富良野岳 1912m

 

2020年 716日 曇り

 

登り・3時間20分(休憩時間含む)

下り・2時間40分(休憩時間含む)

 

 

 

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 早朝に家を出て、一般道を4時間近く走って上富良野町・十勝岳温泉にある登山口に着きました。まだ駐車スペースに余裕はありましたが、それでも平日だというのに多くの車が停まっていました。さすが「花の名山・富良野岳」、多くの人が高山植物を楽しむために登っているのでしょう。

 下界は蒸し暑い夏の日の始まりを思わせる陽気でしたが、高所にある登山口はガスが流れてヒンヤリとした空気でした。

 

 

 

 

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 登山口から安政火口までは観光客も歩く散策路です。左手に三段山の岩壁を見上げ、右手に安政火口からの深い涸沢を見下ろしながら平坦な散策路を進みました。まだ目覚めていない身体を慣らすにはちょうど良い助走区間でした。

 涸沢を渡ってからが本格的な登山になります。登山道には幾つもの大きな岩が行く手を阻むように鎮座していました。岩間に生えるエゾイソツツジを愛でながら、足を挫かないように慎重に進みました。

 

 

 

 

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 バケモノ岩のある尾根まで上がると、晴れた日なら目の前に富良野岳の雄姿を見ることが出来るのですが、この日は生憎とガスが流れてその姿を見ることは出来ませんでした。

 大きな岩が転がる小沢を登ると「上ホロ」への分岐です。ガスの濃い日には分かり難いかも知れません。初めて登る人はペンキ印を確認しながら進むことが大事です。

 

 

 

 

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 三峰山沢にはまだ雪渓が残っていました。どことなく周りの空気がヒンヤリとしているようでした。

 急斜面のある登山道ではありませんが、とにかく足元に気を付けながら登らなければなりません。段々と高山植物の種類も増えてきて目を奪われがちになりますが、つまずかないようにと慎重に歩みを進めました。

 

 

 

 

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 2時間半掛かって三峰山へとの分岐に着きました。心臓に負担を掛けないようにと、鼓動が激しくなる前に休憩を取ることを心掛けていたので、思った以上に時間が掛かりました。何度も富良野岳には登っていますが、これまでの最長時間になりました。その分疲れも少なく快適な山歩きが出来るプラス面を考えれば、ゆっくり歩くこともまんざら悪いことではありません。

 分岐から山頂までの800mがこの山のハイライトです。様々な高山植物が大群落で山肌を埋め尽くしていました。

 

 

 

 

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 ハクサンイチゲにエゾコザクラ、チングルマにツガザクラ、その大群落に圧倒されながら山頂へ向かいました。これこそが富良野岳に登る醍醐味なのだと、山歩きの幸福感に浸った時間帯でした。

 

 

 

 

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 山頂に近づいてもガスは流れています。北斜面から南斜面へと尾根をなぞるように流れて行きます。微妙に見え隠れする尾根が幻想的に見えて来ました。

 

 

 

 

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 3時間20分で山頂に着きました。混雑を予想していましたが、山頂には数人がいるだけで、思った以上に静かな山頂を楽しむことが出来ました。

 ガスも段々と切れはじめ、上ホロカメットク山まで確認することが出来ました。

 

 

 

 

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 山頂から南側の「原始ケ原」を見下ろしました。何時かはこちら側から登って見たいと思い続けていましたが、どうやら実現は無理なようです。今は山頂からその原始の姿を眺めるだけで満足しなければなりません。

 

 

 

 

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 山頂の北側は大きく切れ落ちていて、花の富良野岳とは違った険しい一面を見せてくれました。山スキーでも人気の富良野岳、大きな尾根は格好のゲレンデに変わるのでしょう。

パウダースノーを舞い上げながら滑るスキーヤーの映像を観るだけでため息が出たものです。最近、三段山クラブ」の活動が見られなくなったのは寂しい限りです。

 

 

 

 

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 山頂標識の前に陣取っていた若者たちが下山したので記念に撮りました。他人がいると恥ずかしいので、次に登ってくる人が来る前にチャチャっと撮りました。

 

 

 

 

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 40分ほどの休憩で下山することにしました。もう少しゆっくりしたいのですが、山の天気予報では3時頃から崩れると報じていました。山ではあまり雨にあたりたくない管理人、降り出す前に山を下りたいと歩みを早めました。

 ガスの切れ間から下ホロカメットク山が見えるようになりました。空も青空が見え始めましたが、いつ崩れるか分からないのが山の天気です。ゆっくりお花を楽しみたい気持ちを収めて来た道を戻りました。

 

 

 

 

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 安政火口まで来ると山歩きは終わりです。ここから登山口まではクールダウンのための散歩道です。思ったよりも時間が掛かり、若い時のような登り方はもう無理なのだと自分に言い聞かせなければならないのは辛いものですが、まだ山歩きが出来るのだと前向きに考えれば足も軽くなる気がしました。

 

 

 

 

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 山はどんどん雲が厚くなり、先ほどまでの明るさは失せてしまいました。小さな雨粒が落ち始めましたが、まだ本格的な雨になるような気配はありませんでした。

 「凌雲閣」で汗を洗い流し、さっぱりした気分で車を走らせ始めた途端、大粒の雨が降り出しました。この雨は白金温泉を過ぎるまで降り続けました。下山時、三峰山の分岐で会ったおじさん、縦走用具を背負って上ホロ避難小屋を目指すと言っていましたが、分岐に来るまでで相当疲れているようでした。時間的に富良野岳を往復するかどうか迷っていましたが、時間を考えれば何処かでこの大雨に遭っていると思いました。風はありませんでしたが、雷が心配な雲行きでした。やはり荒天時の山は怖いものです。

 

 

 

 

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 花の種類が多過ぎて、とてもひとつずつ紹介するスペースがありません。ほんの一部をまとめてみました。大斜面に咲く群落は大判カメラでなければそのスケール感を出せません。目に付いたお花を近寄って写して見ました。

 

 

 

 

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