昆布岳 1,045m 標高1,045m。この程度の高さの山なら札幌近郊にいくつも転がっている。しかしニセコ方面から見たこの山は、たおやかに広がるなだらかな尾根と、険峻に突き出した山頂部を持ち、見た者の心に強い印象を残す。地図を広げて見ると、すそ野の広さは秀峰・羊蹄山に勝るとも劣らないことが分かる。峰々が重なり合うようなニセコ連峰とは違う、すっきりとした独立峰であることがその存在感を大きくする理由なのだろう。
「昆布岳」というユニークな山名を調べると、トコム・ポ・ヌプリ=(瘤の山=遠くから眺めると山塊の上に頂上部が瘤のように見える)説と、コンポ・ヌプリ=昆布の山(津波で山に昆布多し)説の2通りがあるようだ。
札幌から昆布岳登山口までは約3時間、行きは「喜茂別」から「留寿都」を通ったが、帰りに選んだ「真狩」から「喜茂別」を抜けるルートの方が簡明で近いようだ。とにかく登山口に着くまではロードマップから目が離せない状態だったが、近づくにつれて“昆布岳”の案内標識が多くなり、不安な運転者を安心させてくれた。登山口の道路向かいには駐車場とトイレがあり、手入れも行き届いていた。管理者の努力に感謝しながら使用させてもらった。
農家の裏手にある登山口には朽ち果てようとしている「ジープ」が置かれている。ここからは車の轍が残る作業道を利用しているので道幅も広く、歩き易い登山道が7合目付近まで続いている。8合目を過ぎてからようやく登山道らしくなり、9合目からの険峻な山頂部に相応した急登を登り切れば、昆布型の山頂標識が出迎えてくれる。一等三角点の山頂からは羊蹄山やニセコ連峰は勿論のこと、札幌近郊や積丹、狩場山塊、噴火湾を挟んで道南の山々まで眺望することができた。
登り・ゆったり3時間(休憩時間含む) 下り・テクテク2時間(休憩時間含む)
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農家の納屋の裏手にある登山口。その奥に朽ち果てようとしている「ジープ」が置かれている。
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カラマツ林を抜け、明るい作業道を歩く。作業道が交差するあたりで、おばさんからはピッチが早過ぎるとキツイ“喝”が入る。
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5合目過ぎの「メガネ岩」の前で記念撮影。意外と可愛いのにビックリ。崩落しないものかと心配になるほどだ。 |
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ちょっと変わったアングルで「メガネ岩」の中から休憩所を見る。反対側には洞爺湖の湖面が輝いている。
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休憩所の丸木ベンチから見る昆布岳山頂。ニセコ方面から見るのとは違って優しい山容である。このあたりカラ“ウルシ”の多いのが気になる。
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台風18号の強風で倒れた木々がいたる所で登山道をふさいでいる。かなり大きなダケカンバも根から引き抜かれたように倒れている。 |
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8合目付近から山頂部を眺める“海坊主夫妻”。いつも一緒、どこでも一緒の仲良し夫婦。うちらも見習おうかな。
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「さあ、ここからが本当の山登りだ!」と手拭いハチマキ姿の海坊主さんから気合が入る。ハイハイ、ヘイヘイ。
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山頂から眺めた羊蹄山。まさに秀峰という言葉がピッタリ。あまりにも美しすぎて味が無い?ってかい。 |
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こちらはデコボコのニセコ連峰。全部の山名は書き切れません。白い“イワオ”が目立ちます。
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昆布を形どった山頂標識を前にして記念撮影。みんなの顔がニコニコと“ヨロコンブ”・・・ |
飯も喰ったし、眺めも堪能したし、後はゆっくり下るだけ。ルンルン気分でね。 |
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