は民有林で、保安林に指定されていないため行政では規制できないという。伐採そのものを悪と決めつける訳にはいかないが、このような素晴らしい山が無残に傷付けられる様は、見ていて悲しいものだ。
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4合目あたりからは緩やかな斜面の登山道が続く。左手の山肌に刻まれた無残な伐採跡を見ながら登っていると、目の前に「ガンバレ岩」と赤ペンキで記された大岩が現れる。裏側を見ると、こちらにもご丁寧に「マタキテネ」と記されていた。この「ガンバレ岩」を過ぎるとすぐに7合目の「いっぷく広場」である。
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見晴らしの良い「いっぷく広場」(7合目)のベンチで小休止。すぐ背後には険しい山容の稀府岳(まれっぷだけ)、遠方には急峻な北斜面を見せる室蘭岳が聳えている。
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「いっぷく広場」(7合目)からは明るい笹の斜面の尾根道歩きとなる。前方に見える前紋別岳は斜面全体が笹で覆われている。あまり他では見られない優しい山容にため息が漏れる。注意書きにもあったが、遮る物がないので強風時には細心の注意が必要だろう。
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尾根道から険しい山容の稀府岳を見る。夏道がないので、藪漕ぎか残雪期に登るしか方法がないのだろうか。室蘭方面から見る稀府岳はもっと急峻に見える。
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前紋別岳に向かう途中の「みはらし平」から「いっぷく広場」方向を振り返る。背後に噴火湾や伊達市街が見える。
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前紋別岳山頂。稜線の先に伊達紋別岳が見える。こちらの方が僅かだが(50cm)標高が高い。洞爺湖や羊蹄山がくっきりと見えている。
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「シラネアオイの丘」から伊達紋別岳を見る。山一面の笹と僅かに茂るダケカンバ。右手に延びる送電線がちょっと邪魔だが、見事な風景である。
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あと一息で伊達紋別岳山頂。肉眼でも山頂標識や釣鐘が分かる。
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まさに山頂からは360度の大展望。しばしの時間、見える山々の山名確認を楽しんだ。昼食の後、誰も居ないことを好いことにして、大の字になって昼寝をむさぼった。戻りは逆光に輝く笹原がなまら美しかった。靴下の糸くずが原因でできた靴擦れが痛く、ゆっくりゆっくりの山歩きになったが、それがかえって濃密に山を楽しむゆとりを与えてくれたのだった。
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