風不死岳北尾根コース

2004525

登り・2時間  下り・1時間15

 

 北尾根コースの入り口は、モーラップキャンプ場から美笛キャンプ場に向かう国道276号線の左手にある。「大沢橋」からほぼ1q進んだころ「風不死岳登山口」の標識が木に打ちつけられた林道入り口が見える。ゲートはあるが開放されていて、中の駐車場まで車で入ることができる。

 駐車場から奥に伸びる林道を15分ほど歩くと林道終点にたどり着く。ジープタイプの4駆ならここまで上がって来れそう。終点左手には北尾根コースへと続く入り口がある。新しいコースとは思えないほど道はよく踏み締められている。

 駐車場から山頂まで1合目毎に標識があるので、今どの辺りを登っているのか判断し易い。3合目まで来ると、樹林の間から支笏湖が見えてくる。ちょうどモーラップキャンプ場から湖畔辺りを見下ろす位置にいるようだ。穏やかな湖面が青く輝いている。

 花の少ない登山道には、エンレイソウが白い花を咲かせていた。紫の実を付けたエンレイソウよりずっと数が多かった。その他に見た花といえば2株の「エゾムラサキツツジ」と時期遅れの「エゾヤマザクラ」くらい。

 山頂直下まで突き上げる大沢の雪渓。大分やせ細って来ているが迫力満点。登山道の脇にまで雪渓が迫っているが、尾根に付けられた登山道は乾いて歩き易い。キツイ勾配が続くので息が上がり、心臓は激しく音を立てる。

 8合目を過ぎた辺りに、痩せ尾根から左手の大沢に降りる「大沢コース」合流点がある。沢登りには別の楽しみがあるのだろうか。でも冷たい雪解け水の中を歩くのは嫌だなあ。

 8合目まで来るとかなりの角度で湖面を見下ろすようになる。湖畔の左手には支笏湖の展望台と呼ばれる「紋別岳」が聳えている。遊覧船の残した白い航跡が大きな波紋となって湖面全体に広がって行く。

 9合目辺りには数ヶ所のロープが取り付けられた「難所」がある。すべてロープが無くても登れる「難所」であるから心配は無用だろう。しかし油断すると大怪我の元になる。注意をするに越したことはない。

 木の根が張り出した痩せ尾根を登りつめると、一気に大パノラマが広がる。もう山頂は目と鼻の先である。朝の雨が嘘のような天候の回復ぶり。鏡のような湖面が美しい。

 山頂直下から大沢を見下ろす。大きく切れ込んだ沢が湖面まで続いている。この辺りで獣の臭いが漂っているのを感じる。もしや熊さんかと緊張が走る。

 山頂から雲の湧き上がる樽前山を見る。太平洋から押し寄せる雲で、青空が一瞬のうちに消えてしまう。雲の流れを見ているだけで時間が過ぎ去ってしまう。

 誰もいない山頂で記念撮影。コンビニで買ったおにぎりと豚汁で腹ごしらえをしたが、緊張の表情は消えない。今日は大型カウベル2個の音が頼りの山登りだった。

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 モーラップキャンプ場辺りから風不死岳を見る。正面には扇状になった大沢の雪渓が広がり、その右には山頂までのびる北尾根が見える。

 帰りに「丸駒温泉」の露天風呂に浸かってマッタリとした時間を過ごす。目の前には支笏湖の湖面を隔てて、風不死岳が颯爽と聳えている。