黄金山 739.5

 

2016528日 晴れ

 

 

所用時間

登り・1時間40分(旧道コース・休憩時間含む)

下り・55分(新道コース・休憩時間含む)

 

 

 

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 最初の予定は「ピンネシリ山」だったが、登山口のある「道民の森・一番川オートキャンプ場」の入り口が「落石のため立ち入り禁止」で通行止めになっていたため、急きょ予定を「黄金山」に変更し、浜益へ向かった。

 施設内に登山口のある山は事前の通行確認が大事だ。電話1本掛けるだけで済むのに、それをしない怠慢さには自分でも呆れてしまった。

 浜益へ向かう途中、車道から見える黄金山の山頂部はまるで「槍ヶ岳」のようで、「浜益富士」と形容される姿とは趣が違った。

 

 

 

 

 

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 黄金山へは車道から砂利道の林道を進むことになる。林道入口の標識のある周囲は田植えが終わったばかりの水田地帯。その水田越しに「浜益富士」と呼ばれる黄金山が見える。

 

 

 

 

 

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 砂利道を4キロ進むと、手入れの行き届いた立派なトイレのある駐車場に着く。この日は土曜日とあってほぼ満車の状態になっていた。手前の空きスペースに車を停めたが、もう少し遅ければ駐車場所に困ったことだろう。

 

 

 

 

 

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 準備をしている間に、次々と登山者が出発して行く。グループ、ご夫婦、単独者、その形態は様々だが、黄金山は来る人の期待を裏切らない、楽しみの多い山でもある。

 

 

 

 

 

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 歩き始めて15分ほどで新道、旧道の分岐点に着く。正面は水場になっていて、冷たい水が流れ出ている。

 進むのは旧道。木の根をつかんで登る急登と、スリリングなトラバースが楽しめる。ほぼ垂直に切れ落ちる黄金山の裏の顔を見ることが出来るのも魅力だ。

 

 

 

 

 

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 しばらくは林の中の緩い登りが続く。右手前方の樹間から山頂部が見えて来た。

 

 

 

 

 

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 花の数は旧道の方が多い。オオタチツボスミレが群落を作って咲いている姿は圧巻だ。ここに来るまで小さな花を何度も写した努力は何だったのだろう。

 

 

 

 

 

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 まるでニリンソウ・ロード。登山道の脇をこれでもかと言うほどの量で咲いている。よく探せばミドリニリンソウが見つかるかも知れないが、面倒なので道草はせずにそのまま進むことにする。

 

 

 

 

 

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 木の根やロープにつかまりながら高度を上げると、背後に残雪の「奥徳富岳(尾白利加岳)」が見えて来る。

 急登の写真は登っている対象物(人間)がないと平坦に見えてしまうからつまらない。見上げるような急斜面でも、写真にすると現実とは違う緩い坂。そんなことで急登の写真は載せない。

 

 

 

 

 

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 何となく大雪山に咲くエゾコザクラに似ていなくもないが、オオサクラソウという名前が付いているようだ。山頂付近の急斜面に多かった。

 

 

 

 

 

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 恐怖のトラバースと言えば大袈裟だろうか。斜面の斜度や高度感はそれほどでもないが、頼りない細いトラロープが恐ろしいし、そそり立つ上部の岩壁からの落石が恐ろしい。

 こういう場所は早めに通り抜けるに越したことはない。くわばら、くわばらである。

 

 

 

 

 

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 トラバースを通り過ぎてひと安心。ヤシオツツジとオオカメノキが迎えてくれる。まるで紅白でのお迎えではないか。

 この辺りから新道を登る登山者の声が聞こえて来る。新道・旧道の分岐点まではもう少しだ。

 

 

 

 

 

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 分岐点から少し登ると、垂直の岩壁の向こうに群別岳や奥徳富岳が見えるようになる。あいにくと群別岳の山頂部は雲に隠れて、あの鋭鋒が見えないのは残念である。

 

 

 

 

 

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 岩の隙間に咲くミヤマアズマギク。エゾアズマギクとも呼ぶのだろうか。まさに「花」そのものと言った定番の容姿で面白みに欠けるが、可憐で可愛いことには間違いがない。

 

 

 

 

 

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 岩が積み重なったような前ピークが見えて来ると山頂は近い。ここまで上がると結構な風が流れているので、下の蒸し暑さとは違う山頂の爽快さを味わうことが出来る。

 

 

 

 

 

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 岩場になっている前ピークから黄金山の山頂を見る。細尾根で両側が鋭く切れ落ちているので、高度恐怖症の人は前ピークを山頂としているようだ。確かに前ピークの岩の上で立ち上がるとお尻がムズムズする。

 

 

 

 

 

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 黄金山の山頂から残雪模様の群別岳や奥徳富岳を見る。右奥には南暑寒岳が見える。

 

 

 

 

 

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 山頂から岩が露出している前ピークを見る。狭い山頂よりも前ピークで休憩する登山者が多い。自分も岩に座ってまったりとした時間を過ごした。

 

 

 

 

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 思いがけず、山頂でハクサンイチゲを目にすることが出来た。山頂にいた年輩の男性の話によると、この山では山頂でしか見ることが出来ないそうだ。ちょうど満開時期を迎えたようで、艶やかで真っ白な花弁だった。

 ピンネシリ山でハクサンイチゲを楽しもうと出掛けた今日の山歩きであったが、まさか黄金山の山頂で楽しむことが出来るとは。災い転じて福となす≠ニ言ったら、「それ、ちょっと意味が違う」と笑われるだろうか。

 

 

 

 

 

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 前ピークの岩陰から浜益地区方向を見下ろす。風があるせいか、海岸線には白波が立っている。空気も少しもやって、あまり遠くまで見通すことが出来ない。

 

 

 

 

 

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 最後まで群別岳の雲は流れず、あの鋭鋒を拝むことは出来なかった。雲が流れずと言うよりも、次々と海岸から雲がせり上がって来て、山頂部が現れなかった・・・と言う方が正確だろう。

 左から幌天狗、群別岳、奥徳富岳、右奥に南暑寒岳と続く山並みを展望する喜び、これも黄金山の魅力のひとつだろう。

 

 

 

 

 

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 下山時に新道で見た「キバナイカリソウ」。札幌近郊ではあまり見かけない花だが、結構な数で咲いていた。

 面白い容姿で何輪かが固まって咲いていた。まるで「スターウォーズ」に出て来る小型戦闘機のようにも見え、思いがけず花の小宇宙に引き込まれてしまった。

 

 

 

 

 

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 下りは登りの約半分の時間しか費やさなかった。それだけこの山の斜度が凄いということなんだろう。つまずいて前に転びさえしなければ、新道コースに不安な個所はない。

 安全第一なら新道コースの往復が賢明だろう。ちょっとしたスリルを味わいたければ旧道を登るのも一興だろう。

 大分下りて行った人がいた筈なのに駐車場はまだ満車状態だった。下りて来る時に、これから登る人何人かとすれ違ったので、その人たちの車が空きスペースを埋めたのだろう。

 

 

 

 

 

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 浜益温泉で汗を洗い流し、休憩所でゆっくり休んでから帰路についた。浜益地区から眺める黄金山はまさに「浜益富士」の形容ぴったりである。もう少し空気が澄んでいれば良い写真も撮れたのだろうが、まあカメラの値段と腕前を考えたら、これはこれで良しとしなければならないだろう。

 思い返せば11年ぶりの黄金山だった。今度は紅葉に彩られた秋に歩いて見たいものだ。

 

 

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