イチャンコッペ山

2002年9月16日

 札幌から国道453号線(札幌支笏湖線)を通って支笏湖へ向かうと、右手奥に台形状の空沼岳が見えてくる。この辺りから注意深く左手に目をやると、木々の間から丸みを帯びた三つの峰が見えてくる筈だ。その山が「イチャンコッペ山」と珍妙な名で呼ばれる支笏湖展望の山である。国道から見えるポイントが少ないために見落しがちだが、たおやかな印象を与える山である。どうしても急峻な山頂岩塔を持つ恵庭岳に目を奪われて印象度は低いが、意外にも素晴らしい展望が楽しめる隠れた低名山である。

 

登り・1時間55分     下り・1時間20分

 

 登り始めてすぐの所にある「北海道」の名が刻まれた石標。ポロピナイ手前にある支笏湖展望台の駐車場に車を置いて、急カーブの下方にある登山口から登り始める。

 登り始めて30分、右奥に反射板のある8合目ピークを望む。登山口から2合目を過ぎる辺りまで急登が続く。まだ身体が本調子でないせいか、お尻のほっぺたが痛い。

 8合目ピーク下部から恵庭岳を見る。真正面に爆裂火口跡と岩塔が見える。現在岩塔部は崩落の危険性から登頂が禁止されている。興味が半減している恵庭岳の復活を願う。

 8合目ピークを登る管理人。背後には支笏湖、風不死岳、樽前山が望まれる。穏やかな湖面には風不死岳の姿が映る。何とT先輩の奥さん、娘さんとバッタリ出会う。

反射板のある8合目ピークと抜けるような青空。ブルーのカンバスに白い雲と風が思い思いの絵を描く。あー自然は天才芸術家だ! 「T先輩の奥さんと娘さん」

8合目ピークからササに覆われた道を通って山頂を目指すおばさん。身体の半分以上がササに埋没している。丸みを帯びた山頂部がこの山の優しさを物語っている。

 もう少しで山頂と頑張るおばさん。羊蹄山登山の後遺症も薄れ、ここまで快調に登ってきた。背後に8合目ピークと恵庭岳。対照的な山容が面白い。

 山頂から支笏湖を望む。休日のせいかマイナーな山でも登山者は多い。平坦な山頂でめいめいお昼を広げていた。隣の若者のラーメンが美味そうだった。

 山名標識を持って記念撮影。8289m、ついに管理人も8000m級初制覇。写真ではコンマの位置が分からない。初制覇はタクティクスの勝利か?

 

 帰りに観光客で賑わうポロピナイ湖畔に寄って秋の味覚と銘打った「石狩鍋」と「きのこ汁」を食べたのだが、「きのこ汁」は秋の味覚満載の期待を見事に裏切って、スーパーに並ぶエノキ茸やナメコ、栽培マイタケが入っていた。そう、これが観光地の実態なのです。